4/25//2007 吉備雑感日記  
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学画と質画

東京暮らしの頃、毎日本屋を覗くことが日課だった。新刊、古本に関わらず、表紙、背、内容、目に飛び込んできた何かにひかれて求めてきた。すぐに役に立つとか、調べ物ののためといった具体的な目的意識もなく購入して、そのおりそれなりに見たり読んだりはしたものの結局は差し迫った要もなく本棚におさまりそのままになった数々。
 そんな本が突然、輝きを増すことがある。
 もちろん自分自身にとってみればの事なのだけれど、まるで<そのとき>をみこして買っていたとしか思われないような存在。

 山に暮らすようになって本屋通いもままならず、当初もどかしい思いも募ったものの、何時しか回りの自然そのものの中に全てでは無いにしろ、それまで本の中にわたしが求めていた何かを見いだしていたようにも思う。

 その後のネット環境の充実、整備は、検索による新たな出会いの形を提供してくれ、またAmazonの出現によって購入に対しての不便さも取り払ってくれた。

 もっとも本屋での不意打ちを食らうような出会いは無いけれど。

とうとう表具が出来上がりました。絵巻「浄化再生」、東京のギャラリーで他の方々の作品とともに公開されるこになりました。5月7日〜12日まで。絵巻物展 アートフロンティアhttp://www.geocities.jp/artfrontier_gallery/
■ とうとう表具が出来上がりました。
絵巻「浄化再生」、東京のギャラリーで他の方々の作品とともに公開されるこになりました。5月7日〜12日まで。
絵巻物展 アートフロンティア
http://www.geocities.jp/artfrontier_gallery/
 

■ ここのところ襖絵を描いたり、絵巻を描いたり、これまでにもまして古典的な様式での制作が続きました。

現在古いと思われている画題や使う素材、描法にあえて注目して、実際にそれぞれ描き制作するなかから何かを見つけたいという私のやりかた。

それでもなんとストレートな発表の姿でしょう。画面の緊張感、筆法など、またまた描いてみなければわからない出会いを出来たように思います。
 


吉備高原の新緑が見頃です。八重桜が咲き、遅い山桜もまだまだ見ることが出来ます。
■ 吉備高原の新緑が見頃です。八重桜が咲き、遅い山桜もまだまだ見ることが出来ます。
 

■ タイトルの「学画と質画」たまたま古い様式などをしらべている内に出会った本に見つけた言葉です。

現在『日本画』が陥っている微妙さ、もっと大きく言えばこの国の教育の在り方自体、そんな問題を考える上で重要なキーワードになりそうな言葉との出会いです。

400年に及ぶ影響力、狩野派と呼ばれる絵の流派がいかにして存続したか、「狩野派決定版」(別冊太陽131)コラムの中に見つけた言葉でした。

 


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