展覧会案内・感想

2015年01月28日

 プライベート・ユートピアここだけの場所+岡山の美術展
プライベート・ユートピアここだけの場所会場写真(今展では、会場での写真撮影が許可されています。)

プライベート・ユートピアここだけの場所会場写真(今展では、会場での写真撮影が許可されています。)
 岡山県立美術館で<プライベート・ユートピアここだけの場所>が行われています。2015年2月22日(日)まで開館時間 9:00〜17:00 入館は閉館30分前まで 休館日 2月2日(月)、9日(月)、16日(月)巡回最後の会場、岡山での展覧です。

 何かと慌ただしい年の始まり、日々の生活に追われている間にあと少しで2月というところまで来てしまいました。

 先日まで開催されていた天神山文化プラザでの「サラリーマン・コレクター展」に関わっていたこともあり、おとなりとはいえ、なかなか立ち寄ることも出来ず、また先日は県立美術館での「この国の価値観を再発見するワークショップ」で訪れていたにも拘らず、この企画展をゆっくり見ることが出来ませんでした。今日こそはと、この展覧会観覧を一番の目的にと県立美術館を訪問することにしたのです。

 まずは展覧会はすでに終了したのですが、オリエント美術館で1月25日まで開催されていた「児島虎次郎は見た!」展にも触れたいと思います。なぜならこの企画展、タイトルから児島虎次郎が収集したコレクションのみの企画展示だろうと決めつけていたこともあり、会期も終盤ギリギリ、また立ち寄れたわずかの時間で見ることになってしまい、実見してその他の展示、広がりが存在することについて頭が回っていなかったと大いに反省することになったからです。
 細川護立による蒐集品や、塩原又策蒐集品、山中商会の将来品などなど、ある意味でこちらも蒐集品の背後に見え隠れするコレクターに焦点を当てている展示のようにも思えたのです。

 現代のサラリーマンによるコレクションと、上記の方々のそれを直接比べるのは確かにちょっと無理があるでしょう、もちろんブリティッシュ・カウンシルコレクションとも・・・・。それでも熱意を持った「人」を感じる蒐集という行為については同じように感じたい気持ちになるのです。美術館関係者と話していると、どうしてもその集められたもの自体のクオリティーという話が出てきてしまいますが、コレクションから見えてくる背後に存在する「人」の匂いのようなものに注目したい気分なのです。

 一方、ブリティッシュ・カウンシルコレクションはといえば、いかにも筋が良いといいますか、いかにも美術館らしい展示品です(一部参加型もありましたが・・・)。

 素晴らしいと思う価値観の共有、大切に伝え続けたいと思う心の伝承。熱のようなものの存在、蒐集者によるものなのか、それとも展覧会企画者によるものなのか、「展覧会・展示(品)が素晴らしいと感じる」のはこの熱量とも大いに関係するように思うのです。

 何故なら大切に思う心が存在しなければ、それらはこうして目に触れる機会が否応なく無くなる存在にほかならないからです。


 二階で開催中の「岡山の美術」では、伝雪舟の「琴棋書画図」が展示されています。またその横には狩野探幽による「伝雪舟琴棋書画図縮図」が飾られており、この関係を見るのも興味深いことなのです。狩野探幽は、当時の絵の専門家!古画を鑑定に持ち込まれることも多く、見たものはこうして縮図を残したという話を聞いていましたが、実際にその縮図とそのオリジナルを見る機会となっているのです。

 岡本豊彦、私が言うのもおこがましい限りですが、なかなかうまい!!。筆使い、空間への意識も含め、近代にグッと近づいた存在であることを改めて思いました。

 宮本武蔵作「茄子図」の展示も今回実際に描いて確かめるワークショップがあったこともあり見やすい形となっています。これを機会にじっくり見ることが出来るチャンスです。

 正月飾りといいますか、鯛を描いた絵、ツル、エビ、洋画家に寄る富士山も、楽しめる展示です。人物、身体表現のコーナー、芹沢_介コーナーもありました。
 
 天神山文化プラザでは、2月8日までI氏賞選考作品展も行われています。