4/6//2007 吉備雑感日記  
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徳島取材

3月末は瀬戸内海を渡って徳島に行って来ました。今年の暮れに行われる徳島県立近代美術館の企画展出品にむけての取材でしたが、企画展の内容自体は、開催が迫ってから紹介するとして今日はその取材の様子を一部ご紹介します。

徳島には学生時代に旅行したり、また2002年の「自然を見つめる作家たち」展出品他でなんどか訪れ、また、2005年、同美術館での<日本画の季節ー墨と胡分で雪を描いてみる>鑑賞入門ワークショップで講師として訪れたり、また同年行われた音楽を題材とした特別展で拙作「雪音」を使っていただいたりと、なにかとご縁があります。
 これまでの取材では、あらかじめ自分自身で行く場所を決めてというスタイルをとっていたのですが、今回は、全て美術館の方にお任せして、ある意味で素の状態での徳島体験となりました。

※全ての画像はクリックすると大きく表示できます。

鳴門
■ 鳴門
 

■ 徳島到着朝一番に訪れたのはいわゆる「鳴門の渦潮」でした。船に乗って見ることにしました。あまりに定番!ゆえ、敬遠していた場所です。そこで知ったのは、あの写真で見るような渦潮は自然現象故、ここぞというタイミング(大潮他・カレンダーあり)を狙い澄ましていかないと見えないと言うことでした。渦はいつも巻いているのではなく、ある瞬間に突如として現れ、そして瞬く間に消えることを知りました。


船と併走のイルカ
■ 船と併走のイルカ
 

■ 船から徳島県側を見たり、淡路島側を見たり、その後、鳴門スカイラインを走りました。船で印象に残ったのは併走するイルカの姿です。間近ではねたり、桟橋までついてきて愛嬌を振りまいてくれました。


鳴門スカイラインより
■ 鳴門スカイラインより
 

■ 早朝に岡山を出発し徳島駅まで向かい、駅で迎えてくださった美術館の方ともう一人の作家を空港に迎えて鳴門へ。鳴門の渦潮を見た後は鳴門スカイラインを走りました。鳴門教育大や大塚国際美術館を横目で見、咲き始めた桜に春のおとづれを感じました。ただし、この日はこのあと急に冷え込み、降り始めた雨に寒さを感じました。


四国八十八カ所霊場参り一番札所霊山時
■ 四国八十八カ所霊場参り一番札所霊山時
 

■ まずは霊山時。四国八十八カ所霊場参りの一番札所として有名ですね。巡礼の方々が大変多くいらしていました。


大歩危峡 遊覧船
■ 大歩危峡 遊覧船
 

■ 霊山時を後にして向かうは一路山方面へ。高速道路を降りてまず最初は大歩危峡でした。以前取材に来たおり、乗ろうとも思わなかった遊覧船ですが、乗ってみて得られた視線は、降り始めた雨の情景とも重なって新鮮に感じられました。
食わず嫌いは・・・良くない。反省です。


祖谷のかずら橋
■ 祖谷のかずら橋
 

■ この日最後は「祖谷のかずら橋」を訪れました。ここも以前の取材で来たことがある場所でしたが、今回は少々印象が異なりました。橋間近にバイパス道が出来ていたり、巨大な駐車場が出来ていたり。以前、駐車場をさがしてぐるぐる回った記憶からすると確かに整備されたことは良いことなのでしょうが、秘境の雰囲気は薄らいだ気がしました。この日はここまで。宿泊した宿で岡山の知り合いと偶然再会!こんな出会いもあるのかと驚きました。


美濃田の淵、観光遊覧船、船着き場付近
■ 美濃田の淵、観光遊覧船、船着き場付近
 

■ 二日目最初は「美濃田の淵」でした。以前の取材では素通りしたところです。徳島自動車道インター、吉野川ハイウエイオアシスという名前と一瞬目に入るよくあるサービスエリア風の建物で敬遠した場所でしたが、川沿いに降りてみると大違い。今回認識が新たになった場所でした。こうした出会いも人に紹介していただいてこそのものと感じるばかりです。


美濃田の淵、観光遊覧船より。
■ 美濃田の淵、観光遊覧船より。
 

■ めずらしく船によく乗る取材となりました。今回これで3度目です。昨日とは打って変わった暖かさもあって、電機モーターで進む静かな船のゆったりとした動きはまさに春を感じさせてくれました。岸辺には咲き始めた桜の姿。遠目に見える山々にも見る間にピンクの固まりが見え隠れし始めました。船を降りた後対岸にわたり全景を眺めたり、スケッチしたり。多くの時間をここで過ごしました。


阿波紙ファクトリー
■ 阿波紙ファクトリー
 

■ 今回の取材で重要な訪問ポイント、阿波和紙伝統産業会館を訪ねました。和紙とはいったいどんな紙なのか?というテーマも今回の取材に関係しているのです。


沈下橋、潜水橋
■ 沈下橋、潜水橋
 

■ 高知では沈下橋と呼ばれていたと思いますが、徳島では潜水橋と呼ぶのだとか。
豊かな水の恵み。吉野川の流れをトレースするのも今回の目的の一つです。


河口堰から見た夕日
■ 河口堰から見た夕日
 

■ この日最後は夕日です。川幅も広くなりました。

お城の側、案内された河口堰付近の河原から夕日を眺めました。


文化の森総合公園 前にある河原より撮影。
■ 文化の森総合公園 前にある河原より撮影。
 

■ 最終日、朝起きてまず向かったのは文化の森総合公園。県立図書館、博物館、近代美術館、21世紀館など県立の施設が集められています。川縁に太い道路、施設の下を通るようにトンネルが建設中でした。所蔵作品展を拝見。飾られていた広島晃甫の「夕暮れの春」が目にとまりました。絵の表面では絵の具を削り落とした様子が見て取れます。画面を壊しているのかというとそうではありません。きちんとバルールのコントロールがされており、絵としてまとまっています。どう見ても確信犯的作業です。印譜が削り落とされた上にある部分をもって、本人がやった(削った)かどうかは明らかに出来ませんが(別の人が押した可能性もある)、大正期の『日本画』を考えるうえで興味深い作品でした。惹かれる絵です。


吉野川河口
■ 吉野川河口
 

■ 吉野川の流れを追った取材最後は河口を見ること。対岸がかなり遠くに見えます。大きな流木が流れ着いていました。
海岸沿いにはまたしても?大きな道路が建設中。環状道路ができるのだとか。


眉山ロープウエイより
■ 眉山ロープウエイより
 

■ 最後はお上りさんよろしく観光の定番?眉山にロープウエイで登りました。これも初めての経験です。なめていました・・・案外登ってみると高いんですね。徳島市街が一望できました。季節はまさに春。桜が咲き始めています。きっと週末はたくさんの人で溢れ帰るはずと思いました。


山頂の桜
■ 山頂の桜
 

■ 山頂の桜を満喫して、私は徳島駅から「特急うずしお」で一路高松へ、マリンライナーに乗り換え岡山へ帰りました。

瀬戸大橋を渡る時、黄砂の影響か、大きな夕日が瀬戸内の島影の上にちょうど見えました。
下津井が近くなったとき、ハッとするほどの島影と夕日の組み合わせを見つけ、このあたりの島におりて夕日を眺めてみたいと思たのですが、期せずして数日の内にそれが実現することになりました。これも不思議な縁。この話はまた別の機会に。

 


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