展覧会案内・感想

2015年09月29日

 河原修平展 生誕100年記念
河原修平展 生誕100年記念 リーフレット表

河原修平展 生誕100年記念 リーフレット表
 岡山県立美術館で<河原修平展 生誕100年記念>が行われています。2015年9月16日(水)〜11月3日(火・祝)まで 開館時間 9:00〜17:00 入館は閉館30分前まで 10月23日(金)は、20:00まで開館 これからの休館日 10月5日(月)、13日(火)、19日(月)、26日(月)

 倉敷出身の画家、河原修平、正直言ってよく知りませんでした。かつて倉敷市立美術館で展覧会を行ったことがあるそうです。どこかで聞いたことがある名前、その程度の認識でしたが、直に見る作品は、不思議な空間を伴っていて、惹かれるものを感じました。

 平面作品、突飛な表現もなく、特に初期の頃は、当時のスタンダードといってよいような具象です。しかし、画面からはなんだか不思議な遠近感が感じられるのです。西洋的な写実の文脈だけでは捉えられないような絵画空間の魅力です。

 油絵の具を使った表現の中に感じるこの国の価値観の存在。
私自身が惹かれているのはなにか?・・・・楽しませてもらいました。


上記展示は、県立美術館2階「岡山の美術展」入り口付近の特別スペースでの展示でした。この他、坂田一男ほか、岡山ゆかりの作家の作品が続きます。

 日本画の展示では、「土蔵栄松(どぞうえいしょう)」の「叭々鳥図」に惹かれました。なんとも筆の扱いがよいのです。室町頃の作品とのことですが、大正・昭和、前田青邨や安田靫彦の線表現との関係性を思わせてくれるみずみずしさを感じることが出来ました。

 続く濃彩の花鳥図屏風、これも室町の屏風だそうですが、牡丹の描写に伝統的な材料の使い方をまさに見ることができました。浦上春琴、高橋秋華、文人のニオイもさせつつ、達者な表現です。