5/16//2003 制作作品 記事
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倉敷帯江不洗観音寺障壁画
■ 一昨年よりご縁があって倉敷にある不洗観音寺客殿の障壁画を制作しています。昨日は、その第一期の制作、客殿入り口脇の「杉板戸」を納めることが出来ました。その様子をご紹介します。

| | ■ 設置された杉板戸正面の姿。玄関を入ると左手に見ることが出来ます。
お寺が270年前に建てられた客殿を再生され、その内部を飾る障壁画、ふすま絵を描いて欲しいというお話をいただいてから、題材として何がふさわしいか?また描法はどのようにするのがよいのか?を研究し、準備を進めてきましたが、昨年より、実制作にとりかかり、やっと、その第一期として杉板戸が設置された姿です。
本日、山陽新聞で紹介記事が掲載されましたが、明日お寺で開かれる恒例の薪能のおり、一部をご覧いただけるかもわかりませんね。 |

| | ■ まだまだこれから、内部を飾る襖が全て完成するまでには今しばらく時間がかかります。(平成19年には全てが納入され公開予定です。)
左画像は今回の制作でお世話になっている宮大工の方々、スタッフの皆さんの作業の様子です。なかなかご覧いただく機会が無い姿ですが、こういった方々のお力無くしては、今回のようなお仕事を満足に仕上げることが出来ないのも事実なのです。
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| | ■ 絵を描く基底材、紙の場合、絹の場合、そして今回のような板、木材。もちろん壁土に直接描く場合もあります。長い年月を生き抜く素材選び、またその為の描法は、現在、このような制作が社会的に少なくなった事もあって、忘れ去られ、失われようとしている状況です。
組子の技!!驚くばかり。絵を描いた杉板が枠に取り付けられていく姿も寸分の狂いも許さぬ作業でした。 |

| | ■ 昔、お寺は地域文化の発信地であり、価値観の提案者でもありました。教育の基本ともなった側面もありますね。文明が進み、社会の変化の中でそういった側面を強く感じることは少なくなっていますが、たとえば、今回の仕事、作業も、長い年月とともにある仕事ととらえると、変わりやすい社会、スピードが重視される昨今の価値観とは違った姿、示唆をあたえてくれます。
関わる私自身、新しい発見もあり、勉強をさせていただきながらの取り組みとなっています。おりにふれての、そのそれぞれの専門家からのお話は、貴重な情報となっています。技法、保存の問題など、、今後少しずつですが取り組みにそって紹介したいと思います。 |
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