11/2//2006 展覧会案内・感想  
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沖 一峨 鳥取県立博物館

「鳥取藩御用絵師 沖 一峨 江戸の小粋。」11月5日まで

感想は、大満足!(会期あと僅かですが、可能なら^^;)是非ご覧になることをお勧めします。

やっと今日、見ることが出来ました。先月中頃、知り合いの学芸員さんから教えていただき、見たい展覧会とチェックしていたのですが、ここのところのあまりに慌ただしい毎日で危うく見落とす所でした。片道120kmちょっとの道のり(吉備高原都市<>鳥取県立博物館)を慌ただしく日帰りしましたが、無理してでも行って良かったと思える展覧会でした。
 

左・展覧会チラシと右・カタログ を撮影
■ 左・展覧会チラシと右・カタログ を撮影
 

■ 第一室、入り口を左に曲がってまず目に飛び込んできたのはカタログNo.8の花杲方円図でした。柔らかい色調なのに鮮やかな印象、階調の豊かさを強く感じます。続く四季草花図、繊細な描き込みの存在。
 「沖 一峨」についての予備知識はほとんどありませんでした。 紹介してくださった学芸員の方の言葉のみ。「江戸の末期、狩野派にありながら、いろんなことにチャレンジした絵師。おもしろいよ!。」これだけ・・・。過大な期待をしていなかったのが良かったのか、この最初の壁に掛かった絵を見ただけで、ただならぬ力をもった画家ではないか!と素直に絵に引き込まれてしまいました。


鳥取県立博物館正面
■ 鳥取県立博物館正面
 

■ とにかく繊細な描き込み、観念的では無い生き生きとした描写・表現は古さを感じさせず、絵の具の良さ、保存状態の良さも手伝って、世の中の多くの人が今現在見ても素直に綺麗と感じられる要素をちゃんと絵自身が持っています。

細密な描き込み、純粋な色の美しさ、技巧の存在。わかりやすいが故に現代にあって敬遠されてきた表現ですが、絵を見るのに特別な知識や教養が無くとも素直に誰もが何かを感じられる。プロの仕事として、あらためて大切なことだと気づかせてくれます。


隣には仁鳳閣(仁風閣)や、鳥取城跡、お堀 
■ 隣には仁鳳閣(仁風閣)や、鳥取城跡、お堀 
 

■ 酒井 抱一、中村 芳中、尾形 光琳・・・様式等、比較対象されるように並べられた作品の数々も楽しませてくれます。これも嬉しかったことの一つ。

光琳の竹虎図も良かった。

で・・・・もっと期待以上だったのは、第3室。相国寺の文正 鳴鶴図、伊藤 若沖の白鶴図、狩野 探幽の飛鶴図の全部を並べて見えたこと!!。知る人ぞ知る?元絵とその写し?の関係。かねてより知ってはいたけれど、こうして並べてみると、やっぱり私は文正が好きです。


鳥取砂丘
■ 鳥取砂丘
 

■ 花鳥、竜虎、風景、人物様々な画題。チャレンジした様々な描法。ニガウリの描写一つとっても楽しんで描いているのがわかるようです。

沖 一峨のチャレンジした様々、今の時代にあっても競争力のある何かの存在を感じました。

立派なカタログもありますが、やっぱり実物でしかわからない色、階調、質感・大きさの存在があります。もし時間が許せばご覧になることをお勧めする展覧会です。

 


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