JRC NRD-505
1977年に、日本無線より発売されたものです
当時、¥389,000と、簡単に手出しができる代物ではありませんでした
JRCにおいて、アナログダイヤル(VFO)最後の製品かもしれません

以前、依頼を受け修理をしたことがあって、そのときの受信の雰囲気が非常に良かったもので、自分でも1台持ちたいと思って入手したものです

本機は、
100KHz〜30MHzを1MHz単位で連続してカバーする、アップコンバージョンタイプのダブルスーパーヘテロダイン方式(第一IF:70.455MHz、第二IF:455KHz)の受信機です
このアップコンバージョン方式をアマチュア無線用に採用したのは、国内の製品としては最初かもしれません
μ同調方式のVFO・・・PTOと、PLLシンセサイザ方式を組み合わせた設計です
選択度を稼ぐフィルタは、AM(6KHz)はセラミックフィルタ、SSB(2.4KHz)は国際メカフィル、ここまでが標準装備で、CW用の600Hzフィルタは、やはり国際のものがオプションで設定されています(YAESU FR-DX400と同じイメージ)

この時代の特徴といえるかもしれませんが、メインダイヤルの読み取りがアナログ・デジタルの両方となっています
Collinsでいえば、51S-1のイメージでしょうか(こちらは管球式)
ダイヤルは、外側が1回転100KHz、内側が33KHzです

意外と小型軽量です
巾340 x 高さ140 x 奥行300  重量:約10Kg

背面です

極めてシンプル
シャーシ下面です

おなじみのマザーボードです
おなじみのスロット構造です
プラグイン方式によるモジュール化となっています
中央に、アルミダイキャスケース/VFOが配置されています
そのすぐ左に見えるVCOのケースも、やはりアルミダイキャストです
本機は、初期製品 1977年製のものです
オプションである、周波数メモリユニットが内蔵されています(写真左端)

  CWフィルタを組み込んでみました
純正には、10AZの後が「121」との記載があるようです
入手したのは、10AZのあとの記載が「27」のもの、一般に良く出回っていたものだと思います
どこが違うか・・・
目視で確認すると、入力と出力が逆になっています(P-BとG-Eの足の配置が反対)
従って、取付は銘板シールの表示がSSBフィルタとは逆になるような方向になります(説明書に記載があるような同じ方向への取り付けでは入出力が逆になります)
逆付けしたらどうなる? これは試していません!
 2021.07

年期のわりに、保存状態は非常にいいものでしたが、経年変化は如何ともしがたいことです

AGC回路のタンタルコンデンサの絶縁不良(時定数/リリース時間が短い)
  → 交換 4.7μ 25V

周波数メモリユニットが不動
  → 一度マザーボードから抜いて差し込み直したら正常に!?

メインダイヤルのスリップ(100KHzダイヤルは正常なれど、33KHzダイヤルで場所によってスリップ)
  → 押さえスプリングの調整(強引に平ワッシャを加工して間に入れた)

ΔF-SW プラスチックレバーの固定ピン折れ(と考えられる操作感覚)
  → 動作には問題ないので、今回は無視!

さて、最後はお決まりのスペック紹介
 SSB  0.2μV  S/N 12db
 AM   0.5μV  S/N 10db
14.2MHzでこのような値でした
オリジナルスペックは、十分に満足しています   
VFO安定度についても、特段気になるようなことは感じません(きわめてアナログ的判断!)
 2021.04   JA4FUQ

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