展覧会案内・感想

2013年07月26日

 近代の京都画壇-竹内栖鳳とともに
近代の京都画壇 チラシ表

近代の京都画壇 チラシ表
 井原市にある華鴒大塚美術館で「近代の京都画壇-竹内栖鳳とともに」が開かれています。平成25年6月14日(金)〜8月4日(日)月曜休館 午前9時〜午後5時 ただし入館は4時30分まで

「今時、日本画の伝統と言われても・・・・」

 日本画の近代化に対するそれぞれの答え。現在では本当に多様な作品が自由に発表されるようになりました。都会のある美術大学の日本画科では、すでに絵画平面すら飛び越えた制作をされる方も増えたと聞きます。またそれが少ない数ではないのだとか。果たして今、あえて日本画を専攻して、学校に通い学ぶメリットとは、何処にあるのでしょうか。

 私は、それぞれワガママ勝手に個人の中にある何かを信じて描くだけでは、これまでの長い年月、歴史を自分の中に取り込むことは難しいように思っています。材料、素材を手がかりとしたり、また技法を手がかりとしたり、この恵まれた自然との関係をテーマとしたりと、なんらかの関係付けをそれぞれがあえて行う必要性を感じているのです。

 自分が描いているのは、絵画であって、好んで使っているのがたまたま日本画の材料と呼ばれるものだったという場合ももちろんあるでしょうが、こうした関係付けによって、一人の人間が考える以上の広がり、時を超えたつながりを見つけ出すことが出来るように思うのです。

 具体的にどのようにしてそれを行うのか。

 今回の展覧会、京都画壇にスポットをあてた展示になっています。閉じられた地域が持つある種の一貫性によって、変化の流れが見やすくなって居るように思われます。どのような変化をそれぞれが求めたのか、また通底する存在は何か、そんな見方を行うことが出来るように思うのです。

 身近なモチーフ、洗練された作業。

 日本画の何が好きなのか?そんなことを確認しながらそれぞれの絵を見て回るのも一興です。また、絵を描くのが好きならば、惹かれた技術や要素を真似て描いてみる事で興味の対象がより具体的に把握出来るかも分かりません。

 見やすい大きさ、じっと見ていると描く作業の流れも見えてくるでしょう。鶏の屏風、木瓜の花、ナス、鶴、入江波光さんの「葡萄に栗鼠」も展示されています。

 会期あと僅かです。笠岡の竹喬美術館も加えて、井原に足を伸ばして見ませんか?