headphones Amp

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 なぜ今ごろヘッドホンアンプなのかと申しますと,しがないサラリーマンでは自分専用のオーディオルームなど持てよう はずもなく,まして今は会社の社宅住まい。
家人のいるリビングにオーディオセットを気兼ねしながら置かしても らい,顔色を窺いながらたまに音を出して聞かして頂いている状態なのである。
 たまたま,奥方のいないときちょっとボリュームを緩めて聞いていたら ちょうどそこへ運悪く帰ってきて モー!こどもの耳が悪くなるじゃないのと角を生やすありさまなのです。これ以上楯突こうものならひもじい 思いをすることになるので,それならばと作ってしまったしだいです。おかげで最近奥方の顔色もヨイのだ(^_^;)

 ご覧のとおりNo.128のフラットアンプ部からボリュームを取り除いてタカチの安物の(タカチさんごめんなさい。)ケースに 収めた物です。
 No.128はAC18Vをレギュレータを通して27Vでアンプに供給していますが,とりあえず+−15V (電圧を上げると熱暴走の危険もありそうなので,このぐらいの方が良いと思う。)で動作させ電池で電源を供給すること にしました。追々はRコアによるAC電源も試してみるつもりです。

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奴らは何時も狙っている気を抜けない,少しでも気を抜けばこの始末だ。
目に付く物はすべて興味があるらしい,容赦なく獲物にしてしまう。
そのくせ興味が失せれば見向きもしない。

 YAMAHAのヘッドホンHP−1ですが,ユニットはLRどちらとも,もぎ取られご覧のとおりゴミ箱行きの 状態です,でもまだ音は出るので使っています。寂しーい(T_T)
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  アンプ基板 headphones02.jpg headphones04.jpg
 二つのユニットを1枚の基板へ収めました。出力のC959には960から外した放熱器をつけています。ヘッド ホンで1時間以上聞いても温度はほとんど上がりませんので必要ないかもしれませんが,完対アンプは熱暴走 したと言う話をよく聞くので保険のつもりで付けています。

 定電流の2N5465は959の裏側へ付けましたが,付けやすいようにオリジナルとは違う回路パターンに しました。また,C959にも放熱器を付けたのでパターンを変更することになりました。

 オフセット調整のボリュームのTM7Pは200オームですがTrのペアをかなり厳重に採ったのでほとん どセンター位置です。50オームぐらいでほうがよいようでTM7Pでも少しまわすとオフセットがかなりずれ ます。もっともほとんどセンター位置なのでなくても良いかもしれません。
 ペアをあらかじめシビア−に採っておくと組み上げてからの調整が楽になります。
アンプ基板の裏 headphones05.jpg

 シールドケーブルはモガミではなくSonyを使っています。2497の方が良いに決まっていますが, このケースに2497はとても配線できそうにありません。軟弱ものです(^_^;)

 進の抵抗が2本ハンダ付けしてありますが,15kは ボリュームの替わりで,このヘッドホンアンプのゲインはこの抵抗を変更して調整します。
この15kをボリュームに替えればそのままCD用のプリアンプになります。必要になったら付けるのも 良いかと考えています。がプリアンプばかり要らないですね(^_^;)
もう一本は5465の電流を4mAに調整するため(LR共に22オーム)です。この電流の調整は実は金田氏の 記事ではあらかじめ電流を測って抵抗値を決めてから回路を組むように書いてありますが,面倒なので考えた あげく基板を組んで組み上げてしまい調整の抵抗の替わりに1kオームのボリュームを付けて実際に回路に電流を 流してボリュームを調整しその値の抵抗に付け替えるようにしました。(^_^;)
 ただ注意しなければならないのは ボリュームを最大にしているとアイドリング電流が少なすぎてオフセット電圧が大幅にずれるようで, 電圧を計ったとき慌ててしまいました。ボリュームを絞っていくとオフセットが安定したので安心しました。
 それほど気にすることはないかもしれませんが,ボリュームを絞り込んでおくとアイドリング電流が超過すると 思われます。

