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2015年04月05日

 須賀章雅『さまよえる古本屋』
燃焼社、1800円+税

燃焼社、1800円+税
受贈。二年前、本欄に紹介した『貧乏暇あり――札幌古本屋日記』の続編で、エッセイのほか小説や漫画も含まれている。古書店による業界日記や随想はめずらしくないが、たいては商売の苦労話や裏話にとどまっているところを、この著者の場合は人生的な味わいが色濃く滲み出ている。たとえば夜、布団の中で来し方行く末に思いを馳せているようなとき、「本来考えなければならない明日からの暮しではなく、二十年も会わぬ友人の姿などを思い浮かべている」という箇所があるが、こうした何気ないところにも、著者の人柄が見出され、共感を呼ぶ。