展覧会案内・感想

2012年07月19日

 生誕100年 船田玉樹展
「生誕100年 船田玉樹展」公式図録兼書籍 表紙

「生誕100年 船田玉樹展」公式図録兼書籍 表紙
東京の練馬区立美術館で「生誕100年 船田玉樹展」が始まりました。
練馬区立美術館 2012年7月15日〜9月 9日
広島県立美術館 2013年1月21日〜2月20日

 縁あって、「生誕100年 船田玉樹展」公式図録兼書籍をいただきました。作品のみならず関連資料収集、文章の紹介他、力の入った素晴らしい書籍となっています。

 私が船田玉樹の作品を意識して拝見する様になったのは、遅まきながら昨年2月(広島県立美術館)、<「日本画」の前衛 1938-1949>展からです。
 1938年の「花の夕」、1947年の大王松、そして1949年制作の「暁のレモン園」、それぞれ大作の醸し出す空気の違い。描かれた時代背景もあったと思われますが、どのように絵描きが絵と向き合うか、絵と取り組むか、その姿勢、そんな姿を感じたことを思い出します。


 今回の公式図録兼書籍では、それ以外のたくさんの絵、資料、そして画家の言葉が掲載されていました。昔、出会ったことがあると記憶の中にある絵もありました。

 冒頭、父「玉樹」と、題された御子息の船田奇岑さんの文章に

<‥ゼロから新しいものを作り上げようとするのは人間として思い上がった考えであり、受け入れた上でその先に地平を見いだすことを、仕事のありかたとして確信していたようだ。‥>

 と、あります。公式図録兼書籍で紹介されている作品の数々はまさしくその取り組みの痕跡のように思います。

 何事もスピードが求められ、軽さが言われる現在、1980年〜88年頃の制作を現在の作家の似た様なそれと比べて見る事で、大作の中にある違い、その力強さの秘密、近い結果だけを求めたのでは無い取り組みを感じられる様な気がするのです。私も背中を押される様な気がしました。
 東京での展覧会場、練馬区立美術館には出かけられそうになく残念ですが、来年の広島県立美術館開催では是非とも実物拝見に伺いたいと思う展覧会です。