 このアンプを作った動機は実はほかにもあります。それは,真空管DCプリのドリフトを監視するメーター を駆動しようと思い作ったのですが,このアンプ自体のドリフトが以前のGOAに比べ大きいように思います。 調整中にそう思っただけで実際は違うのかもしれませんが,2足のわらじは無理かなとも思っています。

02/08/06
AC電源アダプター headphones06.jpg


 電池で常時聞くには不便なので,ご覧のとおりアンプと同じタイプのケースを使ってAC電源アダプターを 作りました。
 トランスはジャンクを使ったので8Vのリード線しかなくトランスを4個使い整流後の電圧は+−21V となりました。おかげでシャーシのサイズは一回り大きくなってしまいました。専用のトランスなら同じ大きさに組 めたかもしれません。
 電源電圧が21VになったのでC959が少し熱を持つようになりましたが,温度が上昇している様子はないので 問題ないと思います。
 このトランスはリード線が鈴メッキ線で音質的にはかなり不利なように思います,もちろん○クニカル○ンヨー にダイエイ電線指定で特注すればよいのでしょうが,この不況のおりこずかいもままならず,以前いつか役に立つ と思い買っておいたものを今回使ってみました。
 ダイオードはどこかのメーカー製のアンプをばらしたとき出てきた31DF2でブリッジを組みました。ケミコンも これまたニッケミの普及品です。
 こんな状態ですから期待は持てなかったのですが,音質はどうかと言いますとかなりいいのではと いった感じです。
 AC電源のほうが完対アンプの特徴が良く出て低音の出方が6C33CBの出方に近いような気がするし, 高音は電池とそれほど違わないような気がする。
 水銀の入っていないネオハイトップの音が悪いのか,やはり私の耳は駄耳だったのか?

02/10/15
総合ゲインを考えてみる。
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 このヘッドホーンアンプは真空管プリの後に繋いで聴いているのですが気になることがあります。
 アンプを二台潜っているのでいくらDCアンプと言えど情報の欠落があると思うのです。
 SPで聴いている分では気にならなかった真空管プリのノイズもヘッドホーンでは少し気になる。と言っても我慢できる 範囲ではありますが。

 もともとこのアンプはレコード用に設計された回路で,それに合わせてゲインを配分しているような気がします。 (レコード再生では一番合理的な配分だと思う)それをCD用に使うのだから無理があっても当然ですね。(^_^;)

 また,CDプレーヤーの後で40db減衰し,その後アンプ2台で約40〜50db増幅しています。40dbと言えば 1/100にしている訳で,金田氏は活気のない音になるので減衰はできるだけしない方がいいと書いていたように思います。
 ヘッドホンアンプにボリュームを付けてCDプレーヤーの後に繋げば少しは良くなるかもしれないので,やってみた。
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 減衰量の40dbは気になりますが,まずはアンプを1台潜らないようにする改造が,簡単なのもあってセレクターの後に ヘッドホーンアンプを繋ぐようにしてみました。

 やはり情報が欠落していたのが分かる,細部まで見通せる感じがするし,今まで聴こえなかった楽器の音が聞こえ (聴こえていたのだろうが,気ずかなかったと言うべきか)ハットすることもあります。音の色付けがないように思います。 この面では真空管アンプは少し色付けがあるように感じます。私の腕が悪いだけかもしれませんが。(~_~;)

 常時の音量でボリュームの位置は4時ぐらいの位置になり,ほとんど最大なので80〜90倍ぐらいなっています,ヘッド ホーンアンプでかなりの部分を増幅していることになります。
 記事を読んでみるとオープンゲインが負荷抵抗100kオームで60dbとなっています。ヘッドホーンのインピーダ ンスはそんなに大きくないく60オームぐらいなので,贔屓目に見ても20db以下しかNFBがかかっていないことに なります。
 20dbは真空管アンプでは多いほうだし,NFBが少ないほど活気のある音になると,どこかに書いてあったような気が するが,歪が気になります。

 40db減衰して40db増幅するのはなんとも納得できない。できることなら必要最小限の減衰量にしたい。現状では ボリュームを最小にして聴くようなことはないのでやってみました。

