Heath-Kit  SB-10
SSBの黎明期に、AM/CW送信機に付け加えることで、新たに高額なSSB無線機を入手しなくてもSSBでオンエアすることを目的としたアダプタです
説明書には、当時のAM/CW送信機 DX-100(B)に接続する改造内容の記載もあります
1959年頃の製品と考えられます
リアパネルです

M型接栓は、RFの入出力です

マイク入力端子は、フロントパネルに用意があります
本機の構成

AM/CW送信機の送信する電波をキャリアとしてSSB信号を作るPSN方式のアダプタです
最大3W程度の入力を使って10W PEPのSSB出力を得ようとするものです
オーディオ・フェーズ・シフト・ネットワーク部には、高名なB&W社 Model350 2Q4 が使用してあります

電波を出す周波数数ごとに、必要な調整が必要です
簡単にQSYとは行きません・・・
シャーシ下 右端で横になっている真空管
これが、本機の終段 6BQ5 です

真空管は8球が使用され、ちゃんとVOX機能も内蔵して、SSBらしい運用の提供を意識してあるところが素晴らしいです
手前中央
B&W社 Model350 2Q4 が見えています
オーディPSNのキーマンです

どの程度のキャリアサプレッションが取れるのかな?
仕様では、40db以上となっています
また、逆サイドバンドの抑圧は30db以上となっています
シャーシ上部
ごちゃごちゃとしているのは、切替リレー部です
シャーシ下の様子

終段タンクコイルが見えます(πマッチです))
さすがHeath−Kitというべきか、簡単に新ものであるSSBに取り組めない方を救済するためのアダプタの発売です
極めてアマチュアライクで、素晴らしいと思います
AM/CW送信機の、延命策の一つかもしれませんが・・・

DX-100(B)送信機(1955−60年頃 $189.5)
6146x2 AM100W送信機です
変調管には、1625x2 VFOも内蔵した本格的な送信機です
発売当時SB-10は、$89.95で広告に掲載があります
このものを対象に、アダプタとしての取付(改造)説明がなされています
TX-1(1958−1964年 $234.95)
こちらも100WのAM/CW送信機ですが、このものには改造なくそのまま接続が出来るようです
調べると確かに、モード切替SWを有しています
簡単に言えば、送信機本体のドライバから取り出したRF出力をキャリアとしてSSBを作り、ファイナル入力に戻して100Wまで増力する、そんなイメージです

当時の広告には、DX-100(B)については少しの改造で使用できる旨の説明があります
PSN方式だからこそできる、SSBアダプタです
なんちゃってSSBみたいな気もしますが・・・・
     2023.09  JA4FUQ

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