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2017年08月16日

 大時代な復讐譚『コルシカの兄弟』
ジュネス企画

ジュネス企画
 この映画をむかし見たという人は、ほとんどいないと思います。戦後2年目(1947年)の公開といえば、日本の映画ファンは『荒野の決闘』『断崖』『心の旅路』などの名作に心奪われ、デュマの古典的名作を剣戟メロドラマに仕立て直したような小品は、ほとんど印象にも残らなかったといえるでしょう。

 シャム双生児として生まれた兄弟が、分離手術に成功、別々の環境に育てられ、互いにテレパシーを感じ合いながら、先祖いらいの復讐を果たすという、ちょいと捻りをきかせたところはいいが、やはり古色蒼然たる大メロドラマです。原作の翻訳も出ていないのは、こんなところに原因があるのでしょうか。

しかし、双生児のテレパシーは、怪奇幻想風の趣向としては面白く、手塚治虫もある作品の中で応用しています。公開当時も別人によりマンガ化されているのは、映像系の作家たちの想像力を刺激するものがあるのでしょう。

 映画としての見所は、双生児を演じるダグラス・フェアバンクス・ジュニアの剣さばきが冴え、エイキム・タミロフやJ・キャロル・ナイシュほかの助演陣も好調なので、一夕の娯楽としては推薦できそうです。