3/18//2007 吉備雑感日記  
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問いかけること

世間では「伝統を大切にしよう」なんて機運が盛り上がっているそうですが、この『伝統』という言葉の意味するところははたしてどんなものなのでしょう。

なんとなくこの国の伝統をずっと受け継いで来た絵画というようなイメージのある『日本画』という言葉が、実は明治に作られた新しい言葉であったらしいということは既に書きました。また現在にいたっては、その言葉の存在自体がいろいろな意味で大変危ういということにも触れました。

『伝統』と言う言葉は、使えば大変耳障りがよく、またなんとなくわかったような気にさせてくれて、きっと大切なんだろうな〜とイメージさせてくれる便利な言葉ですが、この言葉を有効に機能させるためにも、この言葉を使う人間は、いつも『伝統ってなぁに?』という問いかけを行いその時々に応じたあらたな姿を与える必要があるように思うのです。

この問いかけを行うことによって、言葉の意味する存在自体がその時々の姿として再生され、あらたな命を得るように思うのです。
 

不洗観音寺客殿襖絵「瀬戸内春望図」水墨を基調としています。使用する和紙にもこだわりました。画像は4枚ずつ撮影しましたが、光量落ちで四隅(上記の画像では中央二枚、両端)が暗くなっています。とりあえず?のご紹介です。このあと引き手が付けられ、襖として完成されます。このほか、1/2//2006 吉備雑感日記「あけましておめでとうございます。」で紹介した 四季草木図 雪中竹林図、5/16//2003 制作作品で紹介した板戸「遊犬図」、などが2007年5月1日〜5日まで倉敷帯江不洗観音寺客殿で公開される予定です。
■ 不洗観音寺客殿襖絵「瀬戸内春望図」水墨を基調としています。使用する和紙にもこだわりました。画像は4枚ずつ撮影しましたが、光量落ちで四隅(上記の画像では中央二枚、両端)が暗くなっています。とりあえず?のご紹介です。このあと引き手が付けられ、襖として完成されます。

このほか、1/2//2006 吉備雑感日記「あけましておめでとうございます。」で紹介した 四季草木図 雪中竹林図、5/16//2003 制作作品で紹介した板戸「遊犬図」、などが2007年5月1日〜5日まで倉敷帯江不洗観音寺客殿で公開される予定です。


四季・十二支扇面(完成時は箔張りした襖にそれぞれが貼り込まれます。現在は参考のために完成時の並びをテストした表示です。)美濃紙、細川紙、楮と雁皮をブレンドしたオリジナルの紙、楮と三椏をブレンドしたオリジナルの紙などいろいろと薄い紙を使用しています。裏打ちのあと、貼り込まれたあとは、墨の発色他、思いの外、紙そのままの地肌が強い抵抗感を持っていることが見てもらえるでしょう。
■ 四季・十二支扇面(完成時は箔張りした襖にそれぞれが貼り込まれます。現在は参考のために完成時の並びをテストした表示です。)
美濃紙、細川紙、楮と雁皮をブレンドしたオリジナルの紙、楮と三椏をブレンドしたオリジナルの紙などいろいろと薄い紙を使用しています。裏打ちのあと、貼り込まれたあとは、墨の発色他、思いの外、紙そのままの地肌が強い抵抗感を持っていることが見てもらえるでしょう。
 

■ 『和紙とは何か?』 『日本画』と呼びたいと捜している存在にとって、基底材として使う和紙素材は大変重要な意味を持っています。『和』という言葉自体がこの国を現してもいるのですから当然ですね。

その和紙を作る材料、製法が今どのような現状になっているのかはたしてご存じでしょうか?心ある取り組みも確かにあるにはあるのですが、山の荒廃、消費の姿によってもたらされた姿はこの国の今を現しているようにも思えます。


四季・十二支扇面東は卯、西は酉、そんな配置も今回考えてみました。<告知など・・・>今年の暮れには徳島県で和紙をテーマとした展覧会が予定されています。その取材もかねて、この月末は、徳島県へ取材に行きます。その前に、以前紹介した明治期の日本画家、都路華香展が現在、笠岡市立竹喬美術館で行われています。この展覧に関連したワークショップを同館で24日行う予定です。
■ 四季・十二支扇面
東は卯、西は酉、そんな配置も今回考えてみました。



<告知など・・・>
今年の暮れには徳島県で和紙をテーマとした展覧会が予定されています。その取材もかねて、この月末は、徳島県へ取材に行きます。

その前に、以前紹介した明治期の日本画家、都路華香展が現在、笠岡市立竹喬美術館で行われています。この展覧に関連したワークショップを同館で24日行う予定です。
 

■ 倉敷不洗観音寺客殿襖絵の制作をさせていただくことになりその制作のおりおりに不思議な縁と言うべき出会いをさせてもらったように思います。紙について、また描法について、素材や、その使い方、制作についての考え方など。

問うことで存在が明らかになる。輝きをますものがある。

そんなことを今、思っています。

 


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