展覧会案内・感想

2015年05月05日

 金色の屏風 -描かれた物語と花鳥-
金色の屏風 -描かれた物語と花鳥-展 リーフレット表

金色の屏風 -描かれた物語と花鳥-展 リーフレット表
 岡山市の林原美術館で企画展「開金色の屏風 -描かれた物語と花鳥-」が開かれています。2015年4月11日(土) 〜5月24日(日)毎週月曜日休館 午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)7日休館

 偶然に聞いたFMラジオ番組、4日月曜日の朝は、現在行われている展覧会情報でした。最初の紹介は、奈義町現代美術館で行われている写真展、プレゼンターは岸本和明館長でした。続いて林原美術館の企画展紹介です。今年冬から春にかけては美術館がメンテナンスのため休館中と聞いていたことも有り、この企画展が開催されていることを聞いて驚きました。加えて現在行われている展覧会のテーマが江戸時代前期からの金屏風と聞いてより聞き耳を立てたのです。

 昼、所用の合間を縫って林原美術館を訪れました。黄金の色、天然緑青、群青、朱、本当に華やかな展示空間です。

 <選りすぐりの屏風を展示します>展覧会紹介にあるとおり、全く贅沢な展示空間です。なかでも私は、曽我物語屏風の力強い緑の描写に惹かれました。また金銅の月を貼り付けた柳橋水車図屏風の箔の使い方も興味深く見ることが出来ました。この絵がこの美術館所蔵であったことを今回改めて確認したのです。
 上記の2つ以外にも興味深い表現、細部を見ることが出来たのは言うまでもありません。今日のデジタル技術の粋を凝らしたというレプリカも展示されていおり、最近のテクノロジの進歩を改めて感じました。ただし、会場を何度か行き来して気になる作品を見ている内、やはりレプリカなりの弱さといったものを感じることになったのですが、今回は、総じて好印象。実物に触れたことのない方なら容易に騙せそうなクオリティーが印刷で実現できるということに驚いたのです。

 展覧会場入ってすぐの巻物、明らかに写しだとわかる線など有りましたが、絵の具の付きの見事さ、細部の描き込みなど、目を離すことを許しません。もちろん屏風作品の絵の具の着きにも驚くばかり、膨大な時間をかけて描かれたものであることがわかります。カルタ、貝合わせ、それぞれの小さな世界、密な描き込み。蒔絵で出来たカルタ入れの箱の見事さ!。これだけの量を一度に見ることが出来る贅沢さ!。

         お薦めの展覧会です。