展覧会案内・感想

2019年07月09日

 生誕130年記念 小野竹喬のすべて 第一章:模索の時代
生誕130年記念 小野竹喬のすべて 展ちらし表

生誕130年記念 小野竹喬のすべて 展ちらし表
 笠岡市立竹喬美術館で  生誕130年記念 小野竹喬のすべて が開催されています。2019年7月6日(土)〜11月24日(日)開館時間 9:30〜17:00 入館は16時30分まで 休館日:毎週月曜日(月曜祝日の場合は翌日)第一章:模索の時代は、9月1日(日)まで。9月2日〜6日展示替え休館 第二章:至純の時代は 9月7日(土)〜11月24日(日)

 まさに圧巻の展示です。これでもかと並ぶ「第一章:模索の時代」、入ってすぐ右の展示室こそ少し時代がかった色合いを感じますが、続く展示室では「波切村」四曲一双がガラスなしで直接見ることができます。今回初めてじっくりと左隻上部の空の表現を見ることができました。その展示室正面のガラスケースには「郷土風景」、その脇にあった軸装「志摩之海岸」ほか印象深い絵が続きます。両側のガラスケースももちろん、屏風、掛け軸、明るい緑青、群青で展示室ひと部屋全てを埋め尽くしたかのような展示です。なんとも瑞々しい。

 竹喬の思う(描いた)日本画の世界。「日本画」は定義ができないから無いという話もありますが、当時、新しい日本画を生み出そうとした方々がいたことは紛れもない事実のように思います。

 華鴒大塚美術館の「五感の夏 日本の涼を楽しむ」展で感じたこと、そしてこの展覧会、それぞれ画家の絵との向かい合い方は決して古く無く、瑞々しい何かを感じさせてくれました。構図、天然の絵の具、筆使い、毛筆を使い、水を使って描く絵画であるということを改めて実感しました。


会期中、展示替えがあるそうです。もちろん第一章と第二章では全ての絵が変わるとのこと。まずは、美術館に行ってください。おすすめの展覧会です。


 2階展示室入った正面のガラスケースに展示中の「海」について、岡山を紹介する番組(7月21日朝、28日夜放送予定)中、竹喬の表現技法を実際に試めさせていただきました。少々、緑青の色合いが明るくなってしまいましたが、今回の試みに参加させていただいたことで、竹喬の大切にしたこと、絵の具との関わり、求めた絵肌といったことを再確認させていただきました。この話、8月中に竹喬美術館で実物も御覧頂いての話の会を開催するかも・・・・・日程が決まりましたら、このホームページでも告知予定です。