展覧会案内・感想

2016年03月25日

 日本画に見る花鳥・人物・山水
日本画に見る花鳥・人物・山水 チラシ

日本画に見る花鳥・人物・山水 チラシ
 倉敷市立美術館で「日本画に見る花鳥・人物・山水」が行われています。2016年3月18日(金)〜4月24日(日)開館時間 9:00〜17:15 入場は16時45分まで 休館日毎週月曜日

 美術館に習慣的に通うようになると、開催される展覧会それぞれ、企画関係者の力の入れ具合、熱の入れ具合の違いなどといったマニアックなことを感じるようになったりもします。もっとも外野の人間が感じることですから、あてにはなりませんが。

 館蔵品を並べた展示、タイトルからして通底するテーマといったものを強く感じるかと言われれればそれ以上でも以下でもない・・・・と言いつつも、自由に見ることができるからこそ、閲覧者側に幸運な出会い、気付きとなるような出会いを与えてくれるようなこともあるのです。

 人物画の描写、何も描かれていない空間に人物を描いた掛け軸、<何故、背景が描かれていないのか?、昔々の記憶では、人物画を描くテーマの時、「背景も塗りなさい!」って言われたはずなのに・・・><日本画の絵の具は、写実的な表現に向かないから岩絵の具を装飾的に使うようになった」って聞いたことがあるけれど、掛け軸になったそれぞれ、十分に写真的、写実的な表現になっているように見えます。類似する作品も結構見たことがありますから、これも・・・・・?

 遙邨の「南郷の八月」制作に友人が関わった(実際に絵の具を塗り完成を手伝った)話、当時のある種の日本画は、描くおり分業が可能だったという話もあります。行き当たりばったりの制作ではこうは行きません。

 ある種のプロセス、材料・道具の使いこなしについての共通認識・基本的技術の習得が描く者それぞれに同じくあった事がわかります。

 落款、サインと言われる文字の書き方、画面への墨・絵の具の付き具合を同じ作家の絵それぞれで比べてみると、筆の速さの違いといったものを見つけることが出来たりします。

 大きな画面、小さな画面、それぞれに異なる絵の具の使い方の違いも同一作家で比べてみるとまた見えてくることがあったり。

 所詮、どれが好き、嫌いといった見方に初まり、終わるのかもわかりませんが、長く見続けること、興味を持つことによって、また自分の中に広がる違った好き、嫌いと出会えるチャンスも得られるように思うのです。
 
 倉敷市立美術館のコレクション展 新収蔵作品を中心に・加えて洋画名作選も行われています。