展覧会案内・感想

2015年11月27日

 華麗なる日本画 日本画コレクション25年の軌跡
華麗なる日本画 日本画コレクション25年の軌跡 チラシ表

華麗なる日本画 日本画コレクション25年の軌跡 チラシ表
 岡山県新見市にある新見美術館で 華麗なる日本画 日本画コレクション25年の軌跡 展 が行われています。T期2015年10月8日(木)〜12月6日(日)U期2015年12月11日(金)〜2016年2月14日 V期2016年2月20日〜4月10日 休館・月曜日(祝日の場合は翌日休館)、展示替期間中・年末年始(12月27日(日)〜1月4日(月))午前9時30分〜午後5時(入館は4時30分まで)

 残り会期あと僅かとなった一昨日、第T期の展示を拝見に、新見まで足を伸ばしました。長期・三期に渡って行われる開館25周年記念の企画展、封切りの会期です。

 毎回思うのですが、ここ吉備高原から新見美術館への道すがら、高梁川にそっての国道180号線沿いに見られる風景には、格別のものが有るように思います。備中松山城、白糸の滝、井倉洞(全長1200メートルの鍾乳洞)といった観光地として認知されたポイントも確かになのですが、上流へと向かう高梁川の川面、川沿いに広がる自然の景観・変化の様子がなかなか味わい深い姿なのです。川にかかる鉄橋、時折走る伯備線の列車との併走、今回は雨、冬を迎えようとする山間地の姿、なかなか良かったです。

 美術館での展覧会というと、壁面にズラッと並ぶ巨大な作品といったイメージをいだくことが多いように思いますが、今回は見やすい大きさ(家庭に掛けることも可能な大きさ)の作品が多かったように思います。個人の方からの寄託品、寄贈品が多く展示されていたからかもわかりません。実際にそれぞれの方々の家や会社の壁に飾られ、愛されてきた絵だったのだと思います。地域の美術館、愛された25年の歴史を感じる姿です。

 大向うを唸らそうといった肩のはったものではないところが、冬に向かうこの季節しっくりと来ました。壁面に掛けられた額縁、絵の表面と自分の目の間にあるのは、額縁に入ったガラス、もしくはアクリルのみ、グッと目を近づけて細部を見ることも可能です。
 絵のお勉強、日本画学習の一貫として、何よりの展示です(ガラス、アクリルがなければもっといいのですが・・・・それは欲張りですね^^;)美人画に見られる着物表現、髷、髪の毛。水墨表現に見られる筆使いの妙技。絵の具の乗りを見ることで、筆を動かす時間まで見えてきます。
 徳岡神泉の百合、掛け軸がありました。神泉らしいか?と言われるとちょっと・・・と言いたくなりますが、誠実に向き合った平明な表現、花の柔らかな描写がなかなか良かったです。

 絵の肌、作者の筆の動き、残された「時間」をじっくりと見る、感じることが出来る展覧会です。さて、このあとU期、V期、どんな作品を拝見できるのか・・・楽しみです。さて、これからの季節、県北に向かうおりは、雪や道路の凍結なんてことも考えられます。くれぐれも安全運転!で。