展覧会案内・感想

2020年02月01日

 近代花鳥画の名手 菊池芳文
近代花鳥画の名手 菊池芳文 展チラシ表

近代花鳥画の名手 菊池芳文 展チラシ表
 笠岡市立竹喬美術館で  近代花鳥画の名手 菊池芳文 が開催されています。2020年年1月25日(土)〜2020年3月8日(日)開館時間 9:30〜17:00 入館は16時30分まで 休館日:毎週月曜日(ただし、2月24日(月)開館・2月25日(火)休館)前期2月16日まで 後期2月18日から

 見に行ってよかった!!!!。

 明治から大正時代を生きた作家です。展覧会紹介のチラシを見ると、どの絵も少し古いといいますか、時代を感じる気がしました。展覧会は始まって間もないですし、まだ会期はタップリあります。忙しいし、(見に行くのは)もう少し先でもよいかと思っては見たものの、何か感じるものがあったのです。行きました!。良かったです。

 私は、菊池芳文と聞くと「小雨ふる吉野」の絵が真っ先に浮かびます。若い時、こんな風に桜を描きたいと試みた事がありました。絹を使い潤いあるニュアンスの中に重なる桜の花です。それでもどこかひと時代前の感じといいますか、今にそのまま使える表現かというとそうではない気が私はするのです。そんなイメージを持ちつつ、会場に入りました。

 展示室A、まず入ってすぐの置床に掛かる絵の状態がすごく良い!!。ガラスケースも無く、直に見る絵肌にまずは引き込まれました。筆跡も絵の具も間近に見ることができます。確かに描き方自体は、少々古く感じるのですが、何故か引き込まれます。会場を進むうちに感覚、描くセンスといったものは古くないということに気づきました。感覚的なのです。桜にこれまで私は特化して見ていたように思いますが、画題それぞれの絵の中に菊池芳文の今につながるセンスの有り様を感じたのです。

 中央に並ぶケースに入った滝の描き様など気になります。そうこうして見ていくうちに金屏風の鶴が現れました。「群鶴図」六曲一双です。絵の具の扱いこそシンプル、あっさりと描かれていますが、その動き、構成、屏風の折れ曲がりを見事使いこなしています。カタログなどで平面になるとなかなかわかりにくい点ではあるのですが・・・・とこうして書きつつ・・・カタログを見ると!、このニュアンスがちゃんと現れています。花鳥画の名手!!!。

 孔雀も良かった!!!。織物のための下図として作られたものも展示されていましたが、図録で見るよりも力強く訴えかけてくる力を感じます。孔雀の顔、羽毛の表現、興味深く見ることができました。

 菊池契月より好きかも・・・ そんなことを思いました。

 さて後期はどんな展示でしょうか!。楽しみです。