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2017年03月16日

 演出の冴えに脱帽『かりそめの幸福』


 1937年製作、黄金期フランス映画の秀作です。冒頭から15分ほどは虚飾に生きる女優(ギャビー・モルレー)の姿をバックステージ風に描き出しますが、それを過ぎると息詰まるような展開となります。とくに法廷場面の迫力は、監督マルセル・レルビエの演出の冴えに脱帽です。

 男女の生活観からくる愛のすれちがいという主題は、いかにもメロドラマチックですが、主演のシャルル・ボアイエの熱演で、甘さに陥ることを免れています。ラストの別れなど、往年のボアイエの人気が偲ばれる映画史上の名場面で、これだけでも星5つでしょう。推薦。