8/24//2001 制作作品  記事
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椿は私の好きな花の一つです。

「椿」「山茶花」は、私がよく描くモチーフですが、あの凛とした花と葉のコントラストに惹かれます。

葉が持つ堅い印象と花の柔らかな表情、八重咲きであってもくどい印象はまるでなく、何故か?私が「日本」を感じるイメージの一つです。

山茶花 制作途中
■ 山茶花 制作途中
 ■ 制作途中の「山茶花」部分です。この花の色は日本画で言うところの「胡粉」を用いています。私自身が日本画を好きになるのに、この「胡粉」という絵の具自体に惹かれた事も大きいと今思っています。

画面左上部の花びらになんだかすこし湿っているような部分が見られると思いますが、「胡粉」は描いているときには薄い乳白色であるものが、乾燥するとその白さが<立って>来るのです。

原料は古くは蛤の貝殻を精製したもの、現在は、牡蠣殻と聞いています。日本画で用いる絵の具、古典的なものは土であったり、樹液、貝殻、鉱物を砕いたもの、、、などなど。中には、動物の色素や、もちろん植物の色素なども重要な素材です。

基底材(描くものですね。)の紙、絹も自然素材。障壁画と呼ばれる様なものも壁土の上であったり、木材の上であったり、定着に用いるメデュウムも膠です。

ただ、最近の日本画を見て?残念なのは、、、この素晴らしい古くからの絵の具・素材を知ることなしに、現在の日本画絵の具(化学合成による)ものしか知らない人が描く人もまた見る人も増えていることです。

「椿」6号
■ 「椿」6号
 ■ 斑入りの椿です。

「椿」4号縦
■ 「椿」4号縦
 ■ 椿の種類は大変多く、こんな珍しいものもあります。
中の複雑に見える部分が、黄白色であったり、朱が強いものがあったり、絞りがあったり・・・・

「山茶花」5号
■ 「山茶花」5号
 ■ 八重の白い山茶花です。

「乙女椿」5号縦
■ 「乙女椿」5号縦
 ■ 複雑な表情を見せる椿ですが、何故かイメージの膨らむ表情をしています。ちなみに、枝が途中で折られたような表現は、中国で自然観察と宇宙の関係を論じた画法の中に語られる様式でもあります。

「椿」5号
■ 「椿」5号
 ■ ピンク色の椿、大きな花心も印象深いものです。


今回の全ては絹の上に描かれています。

 


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