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2017年11月11日

 真っすぐな正義『デッドラインU.S.A』
ジュネス企画

ジュネス企画
 タフで社会正義心に富んだ新聞編集長(ハンフリー・ボガート)が、ギャングの罪を暴きながら、同時に重なった新聞社の身売りに抗し、個人的には離婚の危機に悩まされるという映画で、製作は1952年。

 新聞の使命や言論の自由を脅かす有形無形の力学を、白昼の光にさらす脚本(演出)は、当時ハリウッドの社会派と目されていたリチャード・ブルックスである。

 テーマを真っすぐに扱い。あまりプロットをいじらず、サッとエンドマークへ持っていく切れ味。このような呼吸はやはり映画黄金時代のもので、その後は完全に失われてしまった。

 この映画の背景には、戦後アメリカ史の汚点「赤狩り」がある。それを知らないと、ボガートの演じる正義感は、現代では浮き上がって見えるかもしれないし、見事な新聞社内部の描写(印刷工場)にも、一種のほろ苦さを感じてしまうかもしれない。