ここ数年海外探鳥旅行の候補地としてスリランカはあがっていたが、他にも行きたい所があり、なかなか実現しなかった。昨年8月スリランカに行く事を決め、現地探鳥旅行会社をネットで調べたり、他の人から聞いたりし、Bird and Wildlife Team という会社に決めた。

交渉は英文メールのやりとりで、これが小生の英語力では頭痛の種だったがなんとかクリア。当初4人で申し込みをしていたがTさん夫妻のご主人が手術のため断念なさり2人で行く事になった。参加の2人はヘビースモーカーで、しかも長い距離の歩きは勘弁してくれというタイプ、そのことも現地に知らせておいた。14日間で現地旅費は一人US$2,800。
スリランカの探鳥地図を開く
スリランカは2年前まで北の方を支配していたタミルタイガーという抵抗組織と政府間で内戦を続けていたが、抵抗組織は2年前に一掃され、現在は落ち着いている。それにともない観光客は増えて来ているそうだ。
探鳥以外にも思いつくまま書いていますので、読み難いかもしれませんが、おゆるしを。スリランカに探鳥に行きたい人の参考になれば幸いです。
(1日目) 2月12日 岡山→羽田→成田→コロンボ
コロンボへの航空会社はいろいろあるが成田からの直行便を利用。
いつもご一緒している河崎さん(以降Kさん)と成田のゲートで合流。
10時間ほどのフライトで現地空港に着く。現地の会社から探鳥に使用する小型プレーヤー3台と充電器4台の購入を頼まれ持参していたので、荷物検査を気にしていたが何事もなく税関を通過。
迎えを探しキョロキョロしていたが見つからないので両替を先にした。ATMからのキャシュカード利用で1ルピー=0.793円だった。
出口に向かった所で現地ガイドのChinthaka de Silvaに会えた。欧米人にはChinと呼ばれているそうだ。
一服後本日の宿のAirport Garden Hotelに向かう。ホテルの門でガードマンが鏡を使用して厳重に車の下部を調べたが、荷物は一切調べず通過。チェックイン後、夕食を食べながら旅の打ち合わせをした。チェックリストを貰うが、小生作成のチェックリスト(シギ・チドリ類の記載がかなり落ちていた)も渡し、これを使用するようお願いした。
貰ったチェックリストには鳥だけでなく、動物、両生類、蝶などが入っており、特に蝶は123種ものっている。蝶ウォッチングのツアーがあり、専門のガイドもいるそうだ。
(2日目) 2月13日 コロンボ→Kitulgara (93km)
朝食後、庭で探鳥。ヤシの木ばかりの整備された庭なのかサギ以外の鳥はいない。サギはアカガシラサギ。飛ぶと両翼が真っ白な羽根、色のついた胴できれいだ。
7:30am 出発。車は9人乗りのトヨタ。運転手は名はインドゥネール、年は31才。野鳥ガイドのチンさんは45才で2人の子持ち。
移動中は1時間に一度喫煙とブッシュトイレのために休憩するよう伝えていた。
11amには2泊するKitulgara Rest Houseに到着。チェックイン後昼飯まで庭にて探鳥。身近な鳥が出る。
昼食後1:30pmから探鳥開始。ホテルの裏にあるケラニ川を渡り対岸で探鳥すると聞いた。土手をおり始めるとチンさんが靴を脱げと言う。船着場のようなものがないので、歩いて舟に乗るのだ。
日曜日で水浴びをしている人達が大勢いる。聞けば仏教聖地のアダムス山への巡礼者がここで休むそうだ。
渡し舟を見て驚いた。幅が狭い。とりあえず乗り,座ったが尻が痛くて乗り心地は悪い。チンさんは立って乗っていた。帰りには小生も立って乗った。膝を船縁に押し付けると安定したが、400mmを付けたカメラを肩から下げているので不安だ。川の流れはかなり早い。
対岸に5分ほどで着き、再び靴を履き探鳥へ。村を通る時に選挙ポスターを撮影。次女が選挙に立候補して以来、選挙に関心を持つようになった。
チンさんに聞くと、3月に選挙があるそうだ。このポスターは日本で言えば県議員の選挙ポスターということ。識字率が低いので、投票用紙には候補者のナンバー数字を書き、×印と数字のみで投票する。象は政党を表す。
この時間帯にはほとんど鳥を見ないが森に入り、どんどん歩く。靴はヒル除けを兼ねた活動靴というものを履いている。この靴は野鳥の会の本部からの無料提供。ただし履いている写真と履き心地のリポートを提供しないといけない。靴本体に布が付いており、膝まで上げることが出来る。本来は災害現場で履くために作られた。
かなり歩いたが途中3回ほど休む、その間チンさんが鳥を探しに森に入った。
暗い森から急に明るい水田に出た。再びチンさんは鳥を探して森に入る。ニコニコしながら戻り、やっと見つけたと言う。
探していたのはセレンディブ・コノハズクという珍鳥だった。この鳥は2000年に新発見されたフクロウの仲間。それ以来この鳥を見る為に世界中からバードウォチャーが来るが、なかなか見えないらしい。広い熱帯雨林の中でわずか16.5cmの鳥を探すのは至難の業だと思う。毎日居場所が変わると聞いた。
つがいで休んでいる。400mmで撮影したが、近い為に上半身のみしか写せず、あわててカメラを標準ズームにかえ撮影。長居は無用と5枚ほど撮って退散した。ほんとに運がよかった。
