金田式バッテリーDCリプリアンプ
このプリアンプはレコード専用で増幅段は2段構成です,初段でローブーストし2段でハイカットしています。
初段と2段の間に音量調整ボリュームを入れています。したがって,このアンプにはレコードプレーヤー以外接続
できません。また,電池を+−15V(単一20本)使っています。 初段のローブーストアンプ
初段はSonyの2SK97、2段は2SA726ではなくそのデユアルタイプの2SA798です。オフセット調整は
初段コレクター負荷側抵抗値を調整して合わせています。最初に半固定抵抗で抵抗値を測定しその抵抗値に近い
値の固定抵抗に付け替えています。音質を優先してこのようにしています。2SA726はいつだったか忘れましたが、
相当数を手に入れることができたので入れ替えるつもりです。
2段ハイカットアンプ
初段はソリトロン2N3954、2段目は2SA798です。モガミのシールドケーブルはヴォリュームに繋がって
います。2段目は直接パワーアンプに繋がるので、オフセットの調整は厳密にする必要がありますが、結果的に初
段と同じ方法で調整が可能でした。出力のケーブルは基板の下を通して裏面に出しています。 1段・2段の構成
増幅回路の構成です。プリアンプのみをケースに入れているので余裕があります。このアンプの音量調整は
カップリングコンデンサーの後ろへスケルトン抵抗(50kΩ)を付けてその後へ減衰用のアッテネータを付け
それに2段目のアンプを接続する事によって実現しています。
スケルトン抵抗のアッテネータによるボリュム回路
音質には関係ありませんが、最初ボリュームを初段と2段の間に配置していましたが、取り付けているケースが
アルミで軟らかいためいくら補強してもクリック感が悪くフロントパネルへ直接取り付けることにより改善できま
した。ケーブルが基板の上側を横断するため保守性が若干悪くなりました。
電源のレギュレター回路
プッシュプルレギュレータです。制御Trに放熱器をつけていますが、損失が多くないので必要ありません飾り
です。このレギュレータは何台も作りましたがトラブルに見舞われたことはありません。安定した回路だと思い
ます。ただし、保護回路はないのでショートさせると一瞬にして制御Trが破壊してしまいます。今となっては手
に入れることができないTrなので手を入れるときには気を使います。
電源を+−17.5Vに昇圧を考える。
まず+−10Vを17.5Vにする。
アンプの部分を改造する。これがたいへんだった。
結局どうなったの?
改造後の回路
フィードバック型カーレントミラーに変更
改造した基板
このアンプは金メッキの端子を使っていますが、今にしてこれは音質面から失敗であったと思っています。
どれだけ、音質にかかわっているか不明ですが、無いにこしたことはないと思っています。
メインのSP用に作ったこのアンプは乾電池の数がプリとメイン合わせて単一を80本も使っています。いくら
長持ちするからといって取り替えするのはおっくうなものです。プリの電圧を17.5Vに昇圧すればメインの電
圧増幅段と共通にできるので,以前から計画は立てていましたが,時間の経つのは早いものでこのプリを作っ
たのが1987年もう15年も経っているじゃ有りませんか。
いっそのこと新しい回路で作ればよいのでは,いまなぜ?改造をと思われる方もおられましょうが,やはり
この電池式のアンプは金田式の傑作のように思います。それならば最高の状態で聞けるようにしてやりたいの
も人情かと,ちょと大げさでしょうか?(^_^;)
電池のことはおいといて,このアンプを最高の状態にするためにC1400・C1399・A726などかき集めていたのが,
ずいぶん前のことで今ではどこで手に入れたのかも覚えていません。このお宝,箱の中で眠っているのはもっ
たいない話です。
なぜほったらかしていたのか今になって思い起こせば,このアンプ改造を思いついたときには,金田氏のア
ンプはすでにFETに切り替わっていて,私もそちらに興味をそそられ手燭が伸びてしまったためだったような気
がします。そんなこんなしているうちに,いにしえの名器を手放す人がMJ誌に出ていたのを見て入手したように
思います。FETさまさまですハイ!
