完全対称 2SK135 MOS FET Power の続き
No.126 1995/3
やっと出来上がった。のでしばらく聴いていましたが,7年もかかって音が出たので感激も一入そっと撫でてみる。!
ヒートシンクちょっと熱い!ではないかい?
アイドリング電流を測ってみると,最初調整したときよりも増えています。それも時間を追うごとに増えているようです。
このままにしておいたら電流が増えてそのうち(・・;)になってしまうかもしれません。不安になってきました。
そういえば,思い当たるふしがあります,初段の2N5465をTrの定電流に替えています。物によっては2N5465を
ファイナルに貼り付けて温度補償に使うこともあります。
シャーシ内の温度が上がったときには,ここで補償するようになっていたのかもしれません。失敗だったか!と思い1775を触
ってみると熱い。しばらく触っていると,見る見るアイドリング電流が下がってきます。
ということは1775の温度を下げればいいのでしょうか?
最大損失をオーバーしているのも考えらます。ので,1775のPcを計算してみると220mW位です。Maxは300mW
なのでまだ余裕があるようです。
まずはやってみる。
2SC1775冷やしてやればよいのではと思いこんなことをやってみました。
しかし,あまり効果がないようです。残念ながら同じように温度は上がり,時間が遅くなるだけのようです。
当然ですネ,放熱効果が上がったからといっても,シャーシ内はそれなりに温度が上がるわけで補償にはなっていない
てことでしょう。
ということは根本的に温度補償を考えなければならないのでしょうか。
次はこれ
1775に1S1588を熱結合してみました。(この方法で補償ができるか根拠はまったくありません。) ただ,この
ままでは最初の時より初段の電流が増えてしまいます。また、1775のPcが増えるのでエミッタ-抵抗を変更しました。
変更前は4.8mAが4.1mAになったのでPcは少し減って180mW位になりました。ダイオードの挿入と
Pcを下げることを,一度に2つやってしまったのでどちらが効いたのかわかりませんが。
結果は次の表のとおり。
分 | 0分 | 5分 | 10分 | 15分 | 20分 | 25分 | 30分 |
40分 | 50分 | 60分 | 70分 | 80分 | 90分 |
L | 42.2 | 45.0 | 46.7 | 47.6 | 48.2 | 48.9 | 49.2 |
49.8 | 50.2 | 50.2 | 50.5 | 50.4 | 51.0 |
R | 39.2 | 44.4 | 46.3 | 47.8 | 48.8 | 49.9 | 50.5 |
51.4 | 52.0 | 52.5 | 52.6 | 52.8 | 53.2 |
数値はソース抵抗0.1Ωの電圧降下を測ったものです。(単位はmV)概ね目安でしかありませんが,1時間ぐらいで落
ち着いてきます。ただ,SWオン直後よりも100mA位増えています。
100mAも増えるので1775に手を当てて冷やすと,やはりアイドリング電流が減るので温度が上がったことによる
もののようです。
ならば,温度補償の回路を追加するよりも,1775の温度が上昇しないようにPcを下げる方が,効果的なのかもし
れません。
Pcを少なくするには,コレクターの電圧降下を下げる,こんな回路が有効なのかもしれません。が,現状で電源オン時より100mA
位増えるだけで3〜4時間聞いていても,アイドリング電流はこれ以上上昇せず変化は無いので,このままにしておきます。(~_~;)
他にも気になることがある。
しかし,電源オン時のポップ音が大きいのにはびっくり,最近は子供たちも音楽に目覚めてチョコチョコ弄っているようだし,
自分だけ使うのならいざ知らず家族も使うことを考えると,このままでは壊れはしないかと誰も触らないように思います。
それに,今まで作った物に比べ大きいような? GOAにしろドレイン出力にしろこんなに大きくありませんでした。
ファイナルで電圧増幅している完対アンプはこんなんでしょうか?
