○著作年譜

2012年01月01日

 主要著作・年譜 (2016年10月改訂)
(略歴)

紀田順一郎(きだ・じゅんいちろう)
本名佐藤俊。1935年生まれ。評論家、作家。書誌学、メデイア論を専攻し、古書をテーマとした推理小説も手がける。2006-12年、神奈川近代文学館館長をつとめた。(主な著書)『20世紀を騒がせた本』(1993、新潮社)、『日本の書物』(1994、筑摩書房)『日記の虚実』(1995、筑摩書房)、『日本語大博物館』(1994、ジャストシステム)、『紀田順一郎著作集』全九巻(1997、三一書房)、『第三閲覧室』(1999、新潮社)など。

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(年譜)

1935年 神奈川県横浜市に生まれる。戦中戦後の荒廃した少年時代に、読書を唯一無上の慰めとして育つ(『横浜少年物語』2009)。

1950年代 慶応義塾大学経済学部入学(在学中、同大学推理小説同好会に参加。あたかも活字メディアと映画の黄金時代。全集・文庫本に読みふけり、映画鑑賞に余念のない日々を送る。'58
1960年代 大伴昌司。桂千穂らと怪奇幻想文学同人「THE HORROR」(顧問平井呈一)を結成。三一書房より『現代人の読書』(1964)上梓を契機に、著述業に専念。『明治の理想』(1965)、『落書日本史』(1967)、『開国の精神』(1969)等を上梓。近代史、書誌専攻の評論家をめぎす。
平井呈一・中島河太郎と叢書『怪奇幻想の文学』全4巷=後に7巻(新人物往来社)を編纂。

1970年代前半 『牢獄の思想』(1971、三一書房)のほか、出版、読書論にカ点を置き、『読書の年商社入社、勤務のかたわら、神田神保町に通いつめ、古書収集。京都を本部とする推理小貌同人「SRの会」の東京支部を結成、研究、コラムを発表。
整理学』(同、竹内書店)、『書物・情報・読書』(1972、出版ニュース社)、『現代読書の技術』(1975、拍書房)、『書物との出会い』(1976、玉川大学出版部)などを発表。
*荒俣宏と雑誌「幻想と怪奇」(三崎書房、歳月社)を創刊。
翻訳 『ブラックウッド傑作集』(1972、創土社)、『M・R・ジェイムズ全集』上
下(1973-5、同)

1970年代後半 内外の古典紹介に力点を置き、荒俣宏共編の『せ界幻想文学大系』全53冊(国書刊行会)を編纂のほか、古典のガイド的エッセイ『日本の書物』(1976、新潮社、『世界の書物』(1977、同)を「週刊新潮」に連載後、上梓するほか、70年代出版論の集成として『本の環境学』(出撃ニユース社、1975)、『読書戦争』(1978、三一書房)、『映画コレクション入門』(1978、海燕書房)『読書人の周辺(1979、実業之日本社)、『古書街を歩く』(1979、新潮社 = のち 1992、福武文庫)、などを刊行。
翻訳 M.R.ジェイムズ他『五つの壺』(1979、ハヤカワ文庫)

1980年代前半 書物関連の著作としては、近代の辞書をはじめ名著の成立に関わるノンフィクション『生涯を賭けた−冊』(1981、新潮社)、『知の職人たち』(1982、同)、戦中戦後を読書史の観点から回顧する『最初の一冊』(1981、三一書房)、『図書館活用百科』(新潮社、1981=のち『図書館が面白い』1994、ちくま文庫)などを刊行。
ほかに初の創作として、古本屋探偵を主人公に愛書家の情念を探求した推理小説『幻書辞典』(1982、三一書房)、家蔵のフィルム・コレクションを活用した『古典映画ロードシヨー』(1980、双葉社)等を発表。
*主としてデータ整理にパソコンを採用(のちに執筆用)。