最終回路
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 真空管プリの改造は入力側の配線をかなりいじくらなけれなならない面倒でした。幸いセレクタは2段4回路を付けており, まだ2回路残っていたので,交換する必要がなくそれを使ってヘッドホン専用の回路を構成するようにしました。(^o^)丿

 配線はダイエイ電線を7本より合わせて収縮チューブを被せたものを使っています。ダイエイ電線をそのまま使うとかシールド 線も考えられますが,狭い場所なのでちょっと無理な感じです。
 また,ヘッドホーンアンプの入力抵抗がプリアンプ側と並列に入り15kぐらいになるのでCDプレーヤーにはちょっとかわい そうな気もします。
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headphones10.jpg  ヘッドホーン用の出力は,狭い場所なのでRCAは使えないのでテスターのジャック見たいな物を使っています。特殊な型にな ってしまいました。この方がRCAより音質では有利な気がします。


 やはり,改造前に比べ解像度が増してスッキリとしたように感じます。楽器一つ一つの音が見える?ようで, カメラの絞りを絞り込んで,手前から遠くの景色までピントがしっかり合った写真を,見ているような感じです。(・o・)

 最近の金田氏のアンプはゲインが多すぎると良く耳に?しますが,このアンプのようにメインアンプにボリュームを付ける構成で ゲインはちょうどよさそうです。マルチにするとプリが絶対必要だし信号回路にボリュームを入れない構成ではこの方法しかない ように思います。また,メインにボリュームを入れるにも最近のUHC-MOS-FETアンプではNFBが安定にかかるかちょっと不安も 感じます。

headphones08.jpg  余談ですが,減衰抵抗はとりあえず進を使っています。早いうちにスケルトンに取り替えてしまう予定です。
 基板を見ると分かると思いますが,NFB回路の抵抗をニッコームからスケルトンに付け替えています。たかがヘッドホーンアンプ と侮っていましたが,ここにスケルトンを使っている意味を再認識させられました。
headphones04.gif  回路は見てのとおりとてもシンプルです。この回路02/06号No168によく似ていますので,置き換え可能かと思います。
headphones05.gif  これが02/06号No168の回路です。C959のエミッタ抵抗47Ωが入っていますので,このままヘッドホーンを繋いでも音は出る でしょうが,良い結果にはならないと思います。No128に5.6Ω位にしても歪が増加すると書いてあります。このままエミッタ抵抗 を取ってしまえばIoが安定せずC959が熱暴走を起こすのは明らかで、温度補正が必要だと思います。
headphones06.gif  まずは定電流回路を2N5465に変更して温度補正するのが次の回路です。2N5465の信頼性が今一で私も過去何回か泣かされた ので,回路は簡単ですがこれは採用したくはありませんし,何よりも2N5465は入手難なので採用できません。
headphones07.gif  サーミスターを使ったのがこの回路です。定数は入れていませんがカットアンドトライで決めるしかないでしょう。 この回路はkonton氏がヘッドホーンアンプに使っていたものです。作るのであればこれかなと思っています。 すでにパーツ集めをしていたりして。(~_~;)


2006/09/16
DAC専用ヘッドホーンアンプ
headphones11.jpg  一号機のヘッドホーンアンプを作ってからすでに4年余り経っています。部品集めなどしていると書いてありますがそれにしては 長すぎますかね!

 家族の居る中ALTECのメインシステムで聞いていると喧しいと、やいのやいの言われてしまいます。そのためヘッドホーンアンプを作ったのですが 最近はDACが増えて調整のため一台しかないアンプを切り替えるのも面倒になってきました。
 それではということでもう一台作ってみること にしました。左に見えるバラックの基板は「じんそん氏」から配布を受けたものでPhilps、TDA1541AのDAC基板です。調整中につき 部品を交換するには好都合なのでこのような姿のままです。