ちょっと調べてみると,電源分離型では+側の2段目にSWを入れてアンプをON・OFFしているのもあるので,
そのようにやってみました。しかし,電源オン時にポップ音は大きく以前と変わっているようには思えまん。
しかも誘導性のノイズも混入するのでこれでは対策になっていません。
しかたないのでこんなことをやってみる
ポップ音を押さえるには私にはこれくらいしか思いつきません。SPと出力の間にリレーを入れました。
この回路で10秒から60秒位に設定できます。しかし,金田氏も書いているとおり音質の劣化は免れないと思います。
何か良い方法はないかと考えてみました。電源トランスとコンデンサーは指定どおりではないので、前段の電源の
立ち上がりと出力段の電圧の立ち上がりのタイミングが原因とも考えられます。
出力段の電源に最新の保護回路を入れて,これにデレーを入れる方法もありますが,ポップ音に効果があるかは未知数なので,
今回はこれでお茶を濁しておくことにします。
調子が悪くなってしまった。03/01/06
世の中は師走に掛かり忙しそうですが,私は年末も年始も休みなし辛いなー!
たまにはこのアンプにも活を入れてやろうとボリュームを3時ぐらいの位置まで回してみました。?????
こんな位置まで回すことが無かったので今まで気づきませんでしたが,プリアンプのボリュームを回すと発振してしまいます。
可聴帯域なのですぐ分かりましたが(~_~;),これが人の耳に聴こえないぐらい高い周波数だったら,いまだに気が付いて
いなかったかもしれません。
最初はプリのボリュームを回して発振するので,プリアンプだと思い込んでいました。たまたま
ちょっとDCなページにAOCが発振していた。との,レポートを見たので1kΩをゲートに入れてみ
ましたが変化はありませんでした。
途方にくれていましたが,そうこうしているうちに,メインの入力ジャックの片方を抜くと止まってしまうのに
気がつきました。?
そういえばLRの2chとも同時に発振が起こっているようで,メイン側アンプの共通回路インピーダンスが
悪さをしているみたいです。入力のインピーダンスを下げるように入力抵抗680kΩを100kΩにしてみましたが,
変化ありませんでした。
次にやったのが入力のピンジャックのところでLRのアース同士を繋いでみました。これが効きました。何も無かったの
ごとく止まってしまいました。
たぶん,写真を見ると分かると思いますが,入力のピンジャックからアンプ基板までSonyのケーブルで引き回して
います。LRの被覆を分離せずそのままにしていますが,この部分が干渉しているのかもしれません。
幾分音もスッキリしたような,気のせいでしょうネ。(~_~;)
平滑コンデンサーをKMHに替えてみました。05/04/01
だいぶ前のことですが,電源の平滑コンデンサーをすべて最近良く使われているKMHに入れ替えました。なにげに
そのようなことになったのかと言えば,最新式のプリを作ったときニッケミKMH35V47,000μFを間違えて購入
し使い道に困っていたことと,プリの電源回路の平滑コンデンサーをニッケミのCEからKMHに入れ替えてみて,
その音の違いにびっくり,一挙にパワーも取り替えてしまった,ということです。(~_~;)
音は中低域の軽さがなくなり完対らしいエネルギー感のある音に変化したようです。ちなみに取り替える前はニッケミのCE
とELNAのセラファインでした。
最新型の保護回路を導入しました。
最新式の保護回路を導入しました。#178のプラス側高圧電源がいらない回路を使いましたが,例によってこの基板
パターンに間違いがあります。プラス側のFET周りの配線はランドが一つ中央よりになります。
なお,#178の記事では回路図のFETが+−で入れ替わっているようですので気をつけなければなりません。また,
電圧が若干低い(39V→32V)のでそれに合わせて抵抗値を変更してあります。
ここに使用したFETは製作記事指定ではありませんが,○トー電気で購入したK2586とJ555を使ってみまし
た。K2554同様にON抵抗が小さいデバイスです。
制御回路としては基板の大きさが少し大きいように見えますが,それは保護のVo検出回路もこの基板へまとめてしまった
ためです。
過電流検出保護はアンプ側の基板へもう部品を付ける余裕がないので今回は諦めました。
何で今ごろになってこんな物に手を入れるのかって思う人がいらっしゃいましょうが,それには分けがありまして,
このアンプのファイナルに使っているK135の音が気に入っていることも有り,
こんな理由によります。