あこがれの八色鳥 (ヤイロチョウ) に一目でも
  今年も例年どおり、岡山県支部有志により第13回探鳥旅行が5月18日から24日(6泊7日)まで、台湾で行われました。

 メンバーは山田団長はじめ、岡山県から8名、千葉県から2名、ふくろうメールでお馴染みの藤沢市の濱氏の総勢11名で、初参加は私たち夫婦のみでした。2年前にも台湾の探鳥ツアーをしたとのことで、今回はメインの目標を“八色鳥を観る”ことを狙ったものでした。しかし、欲張りな探鳥マニアらのこと、台湾の鳥は全部見てやろうとの意気込みの感じられるハードな企画でした。専用車を用い、探鳥ガイドの資格を持った女性の案内で、台北から台南、そして阿里山を結ぶ三角点の範囲を縦横無尽に(かなり誇張だが)動き回りました。一日の平均走行距離は160キロほど、毎朝5時半出発で、喰っちゃ寝て、止まれば観る6日間を送り、私にとっては初めての驚異的な体験でした。
 ガイドさんの話によると、台湾では今まで550種の野鳥が観察され、鳥種分布は高度800m、2000m、それ以上で区分されるという(因みに最高峰の玉山―かっての日本名、新高山―は3952m)。今回の旅行はこの分布域を総なめするという贅沢なものでした。時節では、この頃台湾は梅雨期とされているので、時折台湾でも激しい雨に見舞われましたが、多くは車の移動中で幸いでした。
 さて、鳥のことを書き始めるときりがないし、百聞は一見にしかず、そのうち名カメラマン苦心の作品がこのHPで紹介されるますので、私は主目的の八色鳥の報告に留めます。
 八色鳥は台中市と台南市の中間にある斗六市郊外の湖本村に観に行きました。当地では、古くから畑仕事中の農民の側に飛んでくることもあり、よく知られた鳥でした。それが希少種である八色鳥と認識されたのは、つい10年少し前のことです。それが野鳥マニアのラッシュを招き、村もこれを保護し観光にも一役買ったようですが、2,3年前からは現地での数は10〜20羽程度と減っています。とりわけ今年は飛来の時期が遅れているのか、少なくなっているということです。
 団長の采配で、今回はここ湖本村を2度にわたって訪れ、確実に観ようとの計画でした。3日目と5日目に同じホテルに泊まっての念の入れようでしたが、6日目は残念ながら雨天のため中止、初回の探鳥行である程度の収穫がありました。

 早朝5時半にホテルを出た時は、空はすでに明るく、約20分かけて現地に到着、現地八色鳥ガイドが2ヶ所のポイントを案内してくれました。湖本村は、郊外にあるやや開けた中規模の町といった印象で、スポットは村を囲む山の麓にありました。しかし、山奥ではなく、集落から2〜300m奥に入った竹木の雑林内です。あたりは薄暗く、地面は竹木の枯葉が積み重なり、いかにもミミズや昆虫をえさとする八色鳥の住まいにふさわしい様子でした。
 ペアを求める八色鳥を狙って、ガイドはいきなり雑音交じりの「フェイフェイ フェイフェイ」との鳴き声の録音テープを回し始めました。えっ、これは本では禁手の方法では?と思いましたが、やはり、それぞれのお国事情があるのでしょう。現実に八色鳥が減少していることも理解できました。断続的に鳴らすこと約10分、10坪ほどの空間のある空き地に、突如として八色鳥が十数m先の低位置に止まり、「なんだか怪しいぞ」と思ったかはわかりませんが、すぐに私たちの周りの竹林の間を偵察して回り飛び去りました。この間十数秒。皆、動きを感知することはできましたが、それが八色鳥であると認識できた人は少数でした。同行していた現地テレビ局のカメラマンはなんと、数秒間の停止したわずかの間に撮影に成功し、私たちはそれを見ることが出来ました。写りは今一つですが、とにかく貴重な成果でした。
 探す場合、背中の緑色を見ていたら見つけることが困難。他の色を探すのが秘訣だとガイドに教えられた。
 今回の探鳥旅行の成果は、レンカクの保護地で飽きるほど観察できたこと、台湾固有種、亜種、美麗な鳥が数多く観られたこともあります。観られた鳥種は74種にものぼりました。
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