展覧会案内・感想

2018年09月17日

 国画創作協会の全貌展 創立100周年記念
国画創作協会の全貌展 創立100周年記念 チラシ表

国画創作協会の全貌展 創立100周年記念 チラシ表
 笠岡市立竹喬美術館で ー 創立100周年記念 国画創作協会の全貌展 ー が開催されています。2018年9月14日(金)〜10月21日(日)開館時間 9:30〜17:00 入館は16時30分まで 休館日:毎週月曜日(但し9月17日、24日、10月8日は開館、9月18日、25日、10月9日は休館)

 国画創作協会の行ったこと、そしてその作品群。私が画学生を終えた頃、東京での当時の日本画の流れとはちょっと違うもう一つの選択肢との出会いでした。

 東京で暮らす中、徐々に日本画に対する疑問が大きくなっていたおり、ここ岡山の地に生まれた笠岡市立竹喬美術館での一連の国画創作協会を検証する企画展の数々は刺激的でした。大正から昭和初期、たしかに川端龍子、速水御舟、小茂田青樹など関東の試みにも興味深いところは多々ありましたが、個人的なものだけではなく、伝統といった抜き難い何かを作品から感じさせるという意味で、京都画壇、それも国画創作協会の西洋、近代の受け止め方、表現は、なぜか私にはしっくり来たのです。

 竹橋美術館で3回に渡って特集された「国画創作協会の歩み展」で、出会った数々の作家、作品の数々。その後、新樹社を扱った展覧会もありました。

 館長いわく、ほぼ25年ぶりに全貌を回顧出来るような企画展、作品群を集めたとのこと。確かに、あれもこれもと懐かしい絵が並びます。

 部分模写を行ったことがある、小野竹喬の屏風「波切村」、榊原紫峰の水墨にもチャレンジしました。個人的には初期の頃、どうしても固くなる自分の絵画について、入江波光さんの柔らかな彩色を参考することで絵の具、材料の使い方についてを考えさせてもらったように思います。特に緑青、緑の扱いの違いについては岡山に暮らすようになって意識したことです。

 凄い!ボリュームです。また竹喬美術館は作品が見やすい!。

 厚塗りではない日本画のあり方。そこには毛筆を使って描く絵画、また自然との関係の作り方といった思いが色濃く出ているように思います。「伝統」を見直す意味でも参考になる部分が多いと思います。おそらく京都でも、ましてや東京ではなかなか見ることの出来ない作品群です。2階入り口正面のガラスケースに入った林司馬さんの作品など、20代の作とのこと、焦らずゆっくりとした絵との向き合い方、制作の様子に自分自身、しっかりしなければと示唆を受けた気がします。

 おすすめの展覧会です。

実技講座「国展の細密描写に挑む」
10月14日(日) 13:30〜15:00 
笠岡市立図書館多目的室

ワークショップ講師を勤めます。
対象は岡山県・広島県の高校生と一般

詳細は美術館にお尋ねください。