6/16//2008 吉備雑感日記  
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土佐の紙 大濵紙に描いた日本画展

高知県いの町 紙の博物館で「土佐の紙 大濵紙に描いた日本画展」が開かれます。
平成20年7月1日(火)~7月8日(火)
開館時間 9:00~17:00
(会期中、休館日はありません。初日のみ13時開館)

 

展覧会チラシ 
■ 展覧会チラシ 
 

■ 「日本画とは何か?」という問いの答えを探すうち、描く内容、描き方ももちろんですが、用いる画材についても興味深いいろいろな出会いがありました。

たとえば、「和紙」という言葉自体が明治時代に出来た言葉であるのを知ったこと。江戸時代の幕藩体制は、思うほど中央集権では無く、それぞれの藩ごとに材料である紙や、絵の描き方がそれぞれあったらしいということ。

使われる紙などの材料や道具の筆、刷毛など、それらを作る方々のある種の工芸性の中に、伝統と呼ばれるような価値観が込められていること。

ここ岡山の山中で暮らしはじめたころ、東京で見る色との違いにしばらく絵が描けなくなったことを思い出します。眼に飛び込むそれぞれの色が鮮やかに見えるのです。

光の違いというのでしょうか、同じ太陽の下のはずなのに。
地形、植生の違いもあって、風景も異なります。


筆、刷毛、紙、それぞれに込められたノウハウ、価値観。多様性を支えるそれぞれの供給には、産地も、そしてそれぞれを作り続けている方々、額装、表具、流通に関わる方にいたるまで皆が元気でなければ、今感じることが出来る素晴らしいと思うことを伝えることができなくなるのです。

「日本画」が絵描きだけで存在しているのでは無いとあらためて思うところです。

新たに漉かれた紙、「大濵紙」に34名の日本画家が描きました。
私もその一人に加えていただいています。

それぞれの地域が元気であることが大切なのです。
大濵紙には、ここ岡山の雁皮素材も材料に使われているそうです。

 


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