倉敷市立水島中学校
  二 部 野  進
 1 本校の概要
 本校は,昭和27年4月に児島郡福田町立福田中学校水島分校として開校しました(現在の倉敷市立第五福田小学校の校地)。倉敷市編入を経て,29年に倉敷市立水島中学校として独立し,47年に現在の地に新築・移転しました。
 学区は、水島地区の中心部にあり,南部の水島臨海工業地帯,北部の住宅街,商店街等からなっており,官公庁,病院,公園,公民館,図書館等の施設に恵まれています。
 校章
  
 昭和30年代後半の高度成長期には1,200名を超える生徒が在籍した時もありましたが,コンビナートでの雇用状況の変化,少子化などのため,現在は各学年2学級,特別支援学級3学級の合計9学級,全校生徒224名の小規模校となっています。

 2 教育方針
 本校の学校教育目標は、
「自ら学び主体的に課題を解決しようとする生徒の育成」
「互いに支え合い,友と和し、思いやりの心をもった生徒の育成」「豊かな社会性を身につけ,たくましく生きていく生徒の育成」
の三点からなっています。
 この目標を実現するための具体的取組として「教員全員による公開授業」「学校行事等の充実」「小中連携の深化」等とともに「かかわりを大切にする姿勢」を挙げ重視しています。
校舎(正門より)
 
 教職員は授業・給食・清掃はもとより,休憩時間・部活動・自主学習会等の様々な場面で,生徒に寄り添い共に過ごして心のふれあいを大切にし,よいところを多く見つけたり悩みを受け止めたりするなど良好な人間関係づくりを心がけ,多くの支援に生かしています。   
 3 特色のある教育活動
(1)全校いいとこ探し

人権意識を高める集団づくりのために,学校行事(体育会・文化祭等)で見つけた互いの良さ・努力や工夫等を生徒会中心の全校集会で発表することによって,支え合い,感謝し合う温かい気持ちを学校全体に広げていく取組です。集会のまとめには生徒自身の振り返りも取り入れるようにしています。

まず行事後に各学級で「認め合い ほめ合い 感謝し合い」をキーワードにし,付せんを利用して,「いいとこさがし」を行います。

 発表の様子
 
 その後,全校集会で練習・準備・当日・片付けまでの様子の写真をスライドショーで見ながら,BGMの流れる中,認め合い,ほめ合い,感謝し合う言葉を静かに真剣に聴きます。温かい余韻が全校生徒の心に残る良い集会になっています。 
(2)スキー教室
  かつての豊かな自然はすっかり減少し,市街地化している本校学区は県南部にあり,降雪・積雪も珍しい地域です。そのような環境にある生徒たちが冬山の大自然に触れる中で,互いに支え合いながら新しいことへの挑戦精神を養うことを目的として一泊二日のスキー教室を第1学年で毎年行っています。
 多くの生徒は初めての白銀の世界に感動し,慣れないスキーに悪戦苦闘しながら滑り始め,次第に上達していきます。春には吉備少年自然の家での自然教室も一泊二日で行っているため,保護者に
 スキー教室の様子
 
は経済的な負担をおかけしていますが,事後のアンケートからは,多くの生徒・保護者が貴重な体験をしたと喜び,満足度が高いことが明らかになっており,今後も継続を予定しています。