メインSPシステムといってもいつも聞ける訳ではなく田舎の実家に帰ったときに,時たま聞くだけでそのとき
は早く改造しなければこいつも可哀想だと思いつつも,つい最近まで仕事が忙しくてオーディオどころではなか
ったのです。−−−言い訳ですが。
しかし,ちょっと時間が取れるようになったのでその気になってしまいました。というのは建前でこのホーム
ページに乗せるコンテンツも尽きてきたので登場してきたという次第です。
しかし,いい音が聞けるハズなので良しとしましょう(~_~;)
このレギュレータはデスクリート回路に替わった初期のものでカーレントミラーの47Ωの抵抗もあるしアイ
ドル電流調整はダイオードではなくTrで作ってます。
新しいのへ替えたかったのですが,まずはゼナーと抵抗を
ジャンク箱を漁ってみました。全部は進の抵抗が揃いません。したがって,電圧に関係しそううな部分だけ
変更することにした。若干出力の電圧値は合いませんが,おおむね17.5VになったのでOKとしました。
ただ,LEDの光り方が派手になっているように思ったのでアイドル電流を測ってみると30mAぐらい流れてい
るじゃーないですか。そんなにレギュレターに流すはずはないのです?が,最適値など覚えている分けがありません,
今から昔の雑誌をあたるのは大変でした,どこに書いてあるのかも皆目検討がつきません,やっと90/4月号で
見つけ出しました。
最適値は7mA位と分かったのでそのようにしました。こんなときはTrでアイドル電流を調整するようにして
いると便利ですネ。ちなみにダイオードでバイアスを作っている場合は,差動用の共通エミッタ−抵抗を替えて
調整するようにどこかに書いてあったように思います。この方法は難しいような気がします。
回路図から見るとゼナーダイオードの電流調整用の抵抗を倍ぐらいに変更するだけで済みそうに思えました,
がここも進の抵抗は足りなかったのでそれに近い値で我慢することにしました。
なおレギュレータなしのメインアンプなんかは,電池が消耗したときに合わせて抵抗値を決めているようで,
あまり気を使わなくても良さそうなのでこうしました。それとC1400・A726の交換も合わせてやってしまいました。
レギュレータと併せて22本も変えてしまいました。(^o^)
以上ここまでが,休みの日を使って一日ほどで改造が完了しました。アー疲れた。
しかーし,ここからがたいへんだった。
ファーストアンプのオフセット電圧を測って見ると電源電圧に張り付いていたり,電源を一度切って
再度入れてみると正常になったりします。ボリューム用のアッテネータを切り替えても電圧が変化します。
この部分は0.4マイクロでファーストアンプとは分離されているので影響が出るはずはありません。
のは,電気回路の常識ですが,このアンプに限ってそうでは有りませんでした。
と思い以前konton氏のHPを見たときアース配線によって
発振が止まる場合があるとも書いていたように思うので,さっそく実験してみました。ファーストアンプの入力回路
の部分と出力回路の部分のアースを接続してみたり,電源回路のアース線を整理してみたりしてみました。しかし,
状態は変化しますが不安定さは変わりません。
セカンドアンプも少しおかしいようです。アッテネータの位置によりオフセットが変化します,しかも直線的に
変化するのならまだ分かるのですが,ランダムな状態になります。特にセカンドアンプの入力をショート
(ボリュムを絞り込んだ状態)すると大きく変わってしまいます。
このアンプに使っているカスコード回路は高周波増幅に使うとどこかの教科書に書いてあった。ので,電波を
拾ってラジオになっていることも考えられます。以前作ったプリ・メインでは中国語の放送が聞けたこともありま
した。(^_^;)本当です。
入力にデップマイカを接続して高周波対策?をしてみましたが,依然不安定さは解消しません。
こんなことを試しながら3日も経ってしまいました。
オリジナルの回路
本当に困った,調整しながら3日も経ってしまいどうにもならない。最後の手は位相補正のSEコンを替える
事ぐらいしか残っていません。と思いSEを見てみると,オヤ?オリジナルの回路と値が違うし,基板のパターンも
剥がれていたりで,かなり調整した後が見える。
10年以上前に作ったので,そのときの記憶がありません。年ですね!結局すんなりと2pF増やしたらうまくい
って,不安定な現象は解消されてしまいました。
定かでは有りませんが,電圧を上げたことによってTrの電極間容量が減少し,全体としての位相補正の容量
が不足し,SEコンの容量を増やさなければならなかったではと思います。
それと2段目のカスコードをA726に替えたことも原因しているのかもしれません。
SEコンの容量はオリジナルに比べ2倍以上にしているのでまったく腑に落ちません?。私の配線技術が未熟なのか,
プリアンプってオリジナルのとおり作らないと,こんなことになってしまうのでしょうか?
しかし,昔作ったときもSEの容量を微調整しているし,今回も同じことが起きた。本当にプリアンプは難し
いと思います。初心者が作った場合は,うまくいかず放り出してしまうこともあるような気がします。(^^ゞ
まだこのプリ改造するところが残っています,それは2段目のカレントミラーを半導体に替えることですが,
また位相補正を調整することになりはしないかと心配です。
しばらくこれで聞いてみよう。
懸案であった改造を今回行いました。フィードバック型カーレントミラーの採用です。
オリジナルは2SC1775と2SC1583ですが,2SC1400に変更しました。それともう一箇所
2段目の差動Tr2SA798を2SA726Gに変更しました。
毎度のことですが,今回はアッテネータを絞り込んでしまうとセカンドアンプに50mV位オフセット
(ドリフト?)が発生しました。そのため位相補正のコンデンサーの,容量を増やすことになりました。
前ほどひどく無さそうでしたが,ファーストアンプ側のコンデンサを増やしました。前の経験からセ
カンドアンプ側がおかしくても,原因はファーストアンプ側にもあると検討をふんだので,調整は4時間
ぐらいで済みました。
上記の改造を同時にやったので,安定度に影響したのが1400なのか726なのかはっきりしませんが,
GOAプリメインをフィードバック型カーレントミラーにしたとき安定度が増したので,726が怪しいと
ふんでいます。
プリは難しいですネ。