TOKYO HY-POWER HT-501

今はなきTHP(東京ハイパワー)の製品の一つです
社名の通り、送信アンプ製品が中心だった中で、車載機と携帯機をいくつか販売していました
本機は、その中のひとつで、多分ですが2005年〜2010年頃の発売ではないかと思われます
倒産が、2013年のことでしたので
国内販売は無かったようで、海外それもマリン用を意識したものと思われます
本機は、2.0MHz − 29.99MHz ゼネカバ送信ができます
以下、マニュアルにある仕様です
受信範囲:500KHz − 30MHz
送信範囲:2.0MHz − 29.99MHz 7バンドに分割してカバー
モード:AM、CW、USB,LSB

メモリ:50CH
周波数制御:100Hz、または1KHzステップ
周波数安定度:±10PPM(−10〜+50℃)
アンテナインピーダンス:50Ω
オート・アンテナ・チューナー・オプション(AT−501)

電源:13.8VDC
消費電力:最大 送信6A 受信1.5A
サイズ:212mm(W)x 88mm(H)x 234mm(D)
重量:4.5Kg

送信:
RF出力電力:25W(0〜25W可変)
スプリアス放射:−50db以下
キャリア抑制:−40db以下
不要なサイドバンド抑制:−50db以下
マイクロホン:600Ω

受信:
受信方式:ダブル・スーパーヘテロダイン方式
      MixはDBMを採用
1stIF:45.0MHz
2ndIF:9.0MHz
感度:−6dbμ(12db SINAD) SSB/CW
選択性:
SSB/CW:−6dbで、2.2KHz −60dbで、6.0KHz
AM:−3dbで、20KHz −60dbで、100KHz
  AM/CWについて、フィルタ・オプションがあったようですが、本機は未搭載です
オーディオ出力:2W以上(8Ω)

本機は、未使用品(NOS)のようで、開封されていない車載ブラケットやその取付ビス等入ったビニル袋、DCケーブルがありました
取説は、英語と中国語の記載
同じシリーズで、100W機があるようです(HT-501M)
フロントパネル
上蓋を外したところ
内部上面
上蓋を外した状態です
後ろ1/3は、送信ファイナルのヒートシンクです
蝶番構造が採用されています
蝶番を起こすとこのようになります
右部分・・・本体上側半分・・・上写真のヒートシンクが見える部分の裏側ですが、こちらは送信ファイナルとフィルタ部です
メイン基板は、左部分…本体下側半分ですが、こちらは基板裏面です
送信ファイナル部、フィルタ部のアップ
この25W機の場合、ファイナルは2SC1969 4本
2本をパラレル接続で、プッシュプル構成
こちらがメイン基板
下側ケースを取り外せば、この状態になります
IFフィルタは、標準ではSSB用のみ
AMは、このフィルタを使用せず、言わばパスです
オプションで、ナローAM(6KHz巾)用と、CW(0.5KHz巾)用の用意があったようです
SSB用フィルタの上にAMフィルタ
下に、CWフィルタが取り付けられるようになっています
リアパネルです
非常にシンプルです
アンテナ接続、電源接続、オート・アンテナ・チューナー接続、電鍵接続、外部モデム接続(MIC、SP、PTT)、そしてアース接続端子だけです
X-OUTという穴が開いていますが、何も接続はありません
本機につきましては、情報が付属の取説(英語と中国語)だけです
状態は、新品長期保管・・・NOSだったようです
ハンドマイクロホンをはじめ、車載金具や、DCケーブルなど全て揃っています

スペック確認
13.8V電源を接続
送信:問題なく25W出ます
   SSBのトークパワーも大きく出ます
受信:0.1μV入力で、S/N10db
   高感度です
2−30MHzの間で、この状況に変化はありません。


使用感
元々固定CHニーズであったと思われます
アマチュアバンドとかいう発想は全く無いようで、バンドチェンジは極めて面倒です
まず、7バンドの中から目的の周波数を含むバンドを選んで、後はメイン・ノブを回して目的の周波数へ、です
オプション・フィルタなしのAMは非常にワイドで、混信がなけれな良い音で放送が受信できます
どこに周波数を合わせたらいいのか悩むくらい・・・広い!
アマチュア無線に使用しようとした場合、アマチュア無線用のものとはちょっと趣が異なります
AGCは、ON/OFFしかなく、リリース時間がSSBにとっては短く、違和感があります
音色については、送受ともに高域カット気味で、明瞭度に欠ける感じを受けます
フロントパネルに内蔵されたスピーカーで受信すると、不思議なことに、大音量で聞くとそれなりに良く聞こえます
音量を絞ると、モゴモゴした感じに聞こえ、どこか違和感を覚えます
送信は、トークパワーを大きく感じます
良い音で通信を・・ではなく、とにかく通信できることを目的にした・・・のかな、です
各設定もFUNC-SWを押してメニューを選択し、メインダイヤルを回して設定・・・ですので、やはり固定CH運用を目的にするのが良いようです(50CH登録可能)
2024.01  JA4FUQ

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