Kokusai 国際電気 SINE-2
今は亡き通信機メーカー 国際電気が発売した多分唯一のアマチュア無線用トランシーバです
国際電気と言えば、アマチュア無線家にとってはメカニカル・フィルタでも高名でした
国際電気・・・その後、日立電子、八木アンテナと3社が合併して、日立国際となりました
八木アンテナ・・・今でいえば東北大学学内ベンチャースタートだったのかもしれませんが、この時点で会社はなくなりました
合併後も、色々あったようですが・・・
本機は、1968年の発売 水晶固定チャンネル式の144MHz帯携帯型トランシーバです

150W x 60H x 190D と、コンパクトな144MHz帯携帯型トランシーバです
本格的なレザーケースに収められています
消費電力も小さい
  受信待受時(SQクローズ時) 25mA程度
  ガンガンに鳴らして受信しても200mA程度
  送信時、約450mA
最後に記しますが、ロッドアンテナへの給電も、きちんとマッチングがとってあるようです
そのロッドアンテナですが、フロントパネルより約60cm引き出すようになっています
携帯機として、うまく設計されたものと思います
きちんとケースに収納されていたせいもあって、意外と保存状態もよく(湿気にやられていない)、無事通電できました
今を去ること56年前の製品です
フロントパネル
AF-Vol、SQ-Vol、CH切替スイッチ以外は、電源とバッテリ/Sのメーター切替スイッチのみと、きわめてシンプルです
シャーシ上面
送信ユニット側です
水晶5CHを実装できます
電池ホルダは、電池が抜けないようちゃんと抑えが用意してあります
乾電池用にダミー電池2本も用意があります
12V動作です
マイクはお決まりの?プリモ製
白のアクリル板を取り外して基板が見えるように
実は、振るとカラカラ音がする・・・なんだろうとアクリル板を取り外してみると、パワートランジスタのヒートシンクが2個、外れて転がっていました
反対側
受信基板の側です
ロッドアンテナと、スピーカーが同居です
基板の材質は良いものが使ってあります(紙エポキシかな、ベークライトではない)
リアパネルです
ドッキングステーションがあったのだと想像します
基板に5極の接点が用意され、アクチュエータがついたマイクロSWがあり、後ろに何かが接続されると、電源が切り替わるようになっています
メーター照明ランプも、この接点に接続されています
外部アンテナ接続も、φ3.5のイヤホンジャックです
給電は、同軸ケーブルで引っ張って、フロントパネルすぐ下でロッドアンテナに接続
一般に、ロッドアンテナの根元に接続というのがほとんど
本機の場合、根元は絶縁して、根元から145mm位の場所でフロントパネルのすぐ下で給電してあります

さすがに、Fが合わせられないくらい変動したクリスタルもありました
簡単な調整後の実測結果です
受信:−13dbμVでSQがオープン
送信:1W弱
と、ほぼほぼ登場時の性能が維持されています、これは驚きです
プリント基板素材の選択を含め、業務用無線機器メーカー面目躍如と言ったところでしょうか
2024.05  JA4FUQ

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