1980年代後半 近代史研究に新生面を求めて『日記の虚実』(1988、新潮社)、『永井荷風』(1990、リプロポート)、『東京の下層社会』(1990、薪潮社=のち、ちくま文庫)等を発表。
小田切進・尾崎秀樹共編『少年小説大系』全32巻(三一書房)が第16回巌谷小波文芸賞(1993)受賞。
創作『古本屋探偵登場』(1985、文春文庫)、『鹿の幻影』(1980、東京創元社=のち『古本街の殺人』2000と改題)
*この期より、執筆にワープロを採用、活字メディアの変容をとらえた諸作を発表。例『パソコン宇宙の博物誌』(1986、河出書房新社)
*神奈文学振興会(神奈川近代文学館)の運営に関わる(1987〜、評議員・理事・理事長・懇話会会員)。
                                   
1990年代前半 80年代の出版状況を『四季芳書』(1992、実業之日本社)、『本の椅子』『耽読日記から』(1990、三一書房)、『二十世紀を騒がせた本』(1993、新潮選書)などに総括、ほかに『内容見本にみる出版昭和史』(1992、本の雑誌社)、『奥付の歳月』(1994、筑摩書房)などを上梓。
創作『古本屋探偵の事件簿』(1991、創元推理文庫)
日本語に関するビジュアル・シリーズ『日本語大博物誌』『日本博覧人物史』『日本語発掘図鑑』、『日本語の近代史』をジャストシステム(1994−97)より刊行。
創作『古本屋探偵の事件簿』(1991、創元推理文庫)
編纂 小松左京と共編により『海野十三全集』全15巻(1990-93)。『日本の名随筆』別巻12「古書」(1992、作品社)
*出版編集者として業績のある人に送られる「青い麦編集者賞」(代表:大出俊幸)の選考委員を依頼さる(1992-1999)
*日本語ワープロ・ソフト「一太郎」(ジャストシステム)の辞書委員会に監修委員として参加(1992-2014)。
*荒俣宏・柏木博史両氏とジャストシテム企画のアメリカ・メディア視察旅行に参加(1995)。
*同上ヨーロッパ(独・仏・伊)旅行に参加(1996)。

1990年代後半 初期の執筆活動いらい所縁の三一書房より、主要著作を『紀田順一郎著作集』全8巷(1997−2000)にまとめる。
*評伝ビデオ『甦る名著』全6巻および『学問と情熱』全36巻(ポルケ−紀伊国屋書店)の監修開始(1995-2011)。
編纂『日本の名随筆』別巻72「古書2」(1997、作品社)
*岡山県加賀郡吉備中央町に書斎・書庫を設ける。「山陽新聞」に日本画家森山知己氏との共著による「吉備悠久」を連載開始(1999-)。2006年、山陽新聞社より単行本化。
*書物および情報に関する評論活動により、第5回横浜文学賞を受賞(1999)。

2001〜2009年
90年代以降の出版論、図書館論等を『書林探訪』『読書三到』(2005、松籟社)にまとめる。
『ペンネームの由来事典』(2001、東京堂出版)、『名前の日本史』(2002、文春新書)、『翼のある言葉』(2003、新潮新書)『カネが邪魔でしようがない』(2005、新潮選書)。
*編纂・監修企画 『現代日本執筆者大事典』第4期を共同編纂(2002、日外アソシエーツ)、『日本人の手紙』全10巻(2004、作品社)、『事物起源選集』全13巻(2004、クレス出版)、『近代世相風俗誌集』(2005、同)、『書物愛』日本篇・海外篇(2005、昌文社)、東雅夫との共編『日本怪奇小説傑作集』全三巻(2005、東京創元社)など。
創作『古書収集十番勝負』(2000、創元推理文庫)、翻訳『M.R.ジェイムズ怪談全集』上下(2001、東京創元社)
*編纂 『精選社会風俗資料集』全8巻(2006、クレス出版)、『近代名著解題選集』全7巻(2006、同)、『日本人物誌選集』全14巻(2007-8、同)
*出版記念会 7月、荒俣宏作家生活40年および『帝都物語』続編出版の記念会に、水木しげる氏と代表幹事をつとめる。

2010年〜
'50年代推理読書・同人活動を『戦後創成期ミステリ日記』(2006、松籟社)としてまとめる。同様に幻想文学分野を『幻想と怪奇の時代』(2007、同)として総括し、第61回日本推理作家協会賞を受賞。同書を中心とする文学活動に対し、神奈川文化賞を受賞。
回想録『横浜少年物語』(2009、文藝春秋)、『横浜開港時代の人々』(2009、神奈川新聞社)のほか、50年代の映画体験を同時代史として『昭和シネマ館』(2009、小学館)にまとめ、小中学生のための古典案内『飛ぶ読書室』(同、みくに出版)を刊行。
*横浜野毛「ブックカフェ風信」にて講話(「ヨコハマ話」)。

