展覧会案内・感想

2017年06月12日

 国展創立前夜 ー大正前期の京都の日本画ー
国展創立前夜 大正前期の京都の日本画 展チラシ表

国展創立前夜 大正前期の京都の日本画 展チラシ表
 笠岡市立竹喬美術館で 国展創立前夜 ー大正前期の京都の日本画ー 展 が開催されます。2017年6月16日(日)〜7月23日(日)開館時間 9:30〜17:00 入館は16時30分まで 休館日:毎週月曜日(※ただし7月17日開館・16日閉館)

 この週末に始まる展覧会、少し早めの告知です。笠岡市立竹喬美術館も今年で開館35周年、先日の「土田麦僊塾の画家たち 山南宿回顧」に続く開館記念企画です。

<「日本画」とは、いったいどんな絵画なのか?>

私自身が問い続けているテーマの一つです。この日本画という言葉が生まれた明治という時代、そしてそれに続くのが大正時代です。今回のサブタイトルにある<大正前期の京都の日本画>にあえて書かれた<大正前期>という言葉の意味する先に何があるのか。

この「日本画」という言葉が明治に生まれたからこそ、ある意味で大正前期とは新しく生まれた「日本画」という言葉に近代の作家意識を身につけた(つけようとした?)新たな画家たちが絵を描くことで、その言葉に実態を与えようとした頃と言うことも出来るように思います。実際、研究者のなかには、この言葉の出来る前の絵画は、ある意味で「日本画」ではないとおっしゃる方もおられるのです。「日本画」とは、この時から作り上げようと試みた絵画だというのです。

私自身のスタンスは、「日本画」という言葉が生まれ(作られた)たおり、その時この国にすでにあった絵画、西洋絵画との違いがわかりやすく確認できた全て、大和絵や水墨画、絵巻、仏画などそれら全てものを総称したと思っています。だからこそ「伝統を継承する絵画」という言葉にも意味がでてくるのではないでしょうか。いかに伝統を継承したのか、またこの時に伝統を何に見出したのか?。

またサブタイトルに含まれる<京都>という場も大きな意味を持っていたに違いありません。事ある毎に感じる東京と京都の違い、それは今も変わらにような気がします。

私自身が「日本画」を探すおりのまず最初の手がかりとした時代、楽しみな展覧会です。


私もワークショップを行うことになっています。
森山知己 実技講座
7月16日(日)「竹喬<島二作>に見るセザンヌと南画的表現の追体験」
(なんというお題!でしょう。与えられたこのお題、<知之巻>に繋がるテーマでもあります。何かしら膝を打っていただける仕掛け、流れを現在考えているところです。)13:30〜15:30
問い合わせ 竹喬美術館 0865−63−3967