2SC1456
headphones12.jpg  ところでファイナルの石は本来2SC959を使うところですが、手元にある物も底を突いてしまいました。ジャンク箱から使えそうなものを探 してきたのが2SC1456です。
 その昔MJの交換欄で部品交換したときに頂いた物です。電源用として2SC1161の代わりに使うことができるとのことだったように記憶し ています。なお、Icが小さいので2ユニット分しか電流供給できないとも言っていたように思います。構造は三重拡散プレーナー型と Konton氏の収蔵庫に有りましたが、この構造は逸品と誉れの高いD218などのメサ形ではありません。表のとおり日電の石ですが Icの最大定格が少ないことと、構造が違うことが若干気になるところです。ただ頂いた当時電源に使うのであれば2SC1161よりも音が 良いと聞いたような?ただ、この石も今では入手が絶望的です。
型名 社名
Mnf.
用途
App.
構造
Type
最大定格 Max. Ratings (Ta=25゚C) 電気的特性 Elec. Character. (Ta=25゚C)
VCBO VEBO Ic Pc Tj 直流又はパルスhFE fab/ft* Cob
(V) (V) (mA) (mW) (゚C)
VCE(V) Ic(mA) (MHz) (pF)
旧2SC959 日電 PA Si.EP 120 5 700 700 150 100 5 200 80* 17
2SC959 日電 PA Si.E 120 5 700 700 150 80 5 200 >50* <50
2SC1456 日電 PA Si.TP 300 7 200 15W
(Tc=25゚C)
150 80 10 10 80* 3.8
2SC1161 日電 PA Si.E 200 6 1A 15W
(Tc=25゚C)
150 80 5 200 20* 30


headphones16.gif  回路はご覧のとおり3年前に計画した完全対象回路としましたが、若干の変更をしています。出力Trのベース抵抗は マイナス側を1割ほど増しています。Konton氏のシミュレーション結果を受けての変更です。定電流回路は手持ちのチェナー ダイオードに合わせて定数を若干変更しています。定電流Trは2SC1478を使ってみました。音質については賛非いろいろ有るようです が、今回試してみることにします。そのほか位相補償の定数はフラットアンプと同じ値です。
 2SJ103の共通ソース抵抗は 2SC1456に過大電流を流すとIcの最大定格が少ないこともあってひとたまりもなく逝ってしまうかもしれず、恐る恐る最初1kΩ位からは じめました。が1kΩだとカットオフしてしまい電圧さえ出ませんでした。最終的に決めた値は470Ω+200Ω可変で0〜20mA位変化します。 作ってみようと思う方で気になる場合は、固定抵抗を700Ω位から始めると良いと思います。

サーミスタ熱結合
headphones13.jpg キャンTrの裏側にエポキシ樹脂でサーミスターを直接つけました。チップの真下辺りになるのでこれ以上適切な位置はないでしょう。 コツとしてはケチケチせずにしっかりエポキシを垂らしますそうしておけば熱がしっかり伝わります。エポキシが固まらないうちはサーミスタが動い てしまいます。楊枝かマッチ棒を使って位置決めをしておくと思いどおりの位置に固定することができます。ずれているとリード線を 基板に通すとき苦労します。

ヘッドホーンユニット
headphones14.jpg  今回はヘッドホーンアンプとして独立したものとしませんでした。DAC製作の仕上げとして音質調整のために使う予定です。したがって 電源はDACのOPアンプ用の電源を利用することにしました。OPアンプの電源は非安定側は+−22V位なのでここに繋げば好都合 です。もちろん安定化電源を通した+−15Vに繋いでみても良いと思います。

ユニットアンプ
headphones15.jpg  片ユニット分です。案外コンパクトですパワー段のキャンTrが大きいのでハヤト基板に2ユニット入らないかと危惧しました。ヘッドホーンアンプ ごときに基板2枚は大げさすぎます。(~_~;) ありあわせの部品を使ったのでオフセット調整はTM7Pでアイドリング調整はコパルの旧タイプとなりました。サーミスタはTrの裏側にあるので 部品側からは姿を見ることができません。電源のコンデンサーはこの時点で汎用のフイルムコンです。
 なかなかスマートに仕上がりましたが、このままでは済みませんでした。

