展覧会案内・感想

2013年06月16日

 難波仁斎 生誕110年記念回顧展
漆芸家 難波仁斎 生誕110年記念回顧展 リーフレット表

漆芸家 難波仁斎 生誕110年記念回顧展 リーフレット表
 岡山県立美術館で漆芸家 難波仁斎 生誕110年記念回顧展が行われています。2013年6月7日(金)〜7月15日(日)開館時間 9:00〜17:00 6月28日は午後7時まで 入館は閉館30分前まで 休館日・月曜日

 漆の粘度、使うときに手に感じる筆の感覚を想像しながら、表現されている細い線、流れるような動きを描き出している技術を拝見していると、日本の美術として、筆をどのように使うのかということ、この国の表現者が「筆」という道具とどのようにつきあって来たのかということを改めて感じました。

 表現された結果に、動き、柔らかさを感じるというのが凄いのです。何故ならどう考えても、普通に目に見えるような速度、軽やかな動かし方で線を描いていないことは、漆の性質を考える時、明らかなのですから。

 展示資料のなかに展覧会での紹介草稿のようなものもあって、この辺りも面白く拝見・拝読。黒い地に金の波の棗、光琳の流水も思いつつ、こうしたエッジを感じる(文様としての)表現の面白さを改めて感じました。また、平面的な表現をしながらも、研ぎ出しなど行程を工夫することで空間に遠近感を微妙に加えている所、試している所なども興味深く見ることが出来ました。鉢外側に赤漆で龍が線のみで描かれている意匠の面白さ、その完成度の高さに感心するばかり。

 草稿の数々。準備、構想に時間をかけたことがわかるお仕事、また資料も展示されており楽しめました。

 画像記事「緻密な作業」でも書きましたが、プロがプロとしてあることについて改めて思う今日このごろです。