展覧会案内・感想

2009年11月14日

 大正という時代 岡山
大正という時代 展リーフレット表

大正という時代 展リーフレット表
岡山県倉敷市の倉敷市立美術館で「大正という時代 岡山collection」展が開かれています。
平成21年11月12日(木)〜12月23日(水・祝)
月曜日休館<ただし、11月23日(月・祝)は開館、11月24日(火)は休館>

館蔵のコレクションを並べた展覧会と聞くと、いつでも見ることが出来そうで、なんだかありがたみ?が薄く感じますが、一見の価値ありの展覧会です。リーフレットの表面にある坂田一男作品の印象が強く、いわゆる洋画のジャンルが多いのでは?と思ってしまいますが、池田遙邨の薄塗り、初期の頃の作品が大小取り混ぜ並び、また稲葉春生の芍薬が出品されていて、日本画が変化して行くまっただ中をかいま見る事が出来る展示になっており、現在行っている美術館講座でテーマにしている基礎的な技法の「結果物」を実際に見る事が出来る展示になっています。

江戸時代の狩野派など、画塾による伝承では、技術こそが全て、これを学画と呼び、才能によってなされる部分は質画と呼んだそうです。徒弟制度の中で、絵具の扱い、筆、刷毛など、個人、個性といったものが重要視される明治以後の近代化の流れの中に有っても、こうした肉体を伴い伝承された何かというのは、ある意味でこの国の価値観を否応なく伝える存在であったのです。

限られた人々のみの開放であった明治、それが大正はより広範な階級、人々に欧米の文化が広がった時期でもありました。

否応無く身体を伴った表現技法と、近代の出会い。大正時代の面白さはここに有るように思っています。。身体が担保したこの国の価値観と西欧の出会い。昭和になって美術教育の場が大学に移る事で失った何かの存在。

大正から昭和初期はある意味で「日本画」の黄金期だったと思っています。

遙邨の風景、小品、春生の芍薬、古い描くプロセスを学ぶ事が出来る作品が展示されているのです。というわけで?、講座で勉強中の方々は見ておく事をお勧めします。

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