2/19//2005 吉備雑感日記  記事
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「枯れたメディアほどアートになりたがる」

何処で聞いたのか、もしくは読んだのか、はたして誰の言葉だったのか、すでにその出会いを忘れてしまった言葉です。しかし、この言葉を初めて知った時の気持ちは覚えています。「そうだったんだ!」妙にすっきりとした気分になれたのです。当時、私が感じていた何かしらの<?>に回答とはならないまでも何らかのヒントを与えてくれた言葉でした。
  

デジスコ ヒヨドリ
■ デジスコ ヒヨドリ
 ■ 焚き火、燃え残った炭の存在。試しにとつまんでその炭を動かせば、黒い軌跡が残ります。

煤を集め、膠で固めたモノが「墨」。墨がなぜ作られたか?。また紙はどうして?現在のような姿になったのか?。


文房四宝の話を持ち出すまでもなく、「記録する」ということがいかに社会にとって大切な事であったか!という事なのです。そのためのテクノロジ。


では、何故!社会にとって記録するという行為が重要なのか?

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 ■ 何故、美術館や博物館があるのか?もちろん図書館も・・・・。


タイトルの中に象徴的に存在する二つの言葉。

「メディア」と「アート」

それぞれの言葉の意味する事は、何か?
<「メディア」とは価値を生み出すための道具ではないか?>と以前書いたような気がします。すると?「アート」は、何になるのでしょう。

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 ■ 博物館にあるモノ。図書館にあるモノ。美術館にあるモノ。今という時が一瞬ごとに過ぎさっていくのならば、それぞれの入れ物にあるモノは、すべてが過去。

アートとは、過去の知識。古い知識。記録された何かしら。


メディアとは記録するテクノロジ。価値を伝える、作り出す道具。

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 ■ 今日、岡山県立美術館特別展
「緑川洋一とゆかりの写真家たち1938−59」
を見てきました。
会期は明日まで、やっと見ることが出来ました。

写真というテクノロジ。使う人間。写す対象、写し出すもの。

何気ないスナップのなかに写し止められたものたち。飲み屋のお品書き値段。着ているファッション、生活の姿。町並み、人の姿。

<アートですよ!>とことさら言われているような作品よりスナップがよかった。記録がよかった。(あくまで私の個人的感想です・・・。)

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 ■ メディアの旬!の姿。価値観の輝き。


<よいこと(モノ)>ってどんなことを言うのでしょう?。世の中の価値観の多くは古い知識、社会的コンセンサスが基になって出来ているのは自明ですね。

記録され、伝えれられ、多くの人で共有される知識の姿。反抗するにしろ、革新するにしろ、すべては古い知識、共通の認識があってこそ。

今、社会的問題と呼ばれている多くは、この前提の崩れによって起きているように思います。<<古い知識が生かされていないのです。>>

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 ■ 古い知識がどのようにしたら生かされるか?伝えられるか?

古いと思われる価値観をいかに今に生きた形(普遍性)で伝えることが出来るか。美術館、博物館、図書館!それぞれの機能に今求められている事のように思います。



県立美術館の特別展。時代が今に近いこともあって、制作年をたよりに、自分自身の成長に重ね合わせて見てしまいました。

(フィルム)カメラ、デジカメ、携帯電話+カメラ、姿を変えてきていますね。この変化に連れて使い方も変わってきているように思います。その時々に応じた価値観の存在。・・・・写そうとした対象よりも<写ってしまった何か?>が輝くときがくるかも・・・。


・・・ホント、今時、日本画と呼ばれるモノも?もちろんだけれど、普通にしていたら?平面絵画なんて、メディアとしてはとんでもなく古いモノでしかないわけで、今に生きるメディアとしてどう使えるか?なんてことも考えたいなー!!なんて思っている今日この頃。日本画と呼ばれている画法、材料の古さ、プリミティブさが実は今、すごくおもしろいんじゃないか!とは私の思いこみ?です。

★メディア買収を巡る話が連日続いています。IT・新しいメディア側と、既成?メディアのテレビとの対峙とも見て取れます。それぞれの場面で交わされる言葉。メディア(テレビ)で流れる社長(IT側?)のコメント(価値観)を聞いていて思うのです。

「私は悪くない・ルール通りです。」

確かに!そのとおり。批判?をしている大人達・・・批判ももっともと思う部分は確かにありますが、これまでその批判の元となったような価値観を大人達は伝える努力を怠っていたように思います。「知らないことはわからない。」当たり前ですね。過去の知識が文字通り過去のものになってしまった瞬間です。

今に生きる形で価値観を再生する事の重要さ。伝えることの大切さ。

タイトルの「アート」と言う言葉は批判的な意味で使われているように思います。いわゆる権威?<過去の価値観><価値観の記録>としてのそれです。作られたときは紛れもなくメディアそのもの(生きているもの)であったはずなのに・・。

(★この部分・20日加筆)



※掲載している画像はすべてクリックすると大きく表示出来ます。最近のデジスコ写真。ヒヨドリ、シジュウカラ、ヤマガラ、キジ鳩。80mmアクロマート屈折・短焦点望遠鏡(F6.25)+25mmブローセルアイピース(約20倍)+NikonE4300(光学テレ端)でコリメート撮影。すべて家の中から(ペアガラスを通して)撮影。

 


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