展覧会案内・感想

2018年12月23日

 幸野楳嶺が伝えたこと
幸野楳嶺が伝えたこと チラシ表

幸野楳嶺が伝えたこと チラシ表
 笠岡市立竹喬美術館で ー 幸野楳嶺が伝えたこと ー が開催されています。2018年12月21日(金)〜2019年2月3日(日)開館時間 9:30〜17:00 入館は16時30分まで 休館日:毎週月曜日 年末年始(12月29日〜1月3日)たがし1月14日(月・祝)開館、15日(火)休館

 特別展の3連続!。9月から10月にかけて開催された圧巻のー 創立100周年記念 国画創作協会の全貌展 ー、11月から12月のー幽玄なる世界 吉野石膏日本画コレクションー、そして今回のー幸野楳嶺が伝えたことーです。笠岡市立竹喬美術館の成り立ち・根幹をなす竹喬作品の研究、顕彰はもちろんですが、竹喬が生きた時代、取り組んだ日本画そのものに光を当てることも主要な活動のひとつに違いありません。

 かねてからの活動、「創立100周年記念 国画創作協会の全貌展」では、竹喬の生きた時代、日本画(画家たちは新しい日本画にどのような姿を与えるのか)の黎明期をこれでもかと!見せてくれたように思います。そして続く「幽玄なる世界 吉野石膏日本画コレクション」では、ある意味でその後の日本画についてを概観、そして今回の「幸野楳嶺が伝えたこと」では、国展誕生にいたるいわゆるその前史、京都という場所で起こったこと、生まれ、継れてきたことに光を当てたように思いました。

 幸野楳嶺の名前、作品の一部は知ってはいましたが、こうしてまとまっての展示、実物を多く見ることは初めてのことでした。また幸野楳嶺の師匠、塩川文鱗に加え楳嶺に学んだ綺羅星のごとき弟子たちの作品が並びます。谷口香嶠、菊池芳文、都路華香、そして忘れてならない竹内栖鳳。そしてそれに連なるかのように川合玉堂、上村松園の作品が続きます。
 京都画壇における存在感、指導者としての竹内栖鳳については、今展であえて触れないまでも竹喬美術館の企画展を見ていればそれは自明のこと、国展の設立にも大きな影響を及ぼしていたに違いありません。

 畳み掛けるかの如き展覧会の連続技。京都の日本画の重層性、連続性を思わずにいられません。これまで笠岡市立竹喬美術館の行ってきたことを大きく振り返ったこの3つの展覧会の開催。さて、これからの竹喬美術館はどんな展覧会を行っていくのか楽しみです。

 後に朦朧体と呼ばれるような絵画の萌芽が京都にもあり、また自然の捉え方、表現の関東との違いにも気付かされます。また師匠と弟子の関係にも目配りは及んでいます。

 日本画についての継承とは何か?。そんなことを考える手がかりにもなるように思いました。見る人を選ぶかもと思いつつ、オススメの展覧会です。