ドリフト
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 最初ゲインを20dB程度にしていましたが、そのとき電源投入時に140mV位ドリフトが発生しました。ヘッドホーンアンプですから気にする ことはないかもしれませんが、もう少し下げてみたい気になります。ゲインを12dBに落としたのが上のグラフです。30mV まで抑えることができヘッドホーンアンプとして合格でしょう。ただ、音量は十分足りているので6dB位にゲインを絞っても問題 なさそうです。
 回路の構成はCDラインアンプと同じですが、それはこれほどドリフトが有りませんでした。回路を変更しているのはパワーTrの電流帰還抵抗を 取り除いていること位ですからここに帰還抵抗を挿入すれば安定するかも知れません。しかし、ここに抵抗を入れると(金田氏が何回となく指摘して います)音質を犠牲にしそうなので、できればやりたくありません。

問題発生アイドリング電流が暴走
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 ドリフトも問題ないレベルに下がり落ち着いて聞いてみようと思っていた矢先、アイドリング電流が暴走する事態になってしまいました。 グラフ「TH2個」青色は+−それぞれのパワーTr裏側にサーミスタを計2個つけた状態でのグラフです。20分を過ぎた辺りから安定域に入って何の 問題もないように見えますが、実は外温にとても敏感でパワーTrの放熱状態が悪ければ安定状態の電流はこれよりもかなり上昇してしまいます。
 あるとき電源ON後2時間ほど経ってTrを触るとやけどしそうな勢いでした。Icを測ってみると70mAから流れており危うくTr を壊してしまうところでした。Trだけなら良いのですが高価なヘッドホーンを壊していたらと思うと冷や汗ものでした。
 パワーTrにエミッター抵抗を挿入すれば問題解決ですがそれは上記の理由からやりたくありません。したがって、サーミスタを追加して3個にし てみました。「TH3個CH1」「TH3個CH2」が3個目のサーミスタを追加したときのグラフです。明らかに過補償の状態になっていると見て取れる ので安心できます。
 なお、並列に接続している抵抗を変えれば電源オン時から安定状態までの電流変化量を調節できます。パワーTrのばら つきが大きいためなのか左右のチャンネルで抵抗値にかなりの差がありました。CH1・CH2の変化幅を合わせることも可能ですが現状で問題 なさそうなのでOKとします。冬場はもう一度合わせなければならないかもしれません。バイポーラTrの温度補償はとても難しいようです。
 今回製作を真夏にしたのでこのことに気づきましたが、ほかの季節なら気が付いていなかったかもしれません後で考えるとぞっとします。

3個目のサーミスターを付ける
headphones20.jpg  サーミスターを3個付けるとこれによる電圧降下が気になります。事実Konton氏は2個が限界とも書いていますが、それは2段目にカスコード を入れているためで、私の場合それがありません。また、電源電圧が24X位ありますのでヘッドホンアンプとして必要な最大出力を考えても問題 ないでしょう。
 マイナス電源側の方が発熱量が多いのでこちらに3個目のサーミスターを付けました。ヘッドホーンアンプへここまでするのは大げさのような 気がします。2個の時の様子からみるとパワーTrに放熱器を付ければいけそうな気もしますので、最初から作るのならその方がスマートかもし れません。

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 やっとのことで出来上がりました。これでDACを替えるごとにアンプを付け替えなくても良くなりました。
 そろそろ残暑も過ぎてすごしやすい季節になりだしました。秋の夜長は音楽でも聴きながら読書でもしたいものです。なーんちゃって!
 このアンプは指定のパーツを使っていないためか今まで作った金田式の音と傾向が少し違うようです。−−−−−−そりゃーそうだよと天の声、(~_~;)

 ソースの音をそのまま出しごまかしの効かないタイトな音です。そのためかつまらない録音は聞くに耐えません。パーカッションや ドラムが恐ろしくリアルです。ライブハウスで聞いた音を思い起こさせます。その代わり高音部がすこし煩く聞こえることもあります。 弦楽器は最近生の音を聞いたことがなくはっきりしたことは言えませんが乾いた感じのように思います。 したがってソースを選ぶのではないかと、ジャズなどは最高のようです。