2010〜2011年
『幕末明治傑物伝』(2010、平凡社) 刊。
『読書摘録』(2010、松籟社)刊。
『乱歩彷徨』(2011、春風社)刊行。
『幻想怪奇譚の世界』(2011、松籟社)刊行。
*健康その他の事情により、岡山県加賀郡吉備中央町の書斎・書庫を撤収。

2012年
“Best Patner”(浜銀総合研究所)に「神奈川文化を築いた人々」(全24回)連載開始。
アンソロジー『謎の物語』(ちくま文庫)刊。
*1991年刊『古本屋探偵の事件簿』など、古書ミステリ復刊。

2013年
前年に続き、「神奈川文化を築いた人々」(全24回)を“Best Patner”(浜銀総合研究所)に連載、完結。
小学校上級生向けの文学入門アンソロジー『はじめてであう日本文学』(成美堂出版)のうち、『ぞっとする話』『奇妙な話』『食にまつわる話』の3点を監修。
*立教大学江戸川乱歩記念大衆文学研究センターの依頼にて、講演『日本人の蔵書志向と江戸川乱歩』を行う(7月28日)。要旨は「大衆文化」第10号(2014年3月刊)に掲載。

2014年
2月 「過ぎていった偉人たち」(「myb」47号) 
3月 アンソロジー『書物愛』海外篇・日本篇(創元ライブラリ)
5月 「日本人の蔵書志向と江戸川乱歩」立教大学大衆文化研究センター「大衆文化」第10号
4月 「東京創元社と私」(「ミステリ−ズ!」2014年春号)
々  「佐藤紅緑と昭和のユートピア」講談社文芸文庫」佐藤紅緑『ああ玉杯に花うけて』解説
   「私の愛したコラム」(「ミステリマガジン」5月号)
々  「熱風の日本史」第32回「遠見卓見(「日本経済新聞」4月6日) 
6月 「私の思い出の一冊」(平凡社「こころ」19号)
7月 「アンソロジーこそ命なりせば」」(「ミステリマガジン」7月号
   「私がハマったすごい本」(日刊ゲンダイ」7月18日号)
8月 「新型の全体主義の時代へ」(「myb」49号)
10月 「なぜ学生は論文が書けなくなったのか」(「潮」10月号)
    『大伴昌司《SF怪獣妖怪》秘蔵大図解』協力(講談社)
11月 「地震こわいの生涯」コラム「おふくろ」(「文藝春秋」11月号)
   「明智小五郎の時代」特集「名探偵登場」(「てんとう虫 express」(UCカードマガジン、11月号「マイ・ベスト・ポアロ」アンケート(「ミステリマガジン」11月号
 「怪獣博士、大伴昌司の真実」(「SFマガジン」2015年1月号)

2015年
1月  「幽霊船の文化史」(新国立劇場パンフレット『さまよえるオランダ人』) 
2月  『幻島はるかなり』ミステリ・幻想文学の七〇年』(松籟社)
    「ロッパ日記を読む」(『古川ロッパ』河出書房新社)
    書評 増川宏一『日本遊戯思想史』(「アカハタ」日曜版)
    「蔵書の“断捨離”」(サンワテッキ機関紙)
4月  「新たな創造に向かって」(「神奈川近代文学館30年誌」)
     「端境期の谷崎潤一郎」(神奈川近代文学館「谷崎潤一郎展−絢爛たる物語世界」)
5月   「『幻島はるかなり』執筆ノート」(「三田評論」6月号)
    「ガックリ新訳」(「en-taxi」6月号) 
6月  「文学全集の時代ふたたび」(集英社「KOTOBA」夏季号)
7月  「夢の中の本」(『本なんて!―作家と本をめぐる52話』キノブックス)    
8月  「真紅の鬼」(「ユリイカ」8月号)
    *書斎および書庫の移転のため、執筆休止。

2016年
9月  『大伴昌司エッセンシャル』<未刊行作品集>(講談社)
    *『日本人の蔵書志向』(仮題)予定。