12/19//2007 吉備雑感日記  
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どれもみんな素晴らしい?

以前、友人から聞いた「売れてる本が読みたい」という言葉を種に世間の価値観のありかたについて、ちょっとだけ考えたことがありました。確かに、私が考えたからってどうなるというたぐいのことではありませんが、その時、少々寂しい気がしたことも確かな事です。
 「売れてるモノと、それ以外」。確かに売れるだけの何かがあるということは理解が出来ます。一方、それ以外とされるモノ達のなかにも、多くの方々の支持は集められないにしても熱狂的なコアなファンが存在することによって成り立つようなものもあるはずです。しかし、ここのところ、そういったものの存在が急激に危機的な状況になりつつあるように思うのです。マイナーなモノを認めると言えば聞こえは良いのですが、「どれもみんな素晴らしい」といったなんとなくものわかりのよさそうな言葉で片づけられ、忘れられていっているようにも思うのです。
  

アートの今・岡山2007 :高梁市歴史美術館(高梁市文化交流館2階)での展示の様子。
■ アートの今・岡山2007 :高梁市歴史美術館(高梁市文化交流館2階)での展示の様子。
 

■ 少数であることをちゃんと意識して、それでも必要と考えるならそれなりの対処を考える。

「なんでもありですよ」と、ものわかりよく認めた気分だけではなかなか続かない世界があるように思うのです。


「日本画-和紙の魅力を探る」徳島県立近代美術館の展示の様子1
■ 「日本画-和紙の魅力を探る」徳島県立近代美術館の展示の様子1
 

■ 市場原理?と言えば聞こえよく、なんとなく納得させられそうになるのですが、いわゆる「大衆の選択」といった言葉で片づけてはいけない何かの存在もあるように思うのです。


「日本画-和紙の魅力を探る」徳島県立近代美術館の展示の様子2
■ 「日本画-和紙の魅力を探る」徳島県立近代美術館の展示の様子2
 

■ あえて「良し悪しを言おう」という態度が必要なのかもわかりません。

「良い」とはどういうことかを考える事かもわかりません。


ワークショップの様子:ご参加くださったみなさん、お忙しい中をありがとうございました。はたして楽しんでいただけたかどうか・・。たくさんサービス?とは思っていたのですが、時間がおしてしまいましたね。少々詰め込みすぎたと反省です。よい出会いになっていれば幸いです。最後に徳島県近代美術館の皆様、ありがとうございました。(画像は参加者のかたよりいただきました)
■ ワークショップの様子:
ご参加くださったみなさん、お忙しい中をありがとうございました。はたして楽しんでいただけたかどうか・・。たくさんサービス?とは思っていたのですが、時間がおしてしまいましたね。少々詰め込みすぎたと反省です。よい出会いになっていれば幸いです。最後に徳島県近代美術館の皆様、ありがとうございました。(画像は参加者のかたよりいただきました)
 

■ 『日本画』がもし存在するなら、この価値観を成立させて来たのははたして何だったのか?
紙、絹、筆、刷毛、絵の具、膠・・・・材料、道具それぞれ。
つい先日も昔ながらの膠匙が欲しいと思い、注文しようとすると「ありません。作っていた方が亡くなられたのです・・・・」という答えを聞きました。膠匙なんてスプーンでもいいじゃない・・とおっしゃるかたもいらっしゃると思います。確かに絵に直接結びつくものではありません、しかし、このことがそれだけにとどまらず次々に連鎖していった時を思うのです。

基底材である紙や絹、描く筆、刷毛、絵の具、膠・・・関わる多くの方々のノウハウが複雑に絡み合って出来上がっている価値観ということを考えるのです。技法を成立させるために必要なものは、やはりその価値観そのものと同様に捉える必要があるように思うのです。

何がどうよいのか、何故大切にしなければならないのか、良し悪しをしっかりと見極めようとする態度が求められると思うのです。

 


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