TRIO  TR−1100
AM・FMでもって、50MHz帯をカバーする携帯型トランシーバです

サイズは、60H x 180W x 230D で、重量は約2.9Kgです
本機は、TR-1100Xと表記されています
入手時点では、ホイップアンテナが純正ではなかったのですが、後日純正に交換しました
1969年発売の製品です
完全トランシーブ一歩手前の製品です
送受別々のダイヤルもしくはクリスタルで、キャリブレーションを取って送信するというここまでの送受別々の設計から、VFOひとつで完全トランシーブという設計の中間的位置の製品です
相手局受信時に、CALツマミを押したまま、もっとも強くSメータが振れる位置にツマミを回して送信周波数を合わせます
本機の後継 TR-1200は、1VFO完全トランシーブとなっています


リアパネル(底面)は、極めてシンプルです

アンテナ端子と外部電源ジャックのみです
本機で、特徴的と思われることのひとつ

マイクロホンは、本体側面に収納できるようになっています
配線は直結で、マイクを単独で取り外したり、他のマイクを使うことはできません
PTTは、ロック式 昔のテレコ付属マイクのイメージです

この写真の時点では、ホイップアンテナとLIGHT-SWが非純正
電池交換を行う側の「ふた」を開けた状態です

電池は9本・・・基準動作電圧は13Vとなっています
使用電池は単二型です(一部2段に収納)
補強を兼ねたシールド板を外した状態です

VCを挟んで上側がVFO部
下側が受信のTOP  RF−1stMIX部です
受信信号は、左から右へ、そしてスピーカー下の1st-IF(7〜11MHz)から上に、ここで455KHzの2nd-IFに変換、ここから下にIFアンプ部が続き、最後に検波となります
アンテナ下右側は、AF段  左側が送信終段部です

左下のANTリレーから受信RF入力まで10数cm普通の単線で配線してあります
  反対側の「ふた」を開けた中身です
シールド板の下(奥)がVFO部です

本機の送信は、25MHz帯の一発発振を2逓倍して50MHz帯を得ていますが、その安定化のために受信用7〜11MHzのオシレータを送信時にも生かして、DSC出力でバリキャップダイオードを動かし、安定化を図るという面白い設計がなされています
25MHzの自励発振ドリフトを、7MHz自励発振の安定度に抑える工夫です

今回一番の問題というかトラブルについて

感度低下というか得られる音量がとても小さい
ゲイン不足かと思い、RFからIFまで調整しただけでは改善しません
Trを取り外してチェックをするも問題なし
原因は、なんとイヤホンジャックの接触不良
厄介なのは、取り付けサイズ(奥行)が最近のジャックに比べ長い・・・単純には最近のジャックでは長さが足らずパネルに頭が出ません
仕方ないので、パネルを外しシャーシの穴を拡大して、なんとかフロントパネル側でナットの取り付けができるよう工夫しました
あとひとつ、電源の逆接保護に直列に入っているダイオードの電圧低下が、受信音量や送信パワーに影響がでていたため、ショットキーダイオードに交換しました 

TR-1100ですが、私が高校生の時、当時の同級生がもっぱら50MHzを運用していたので、親にねだって入手しました
その時の型式は、記憶ではTR-1100Bだったように思います
当時の私は、HFしか運用経験はなく、違う世界を味わわせてもらったトランシーバでした

得られた結果について
動作基準電圧13Vで、送信1W強  受信は、1.7μV入力でS/N10db(規格は2μV時)と、50年経ってもスペックを満足します
弱い信号受信時の音量が、今一歩小さい気がしますが、こんなものだったかもしれません
動作電圧が低下すると、受信感度(音量)・送信出力とも気持ちよく低下します
逆接保護ダイオードの低下電圧が気になるくらい・・・・
2020.12   JA4FUQ

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