展覧会案内・感想

2015年12月27日

 宮 忠子展 「岡山の美術」特別展示 岡山の作家☆再発見T
宮 忠子展 「岡山の美術」特別展示 岡山の作家☆再発見T チラシ表

宮 忠子展 「岡山の美術」特別展示 岡山の作家☆再発見T チラシ表
 岡山県立美術館で<宮 忠子展 「岡山の美術」特別展示 岡山の作家☆再発見T>が行われています。2015年12月17日(木)〜2016年2月7日(日)まで 開館時間 9:00〜17:00 1月22日は19時まで開館・入館は閉館30分前まで これからの休館日 12月28日(月)〜1月4日(月)、12日(火)、18日(月)、25日(月)、2月1日(月)

 今年最後と思いつつ岡山県立美術館に出かけました。目的は、前々から気になっていた展覧会、「宮 忠子展」です。

 昔々、私が東京に住んでいたころ、取材をしていただいた美術雑誌の編集者の方に「岡山の方で面白い(興味深い)絵を発表されている方がいますよ」と紹介され、個展会場に足を運んだ事があるのです。当時、私自身は、<日本画とはどんな絵画を言うのか?>ということを意識し、探す過程の初まりの頃でした。まず手がかりとなったのは大正期の画家たち、速水御舟なども参考にしていましたが、特に京都の日本画家たち、国画創作協会の方々の作風に惹かれていたのです。結果的にその方々に近い表現手法、絵画技法的な見直し、実作を行っていたこともあって、取り組みの参考にと教えてくださったのでした。

 自然と向き合い、墨を使って和紙の上に線の集積として姿を現そうとする作業。印刷物などでは、エッチングのようにも一瞬見えますが、全体から見えてくるこの柔らかさは、やはり絵画のもの。自然の片隅を見つめる目。借り物ではない表現を捜す過程で見つけられたこの方なりの「やり方」なのだな〜と思ったのです。エモーショナルな空気感といったもの、シンプルな素材との関係の作り方、作業、手法に自分が現れてくる・・・・・。・・・当時、興味深く拝見しました。

 前館長の鍵岡さんと何かのおりお目にかかり、<宮さんという方が画集を作られたとのことでこれから作品を拝見に行く、あなた宮さんという画家を知っていますか?>と、問いかけらたことがありました。そのおり、上記のような話をしたのです。あれから1年くらい過ぎたでしょうか、今回の展覧会が開かれると聞いて、まとまって再び拝見することが出来る機会と楽しみにしていたのです。

 今回、宮さんの作品を年代を追い、まとまった数を拝見して作品の魅力を再確認したのはもちろんですが、当時の私自身の気持の有り様を思い出しました。材料や技法、様式感といったものを具体的な手がかりとして捜す中、自分自身の在処というか、より素の何かに出会うためには、この宮さんのような自然との向き合い方、よりシンプルに自分と向き合う方法としての時間の確保、場の設定といったものが是非とも必要と思っていたのです。東京での暮らし、なるべく自然がすこしでも感じられる場所といったことを念頭に住む地域を決めていたのですが、観光旅ではない「風景」との関係の作り方、自分との向き合い方。一年間、一本の同じ木を描いて過ごすような生活をしたら・・・・何か見つかるかも、若冲は鶏を一年眺めて、それから鶏を描いた・・・・そう、そういった生活への「憧れ」だったのです。

 あれからずいぶんな時間が過ぎました。
 自然豊かな岡山の山中で暮らすようにもなりました。

「日本画とは何か?」という自分自身の疑問。何かしら自分なりの意味付け、位置づけも出来てきた今、私なりの向き合い方がすこしは形として出来てきたのかもわかりません。結果としての絵の出来がどうかは別ですが・・・・。
 
 絵を描くこと、描き続けること。
 こういった向き合い方、やり方もある。

 他に、岡山ゆかりの方々の作品、掛け軸、正月飾りといったものも並んでいます。会期も長く、来年2月7日まで、お薦めの展覧会です。