展覧会案内・感想

2011年02月05日

 雛の道具
雛の道具 林原美術館 ちらし表

雛の道具 林原美術館 ちらし表
岡山市にある林原美術館で企画展 雛の道具 が行われています。 
2011年2月1日(火)〜2011年3月21日(月)
開館時間 9:00〜17:00 入館は16時30分まで
休館日毎週月曜日

会場に入ってすぐに迎えてくれた梅若松蒔絵雛道具一揃え。中央のケースにいわゆる「貝合わせ」の「合貝」が陳列されています。

一言「凄い!」しか言葉が出ないその姿。


722枚というその数、
その一枚一枚に見られる細やかな描写、

あえてその様子を説明しようと試みるなら、こうした言葉を長々と連ねることも可能でしょうが、やはり「百聞は一見にしかず」、ただただ全てが並ぶこの状態を観覧することでしか味わえないものがあると思わずにいられません。

多くの人が貝合わせの貝と聞いてイメージするその大きさといえば、蛤の、それも大きめの貝に描かれたそれでしょう。しかし今回、目の前に広がった722枚、その1枚は長い辺で3センチ程度なのです。確かに「雛飾り」なのですから、それがミニチュアという発想が私に無かった事の方が間抜けなのですが、テレビなどのメディアで紹介されたおり、「ああっ、貝合わせの貝も出ているんだ」と軽くスルーしただけにショックが大きかったのです。

アサリ程の大きさにしっかり描き込まれたその姿。金の発色も、絵の具も、そして「描く手」も上品そのものです。

こうした美のあり方。確かに大名のお道具、貴族的な価値観と一言でくくる事も可能かもわかりませんが、小さく凝縮する表現、この国なりの面白さの発見につながるように思います。

何セットかの雛飾りが並んでいます。
そのそれぞれの縮尺が微妙に違い、胡弓、三味線などの作られた大きさを比べるのも一興。将棋セット、碁のセットなど、いわゆる旅のお伴?のゲーム盤と変わらぬ大きさに本物を詰め込んだその姿もちょっとわくわくします。

お重にお椀、調理器具、鏡等の化粧道具、いわゆるおままごとセットの手を抜かない本気の作り込みの凄さ。
梨地、黒漆ベース、蒔絵の技術、金具の作りも全く凄い!全てサイズだけが小さな「本物」なのです。(こうして小さく作る方が、本来の大きさで作るよりもずっと技術が必要になるに違いありません。)

素直に楽しませてもらえる展示です。


報道されている「林原が会社更生法を申請」というニュース、本当に驚くばかりです。化石の発掘、恐竜の研究や、こうした美術館運営、林原のメセナ活動と言う事になるのだと思われますが、よい形で継承、継続されればと思わずにいられません。
林原美術館、雰囲気のある門構えです。近隣には、岡山市民会館、旭川、お堀、岡山城、県立博物館、後楽園、県立図書館、シンフォニーホール、県立美術館、オリエント美術館、天神山文化プラザ、、、、、、有名な能装束コレクション他、この国の文化を紹介する重要な存在なのです。