Drake 2-B | |||||||||||||||||
新たにもう1台、ツマミ類はすべて純正の2-Bを入手しました ツマミ交換のために外観も含め不具合品を入手、だったのですが・・・ケースの再塗装までやっちゃいました サイズは、およそ 305W x 178H x 230、D 重量は約6.6Kg |
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2-AQが入手できたのでセットで並べてみました 2-Bは、3台目です |
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アメリカン・ノビス シリーズ初回です 本機ですが、1961年に発売された受信機で、プロダクト検波器を内蔵しSSB受信ももちろん出来ますが、きっとノビス級ユーザーを販売先として主眼において作られた3.5〜29.7MHzアマチュアバンド専用受信機です 受信モードの切替SWはどこにもありません 検波方式が、ダイオードかプロダクト検波のいずれかの切替、そしてBFOのON/OFFを行う2つのSWの組み合わせです 本機の構成 高1中1のトリプル・スーパー・ヘテロダイン方式の採用です 全て真空管で構成され、整流管を含む10球です、 1st-IFが、3.5〜4.1MHzですので、3.5MHz帯はダブル・スーパー・ヘテロダイン方式となります ヘテロダイン・クリスタルは、3個 7・14・21−28MHz帯用です(21/28MHz帯は、差し引くか加えるかで、同じ25.0MHzのクリスタルを使用) オシレータ/VFO周波数 3955−4555KHzでもって、2nd-IF 455KHzに変換 そして選択度を得るために、3rd-IFの 50KHzに変換します IF帯域巾の選択については、0.5/2.1/3.6KHzの3段切替+パス・バンド・チューニングで混信除去対策を行います(オプションに、Qマルチがあった/下段でご紹介) ダイヤル・リード・アウトは、10KHzです 国内では、TRIO(トリオ:旧春日無線/現JVCケンウッド)9R-59など、高1中2のシングル・スーパー・ヘテロダイン方式が最新の受信機として高嶺の花だった頃に、今でも通用するような構成・・・高い周波数安定度や必要な選択度が得られるダブル/トリプル・コンバージョン・ヘテロダイン方式の受信機が、USでは入門無線家にとってリーズナブルな価格で存在したということです この時点での、日本とUSとの技術力/経済力の違いを表す一つの事実かと思います スター(その後、八重洲無線に合併)が、1963年にSR-500/600と言う受信機を発表しましたが、その設計イメージの中には、この受信機や別ページでご紹介のSX-101(主に、こちらかな?)があったと思われます |
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USノビス級:80/40/15mBand CW 145.0〜147.0MHz CW&Voice 入力75W 2000年に廃止(新規受験/ライセンス発行を終了 この時点でCWの実技試験が無くなった) その昔は、短波帯の運用にはモールス・コードによる技能が必須だった 国内では、電話級アマチュア無線技士(旧第二級アマチュア無線技士)は、電力が小さいと言うことで ノーコード・ライセンスとして短波帯での運用を認めていた(VKにも同様の措置があったかと) USでは、初級として短波帯はモールス・コードによる運用のみに制限したノビス級があった また、ライセンス・クラスによって運用周波数範囲を制限、ノビス級以外は送信出力の制限は同じ 余談ながら、CWの運用は、プロの世界でも無くなってきた・・・衛星通信の普及が進んだ結果か? |
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こちらが、初回入手マシンです 外観はまずまずですが、ツマミに非純正が多々使われています |
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特徴的なのは、横行きダイヤルの採用 Drakeとしては珍しいデザインです(多分 Drake2-A、2-Bのみ) 1stIFが、3.5〜4.1MHz それを455KHz、そして50KHzに落として必要な選択度を稼ぎます もちろんプロダクト検波器を内蔵、パスバンドチューニングもついた本格的なものです ダイヤルの読み取り精度は5KHz程度、さすがに1KHz直読とまではいきません スケールの補正はスケールそのものを左右に動かします(FREQUENCYツマミ上の、少々色あせたポチを持って動かします) 本機は、10球構成(整流管を含む)ですが、この後発売の2-Cでは、デザインも大きく変わり、一部が半導体化されました(真空管も、6V管から12V管に変更) RF/AF GAIN PASSBAND ツマミ以外のツマミは、純正ではありません 再調整しましたが、現状ではバンド水晶の問題で、3.5/7MHz帯、19.4〜20.0MHzの受信しかできません(内蔵してあった14MHz帯用バンド水晶発振子は発振していないし、21・28Mバンド用は行方不明! 19.4〜20.0MHzのEバンド設定がしてあったのも、前ユーザーの行い)が、受信動作そのものは正常に動作しています(Drake独特?の、ちょっと濁った感じの当時の音がします:電源の平滑コンデンサの容量抜けにも原因がありそう) バンド水晶を用意すれば、ソケット数に制約がありますが、600KHz単位で30MHzまで受信が出来ます |
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シャーシですが、上面はかなり痛んで(錆びて)いますが、動作に直接の影響はないでしょう(左写真は、リアから写したもの) 手前中央の空間は、100KHzマーカーの追加スペースです オプションでQマルチがありました(2-BQ リアパネルに接続用ソケットが準備されています) アンテナの端子もネジ式だけなので、用意してある場所を利用してM-Rを取り付けました(左写真は、オリジナルのままの状態) ダイヤルの駆動は、ご覧のように糸かけですが、ダイヤル1回転あたり約35KHz程度への減速ができています(※) |
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ケース内部 上面とは違って、非常に綺麗なままの状態です シールドされた部分が、Drakeお得意のパスバンドチューニングの部分です(R-4シリーズでも採用) ご覧のように、意外と深いシャーシです |
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フロントパネルを取り外し、ダイヤルのバックとなる白い部分をアルコールで洗浄 フロントパネルの取り付けですが、オリジナルは高さ(深さ)の違いを無視して、単純にビス留めしてありました(締め付け具合で調整) 日本人は、ちゃんとスペーサを用意して、きちんと締め付けます(そのようにしました) |
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発振していないHC-6/Uクリスタルは、強引にケースを分解して、入手しやすいHC-49/Uのクリスタルを半田付けして使用しています 写真右が、発振しないオリジナルを分解したもの 写真左が、新たに入手したクリスタルを半田付けしたもの この後、外ケースを被せてから、2-Bに装着しました |
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2台目、平滑用コンデンサ追加の様子 オリジナルのブロックコンデンサは、絶縁はOKですが完全な容量抜け状態でした 100μF x2 10μF x2 のところを、手持ちのチューブラー型 100μF と、 40μF でもって対応しました シャーシの高さが高い(深い)ので、これらの収納には困りません 写真下のごちゃごちゃがそのコンデンサです 面倒なので、容量抜けのオリジナルはそのままにしています 外観の錆などに比べ、シャーシ内部はとてもきれいです |
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2020.04 JA4FUQ | |||||||||||||||||
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2020.09 JA4FUQ |
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