展覧会案内・感想

2016年03月10日

 玉堂と文人画の世界 春を彩る館蔵名品とともに
玉堂と文人画の世界 春を彩る館蔵名品とともに 展チラシ表

玉堂と文人画の世界 春を彩る館蔵名品とともに 展チラシ表
 岡山市の林原美術館で企画展「玉堂と文人画の世界 春を彩る館蔵名品とともに」が開かれています。2016年3月5日(土) 〜4月3日(日)毎週月曜日休館(祝日の場合は翌日) 午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)

 桃太郎通り、シンフォニービル前の横断歩道でばったりお目にかかった館長さんに導かれ、林原美術館の企画展示「玉堂と文人画の世界 春を彩る館蔵名品とともに」を拝見することが出来ました。山に暮らしていると、街に出るときはわりときっちり予定を立てて動きます。たまにしか出ていかないからこその習慣なのですが、偶然の出会いから見ることが出来たこの展覧会、ちょうど探していたことに出会えたりする「縁の力」の不思議です。

 山の頂上とその山裾に流れる川面、視線を移動させ、遊ばせて見る事ができる世界の姿。その都度、新たなストーリーが生み出されるかのようです。「見たまま」とは、意味深な言葉にもなりえます。かたや写真のような客観を基本としたそれもあるでしょうし、記憶に映り込んだまさしく主観の世界もあるのです。

 その折々、それぞれに見えている世界が違うこと。同じ姿、ことを見ているようでも見え方は異なる・・・・・その人なりに。その人がおかれた場によって。

 筆の動き、紙との交歓。優しい時の流れ。豊かな時間。

 慌ただしくしていると、文人画を面白がることも出来ません。

 玉堂、春琴の山水画の世界を楽しめたのはもちろんですが、印のそれぞれ、形、サイズの違いも興味深く、墨画、小さなスケッチのような、絵にするというよりも覚書のようなそれも楽しく見ることが出来ました。

 春を伝える館蔵名品では、梅花図屏風「六曲一双」の狩野派的な描写に絵の具の下塗りと上塗りの関係を明らかに見ることが出来る部分も見つけられて楽しむことが出来ました。特徴的な胸、加えて耳のように?見える羽をつけたこの鳥、はたしてなんという種なのか?・・・。