LAFAYETTE HE-45B
50MHz帯 AMトランシーバ
318 x 140 x 203mm と、電源内蔵でままコンパクト
たぶん1963年の発売  真空管8本で構成されています
発売当時、$115前後の金額が付いていたようです
AC120V & DC12V に対応  DC−DCは、バイブレータ方式です
送信は、終段2E26  入力12W  ハイシング変調方式
本モデルはクリスタル2個の切り替え(色々あるようです!)、または外部VFO
受信は、IF=1650KHzのシングル・スーパー方式(IF=1650KHzは、ハリクラフターズのお得意でした)

Lafayetteは、1931年から1981年まで存在したUSのメーカー&小売業者です
製品はパーツから、BCL アマチュア無線関係 CB無線機など多方面にわたります
広いUSで、ローカルに対してカタログ販売(通信販売)で業績を伸ばしました
店舗も一時は100店近くあったようですが、小売りでは Tandy Radio Shack の数千店舗には勝てるわけもなく、1981年に倒産…事業譲渡でその幕を閉じました(その時点では10店舗無かったようです)
カタログ販売では、日本メーカーの扱いも多く、例えばTRIO製品を自社ブランドを付けて売っていたりもしました
本製品は、きっと独自の製品かと思われます(もしかしたら、日本のどこかのメーカーが作ったものかも!?))

入手した時点でスピーカーのパンチング・メタルは、オリジナルではありません
あと、RF−Tuneツマミとマイク・ジャックが、たぶんオリジナルではないと思われます
その他は、オリジナルです
送信ファイナル調整ツマミは、プレート同調のみ
ロード側は、半固定…フロントパネルからドライバを差し込んで調整!です
ファイナル・ロード側の調整穴は、プレートTuneツマミの下に配されています

TANK:プレート同調
ANT.TUNE:ロード側同調
上蓋を開けたところを写しました

左サイドが送信部です
変調トランスは、右端にレイアウトされています
送信部のアップ

クリスタルソケットのアース側鈴メッキ線が断線
目視では分からず、この症状に悩みました
クリスタルの差し込み方で送信できたりできなかったり???
パネルの強度が弱いのがきっと直接の原因!
しっかり半田付けしました!
ファイナルは2E26で、わずか2球構成(前段は、6EA8)
右下の球は、受信のTOP 12BZ6です
こちらは背面側より写したもの

スピーカーは、純正ではないと思われます

電源供給は、8PGTプラグのところで、AC120V、DC12Vそれぞれのケーブルを使用することで対応します
シャーシ下側を写したもの
スピーカー・グリル(パンチングメタル)が弱弱しいので、スピーカーごと、手持ちのものを、本機のサイズに加工して交換しました
厚手のプラスチック・パネルです
それなりに古い時代のものを使用したので、TOPの写真のとおり違和感はあまり感じません(全体イメージが暗くなりました!)
パネルへの取付を、ハトメを外してビス止めしたもので、この頭が異常に新しく見えます

その他は、オリジナルのままです
DC-DC対応はメカ式…バイブレータの採用です
この時代では、標準的な構成でしょう

送受切り替えは、左下に見える2極のものひとつだけです(ANT切り替えはありません/後述)
やはり電解コンデンサの容量抜けは否めません
受信時、ハム音が気になります
横着をして、360V50μFを追加しました(黒い縦型コンデンサ)

送信は、クリスタル・アース側の問題解決で簡単に6〜7Wの出力が得られました
クリスタルは、6逓倍のものを使用します(TX-88A/Dなどと同じ)
ところが受信感度が思うように得られません
RFトップ・・・Pin2がカソードの配線、Pin7が接地されています
12BA6であれば、これは逆です
ここは配線優先で、12BZ6に交換しましたが、まだ感度が足りません(5μV入力でS/N10db程度)
Mixが3極管接続になっていましたので、WebにあるHE-45の回路を参考に5極管接続しにしてみたところ、ゲインは上がりますが、思うように感度が上がりません
色々やってみていると、初段のIFTのアース部分をなにかで抑えると感度が上昇します
IFTのシールド板をシャーシに直接半田付けすることで感度が安定して上昇しました
古くなるといろんな症状が出ます・・・感度低下の一番の原因は、この点でした
ここで、Mixをオリジナルの3極管接続に戻しました
なんと、5極管接続より感度も上がり、動作も安定になりました(45→45Bの改良点のひとつでしょう)

HE-45と、このHE-45Bの違い
回路的には、先に記したように受信Mixである6EA8の使い方が異なります
管球構成では、AFパワー管が6AQ5ではなく、一回り大きい7868(7591A同等)が採用されています
入力12Wにきちんと変調をかけるには、6AQ5では確かに力不足でしょう

最終的な受信感度ですが、1μV入力でS/N9db(1KHz30%変調ON/OFF)程度で、ほぼ仕様通りかと思われます(音量は、十分得られます)
RF入力コイルが、送信のπマッチを兼用(アンテナ切替なし!)のため、昇圧による利得は期待できませんので、受信感度とすればこんなところでしょう(高1中2のシングル・スーパーで、送信6〜7Wに対する感度としては十分かと)

使用感ですが、シングル・スーパー・ヘテロダイン・・・・50MHz前後を簡易なLCで一発発振させているわけで、安定度には課題があります
QSOとなったら、ダイヤルから手が離せないかも、です(通電後、一定の時間を経過すれば、それなりに安定はします)

2019.11   JA4FUQ

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