展覧会案内・感想

2009年05月15日

 立原位貫 木版画の世界展
立原位貫 木版画の世界展 チラシ表

立原位貫 木版画の世界展 チラシ表
新見美術館で「立原位貫 木版画の世界展」が開かれています。平成21年4月17日(金)〜5月24日(日)※休館日/月曜

以前より本などで目にし、気になっていた作家・作品、生で見たいと思いつつもこれまで縁が無かったのですが、今回やっとまとまって拝見することが出来ました。

浮世絵との出会い、復刻による独学、そしてオリジナル版画へ、学ぶ過程、これまでの制作の記録を見ることが出来る展示でした。
<1996年「讃岐院春属をして為朝をすくふ図(歌川国芳画)彫摺 勝原伸也 1987年6月制作>倉敷にあるサロン ド ヴァンホー というギャラリーで行われた勝原伸也さんの木版画展の案内状がここにあります。このときは見ることが出来なかったのですが、気になり、ずっと手元に置いていたものです。作家名は違うのですが、まぎれも無くこの方のお仕事!です。

会場の資料に制作のおりおりに改名したことも紹介されていました。やっぱりこの方だったのです。

オリジナル作品に見られる「線」。浮世絵を復刻、とことん真似る!作業の中で、自分の理解が真似られる程度にしか無いということと向き合うことになるのだと思います。色ももちろん、形も「線」も、同じように。

国芳や広重の線、形、色。

やりきる凄さ!を感じさせてくれる展覧会でした。


会場入り口横の映像を流すコーナーで、作品を制作する様子が流されていました。短いものでしたが、繊細な暈かし、色に対して何を考えているかなど、見る者の興味を引く映像となっていました。

ゆっくり、じっくりと作品と向き合えます。お勧めの展覧会です。
同じことをすれば違いだけが見えてくる。伝統というものを考えるとき、とても大切なことだと思います。

※追加情報:津山市の棟方志功・柳井道弘記念館(M&Y記念館)で6月21日までこの方の「浮世絵復刻特別展」をされているようです。

※追記:棟方志功・柳井道弘記念館(M&Y記念館)5月19日
「立原位貫 浮世絵復刻特別展」木版画、版木、摺りの行程(版・色の摺り順序)がわかる展示がされていました。

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