和気町立佐伯小学校
  草 野   健

統合初年度 新たなスタート 

あいさついっぱい 力いっぱい 夢いっぱい

   1 はじめに
   本校は,旧佐伯町の二つの小学校「佐伯小学校」と「山田小学校」が,平成29年4月1日をもって統合し,新生『佐伯小学校』としてスタートした。
 和気郡は岡山県の南東部に位置し,平成18年3月1日に旧和気町と旧佐伯町が合併して和気町となった。岡山三大河川の一つである吉井川が町の中央を流れ,主な産業である果樹栽培は吉井川の恵みを受けている。
 
2 統合初年度と地域からの期待
 平成26年12月に和気町立学校・園統廃合整備基本計画が示され,町内の7つの小学校を3つの小学校に統廃合するとともに,保育所と幼稚園を併設するなどして町内に3つの幼児施設を置くことになった。
 吉井川を隔てた西側と東側に位置した「佐伯小学校」と「山田小学校」は,統廃合を目指して両校の児童の交流を行ってきた。山の学習・海の学習・修学旅行を合同で行うだけでなく,様々な校外学習を2校の同学年で実施したり,保護者・児童・担任がふれあい活動を行う際にも合同で活動したりするなど,来たる統合に向けて工夫を続けてきた。
 教育課程についても,授業の始まる時間や終わる時間だけでなく業間時間や給食時間の開始と終了時刻まで揃えるなど,統合前々年度には1日の日程表が全く同じになるように調整した。
 校区がとても広くなったことから,「山田小学校」の学区の児童は全てスクールバス通学となり,「佐伯小学校」の学区の一部児童もスクールバスを利用することとなった。停留所の場所や乗り降りの時刻についても調整を重ね,制服・体操服は数回の検討会を経て新しいものに決まった。
 そして,何よりも大切な学校経営方針について熟慮と相談を続けることで,子どもたち・保護者・地域が一体となって育もうと「あいさついっぱい 力いっぱい 夢いっぱい」の輝かしいスローガンが決まった。本校の校舎に大きな文字で掲げると,早朝の朝日に照らされて校舎周辺に毎日語りかけてくれている。
 開校式では,校長が新しい校旗を受け取り,保護者のたっての希望でPTA新聞の表紙をその写真が飾ることとなった。運動場と地域を隔てるフェンス外に密生していたカイヅカイブキは,地域等の力で全て伐採され,見晴らしのよくなった敷地周囲は,保護者と地域の協力で草刈りが施されて美しくなった。
 3 おわりに
 日々の教育活動や様々な学校行事,さらにはPTA活動についても「佐伯小学校」と「山田小学校」の取組を参考にしつつ新たな企画に着手してきている。
 課題は見えてくることばかりだが,「あいさついっぱい 力いっぱい 夢いっぱい」の言葉を胸に,校長のリーダーシップの下,職員と保護者や地域が手を取り合いながら,新生『佐伯小学校』の新たな歴史を刻もうとする挑戦が今も続いている。