展覧会案内・感想

2013年04月30日

 川喜田半泥子と茶の湯の世界
川喜田半泥子と茶の湯の世界 リーフレット表

川喜田半泥子と茶の湯の世界 リーフレット表
林原美術館で特別展 川喜田半泥子と茶の湯の世界 が行われています。2013年4月26日(金)〜6月23日(日)開館時間 10:00〜17:00 入館は16時30分まで 休館日・月曜日

三重県津市にある石水博物館と、ここ岡山の林原美術館のお互いの所蔵資料を交換展示することで実現した特別展だそうです。

「慾袋」「雪の曙」「浮寝鳥」「猿のしり」「松韻」「鬼の首」「はしら暦」「一声」それぞれにつけられた銘にうなりました。

名をつけるという行為、その意味。対象となる存在と新たな関係を結ぶこと、生み出す広がり。時に世間では、思いだけが空回りし、人目に”イタイ”銘々となっていたりすることも多々あるように思いますが、今回は、おおいに大人を感じる体験となりました。

名をつけることが広げてくれる世界との出会いです。

西の川喜田半泥子、東の魯山人とか。確かに趣味人、楽しまれた様子がコレクションから、創作から、伝わってきます。

実業家と文化活動。どのように生きるか、どのように楽しむか。茶の湯の世界へのデビューが大人への入り口となっていた昔を聞いたことがあります。ここ岡山の金重陶陽ゆかりの品々。この展覧会で金重陶陽さんが素晴らしい達筆だったことにも出会えました。また、期せずして曾我蕭白の屏風にも出会うことが出来ました。

没後50年とか、伸びやかで豊かな造形、趣味のあり方は、単に好きを超えた世界を感じさせます。基本とは何かを知った上での軽み。大人のいいな〜を感じた展覧会でした。