展覧会案内・感想

2021年08月12日

 ヨーロッパ絵画 400年の旅 珠玉の東京富士美術館コレクション
ヨーロッパ絵画 400年の旅 珠玉の東京富士美術館コレクション展リーフレット表

ヨーロッパ絵画 400年の旅 珠玉の東京富士美術館コレクション展リーフレット表
特別展「ヨーロッパ絵画 400年の旅 珠玉の東京富士美術館コレクション」展が岡山県立美術館で行われています。8月29日(日)まで 8月13日(金)14日(土)、28日(土)は20:00まで開館とのことです。(※コロナ禍です。実際の開館状況については、岡山県立美術館にご確認ください)

 久々のヨーロッパ絵画展!。日本人は好きな人が多いという印象派も並んでいます。

「日本画」という言葉が「西洋画」という言葉の対の言葉であるということを考えたことがあるでしょうか?。明治の頃できた言葉である「日本画」は、否応なく西洋を意識した言葉なのです。この国にそれまであった絵画はというと「日本絵画」と呼ぶのだとか。水墨画もそして日本絵画と呼ばれるものも、墨、筆、絵の具や画材と言ったそれぞれは、仏教とともに中国より伝来しました。日本画は材料の違いなんていう人がいますが、このあたりどのように考えているのでしょう。確かに、昭和、新岩絵の具を使うようになったあたりからは、材料の特別性はあるように思いますが、いわゆる唐絵と倭絵との構図にも似て、はたして我が国のオリジナリティーはいったいどこにあるのか?。国の名前のついた絵画というのは、そのあたりがポイントのような気がするのです。

作品を見る時に「個性」ということが何にも増して意味を持つようになったのは、はたしていつ頃からでしょうか。狩野派などの画派集団、画塾、このあたりとの関係もなかなか微妙な気がしています。

「アート」について、一般誌も取り上げる昨今、多くの方の興味は、どのあたりにあるのか。多様性を言う時にこのあたりもじっくりと考えたいと思うのです。

これまで語られてきた美術史だけでは見えてこない事柄の数々。

例えば、この展覧会に並ぶ絵画(作者)に一番最初にお金を払った人は、誰?どんな人だったのか?なんてあたりもとても興味深いのです。このあたりを見渡すことで「アート」に何らかの理解が進むのではと思ってみたり。このあたりに触れた書籍が販売されています。ダビットの「アルプスを越えるナポレオン」1801年(ダビット工房作)、今なら「映え」ですね。(※西岡文彦著 ビジネス戦略から読む美術史」新潮新書)

日本画についても考えたり、思ったりする機会になればいいな〜と思う今日このごろです^^;。