展覧会案内・感想

2013年07月25日

 山本二三展
山本二三展 チラシ表

山本二三展 チラシ表
岡山シティーミュージアムで 山本二三展 が行われています。2013年7月19日(金)〜9月1日(日)開館時間 10:00〜18:00 入館は17時30分まで 休館日・月曜日(8月12日は開館)

 この美術館が開館した当初は、デジタルミュージアムという名称だったように思いますが、これも時代でしょう、現在では改名され、岡山シティーミュージアムとなりました。とてもアクセスしやすい場所、岡山駅西口向かい、NHK岡山などが入っているビルの中に美術館はあります。

 展覧会立ち上がりが同じ日の「永青文庫 細川家の名宝展」が岡山県立美術館で行われていることもあって、同じ日に見て回ることにしました。(2つの展覧会の内容)組み合わせは、どうなの?という気がしないでもなかったのですが、せっかく暑い夏に岡山市街地に出て動くのです。できるだけいろいろ展覧会を回ることにしました。

 先に見た「永青文庫 細川家の名宝展」まさしく大名のコレクションと納得させられる所蔵品群でした。詳しくは別記事で紹介する予定ですが、より古いものはもちろん、地下に展示されていた近代作品、菱田春草の「落葉」横山大観の「柿紅葉」、小林古径の「髪」、これがちょうど明治、大正、昭和の作であることを考えると、コレクションが昭和に入っても行われたこと、その筋の良さを改めて思ったのです。つい先日、コレクターと美術品・作家の関係、<「日本ではマーケットが小さすぎて作家を育てられない」と、日本で現代アートを扱うギャラリーがアジアに出店した>との話を読んだばかり、はたして作品とコレクターの関係、時代、社会はこれからどのような作品、作家を記憶にとどめていくのでしょうか。

・・・と、そんなことを考えつつ、この「山本二三展」を訪れたのでした。

 美術館の入口付近には、アニメの背景画として実際に使われたであろう原画が拡大印刷されて作られた巨大な壁面装飾があったのですが、それを見たおり、正直、少々興ざめしたのです。拡大時の作業の粗さか?、私の目には画像のピクセルが目につき、また間延びして見えたのです。実物ももしかしたらそれに類する感覚ではないのか?・・・これから見るはずの展覧会自体への期待を少々削がれるように感じたのです。あくまで会場装飾だからということも分からないわけではないのですが、、、、そのこともあって大きな期待を持たず入ったことが逆の意味で強い印象となったのです。(出会いとは何が幸いするかわからないものです・・・)

 小さい・・・・

 アニメ背景画、一つ一つは、とても小さなモノでした。映画館のスクリーンサイズ、今時の一般家庭でのテレビ液晶画面サイズに比べて、こんな大きさで大丈夫なの?と、思うほど小さいのです。中にはパンすることを想定しての大きさというのもありましたが、ほぼA3サイズ内に収まるぐらいの原画でした。天井も高く広い会場で見た印象としては、どれもA4程度に感じられたように思います。

 この小ささの中にじっと目を凝らして見ても破綻の無い密度、空間への理解、階調の柔らかな変化が描きこまれていたのです。特に暗い階調変化の部屋などの表現、なかなかしびれました。クリアに描き出されていたのです。

 私が日本画を説明するときによく<日本画は理解の表現>というような意味のことを言うのですが、単なる写実ではなく、どのように作者は描こうとしているものを理解しているのか、また、目に見える以上のものを描き出そうとされているのかが描かれた絵から伝わって来るように感じたのです。
 それぞれ、自然への眼差し、この国の文化らしいニュアンスが私には感じられました。また、材料の使いこなしについても、その特性を知って濁らさず、クリアに描ききる熟練の業も感じたのです。

 ジブリ作品他、映画、テレビアニメなどで見たことのあるタイトルばかり、その背景画、小さな小さな画面の中に広がる世界。テレビや映画のスクリーン、またカタログ、本などの印刷物では感じ得ない階調の滑らかさ深さを原画では見ることが出来ました。まさしく作画作者の思いの深さ、豊かさの表現となっていたように思います。

 背景画 アニメーション美術 時間・動きということももちろん加味されるであろう表現の世界。若い方々がたくさん会場に来られていました。きっとこの時代の象徴的な記憶の一つになるに違いありません。