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2017年04月13日

 名画『舞踏会の手帖』BR版
IVC発売

IVC発売
 マリー・ベルの神秘的な美貌に主題歌「灰色のワルツ」が重なり、夢幻的な舞踏会のシーンがコントラストのよい、モノクロのブルーレイの画面にクッキリ再現されたとき、正直言って不覚の涙を禁じ得なかった。無理もないと思う。40年ぶりで、まだ若かった私の心をふるわせた名画に、理想的な状態で再会できたのだから。

 デュヴィヴィエ得意のオムニバス映画だが、ロマンチシズムとペシミズムが表裏をなした巧妙なシナリオと、名優の深みのある演技は、一度見たら忘れられないものがある。久しぶりに見て気がついたのは、詩が多用されていることで、これが人生に必要な「余白」の役割を果たしていることだ。戦後のフランス映画、いやフランス文化からは、これが失われてしまった。