反転アンプ
headphones22.gif  反転増幅のCDラインアップの記事が発表になりました。さっそく反転増幅に改造です。ボリュームは幸い100kΩを使っていたので、 そのまま流用します。ただし、コスモスではなくアルプスのオーディオ用の高級品のようです。以前私のホームページを見てご質問を受け 相談に乗った方からの頂き物です。左右の偏差が気になりますがとりあえずそのまま使ってみます。回路の改造は簡単でNFB回路の 1kΩと3kΩの抵抗を取り除き50kΩのスケルトンに取り替えることと、ボリュームの回路を変更するだけで1時間もあれば完了します。
 位相補償は反転アンプになって270pFから510pFに容量が増えています。300pFはデップマイカを使っていましたが手元に指定の 容量がないのでジャンク箱にあった470pFのSEコンに容量アップとグレードアップしておきます。この辺りはオシロを見ながらやるべ きでしょう。(~_~;)

反転アンプに改造
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 でき上がった基板の表側ですがまったく変更ないみたいですね!しかし、スケルトンの色が変わっています。1kΩから50kΩに付け替わって います。入力部に100kΩのボリュームを入れていましたがこれは良くなかったみたいですね。

 さて、気になるのはその音質です。一見ワイドレンジになり音の厚味がなくなったかと思いましたが憂慮でした。高音部の喧しいところがなくなり一段と 高域が伸び一枚ベールがはがれたようです。 今まで低音部の質感に高音部が付いて行ってなかったと感じていたのですが、ちょうど良いバランスになったようです。PhilpsのDACの特徴が 良い方向に効いているみたいでボーカルが朗々と歌い気持ち良いです。

13/08/16
電流伝送
headphones25.jpg  CDプレーヤーのシステムはご覧のとおり。この上にヘッドホーンアンプをおいてDACから直接出力できるようにRCAプラグを2組準備しています。 今回ヘッドホーン回路を電流出力に変更しました。ヘッドホーンアンプはご覧のとおりSONYのケーブルをじかに出しにしています、 この方がRCAプラグ1組分接点が減りますので音質的に有利と思います。が、モガミのケーブルなどの高音質タイプではないので気になるところです。
DAC側
headphones26.jpg こちらがDAC側です。改造したのは1kΩのスケルトン抵抗をヘッドホン出力用のRCA端子に増設しただけ改造は簡単です。ただこのDAC用の ICは元々電流出力になっています。それを電流出力→電圧出力→電流出力としているので回りくどいことをやっている事になります。電流バファーで 直接引き出すことも考えられますが、プリアンプ用とヘッドホーン用の2出力がいるのでそのまま金田式を採用するわけには行きません。
ヘッドホ-ン側
headphones27.jpg  ヘッドホン側はこの基板の裏側で50kオームのスケルイトンを短絡しただけです。元々反転アンプであり入力抵抗を短絡するだけなので 改造は簡単でした。
 音質はどうなったかというと電流伝送いいんじゃないでしょうか。
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23/02/26 headphones28.jpg
23/02/26
調整方法を記しておきます。アンプの出力へテスターを繋いでおいて@100ΩTM-7Pを回すことによってオフセット調整を行います。TM-7Pは最小から最大まで3回転 することによって変化させることができます。中央値に合わせるには最小値もしくは最大値まで回して(カチカチというクリックが感触でわかると思います)1.5 回転戻します、これでちょうど中央値になっています。作成した基盤に間違いがなければほぼ0mVになっているはずです。大きくずれる場合は配線間違いが あるかもしれないので再度基板のチェックをします。これが済んだらヘッドホンを繋いで聞いてみてください。異常がなければ次にアドリング電流の 調整をします。Aの箇所にTM-7P100Ω(100Ω位なら手持ちのボリュームならなんでもOKです)を繋ぎBの箇所に10Ωを入れておいてテスターを繋ぎます。 A箇所に入れたボリュムを回すと電流が変化して10Ω電圧降下で電流を測定できます。10〜20mAとの記述がありますので100mV〜200mVの間になるように ボリュームを調整します。これが済んだらAのボーリュムを外して抵抗値を測り測った値に近い抵抗を挿入しますこれで完成です。なお、こだわりがなければ ボリュームは外さずにそのままでも構わないと思います。なお、アイドリング電流測定に挿入した10Ωは取り除いておくのを忘れずにしておきます。 以上で完成します。