更に暗い森の斜面をあがり待機。チンさんは盛んに鳥声テープを流す。一体何鳥なんだと聞くと、Sri Lanka Spurfowl(セイロンケズメシャコ)で、この鳥はスリランカの固有種の中でも見るのが一番難しいのだと言う。
1 時間ほど待ったが鳥は現れず。
我々2人にとっては見るのが難しい珍鳥より、並の美しい鳥が撮影できれば充分だとは伝えていたが野鳥ガイドのメンツがあるらしい。どこの国に行っても野鳥ガイドは同じような傾向があり珍鳥を見せたがる。すべての鳥が我々には初めて見る珍鳥なんだけど。
更に日没まで待って他のフクロウを探すと言うが、早く帰ろうと催促した。途中インド人のバードウォチャー10人ほどに出会う。例のコノハズクを探しに行くらしいが、チンさんは顔見知りの引率の野鳥ガイドに何も言わなかった。居場所は企業秘密か。
帰る途中、村で何種類かの鳥を見た。
夕食時チンさんがインド人のバードウォチャーにセレンディブコノハズクの写真を見せてやってくれと言うので、見せた。「見たかったなぁー」と残念がってた。
(3日目) 2月14日 Kitulgara
6:00am 夜明け前、車で近くに出かけ探鳥。霧が濃く良く見えなかったが何種類かの鳥が出た。固有種の鳥を撮影するが霧と暗いのでブレブレだった。ホテルに戻り8:30amから朝食。
ホテルの裏に流れる川はケラニ川。「戦場にかける橋」という映画はこの川を利用して撮影されたそうだ。
9:30amからホテル前庭で探鳥。庭の一角に仏像を飾りお参りが出来るようになっている。遠くからマイクを通して読経の声が聞こえてきた。さすが仏教国だ。ホテルの前には食料品のスーパーのような店があった。
ホテルや人家近くには10時ぐらいになっても鳥はうろうろしている。
シキチョウは支部の旅行でマレーシャのタマンネガラ国立公園に行った時によく見かけたものと同じで、鳴き声はなかなかのもんだ。
11時ぐらいになると鳥は出なくなり、食堂に戻りそこから探鳥する。対岸に猛禽類など出るが遠くて撮影は無理だった。Kさんは座りながらの探鳥だ。
3:00pm再び川を渡り村近くで探鳥。
スリランカの鳥の中で1種類で三つの英名を持つものがいる。このヒイロサンショウクイもOrange Minivet,ScarletMinivetなどの英名がついている。下面は尾羽の先まで真っ赤。
あちこちで見かけ追いかけまわしたが以後撮影できなかった。この探鳥記の鳥の英名は図鑑(Oxford刊)のものにしている。
(4日目) 2月15日 Kitulgara→Sinharaja(144km)
7:30am シンハラジャ国立公園に向け出発。途中色々な町や村を通り過ぎて行く。車から降り休憩中に鳥に遭遇、写真を撮る事ができた。
英国人の書いた探鳥記に、これから3日間滞在するMartin’s Lodgeには酒類を置いてないので途中で買っていくのがいいとあった。Kさんに話したところ、ぜひ買いたいので酒屋に寄ろうということになった。地元ビールのライオンを10缶購入した。
上の写真の右はトクトクというタクシーがわりのもので、三輪自動車。ほとんどがインドのTATA製。戦後日本でもこれより少し大きな三輪自動車が盛んに走っていた。TATA製のバスとか四輪駆動車もあちこちで見かけた。
途中の道は悪い上に曲がりくねっていた。谷から山に登り又下る、これの繰り返しで直線道路というものがほとんどないのだ。車酔いをしながら、やっとシンハラジャ国立公園の受付に到着。この国立公園は世界自然文化遺産になっており、原始の手つかずの熱帯雨林が広がっている。
ここでジープに乗り換え、我々専属の公園レインジャーをのせ、登って行くのだが、この道が無茶苦茶、元は石畳の道だったんだろうが土が流れて、石だけが残っている。その石があちこちに散らばっている、そこをジープで走るのだが、揺れ方は半端じゃない。30分ほどでやっとMartin’s Lodgeに到着。午後1時だった。
食堂からの眺望は素晴らしい。部屋がかなり狭いので暇さえあれば食堂に座り紅茶を飲んだり、タバコを吸ったりしていた。早速ビールを冷蔵庫に入れて貰った。
3:00pm公園の入口まで歩き探鳥開始。公園内ではテープ使用禁止、禁煙などルールを大きな看板に書いていた。
レインジャーを必ず伴わないと公園には入れない規則になっている。通常レインジャーは、それなりの制服を着ているが、ここの公園のレインジャーは私服(T-シャツ)で素足にゴム草履の格好をしていた。双眼鏡は持ってないが、鳥を見つける能力はすごかった。
熱帯雨林の早朝でも鳥の数は多くはない。まして午前10時過ぎから午後4時ごろまでは鳴き声もまばらで鳥を探すのに苦労する。運良く混群(英語でBird Flock、米語ではBird Wave)に出会えれば12〜13種に一度に出会える。
バードフロックに出会えぬまま、何種類かの鳥を撮影できたが、熱帯雨林での撮影は苦手だ。高い木の上部にいるので逆光だったりそら抜けだったりでいまいちだし、暗い森の中も感度をあげないとブレる。
休憩所があったので一休み。レインジャーがここならタバコを吸ってもいいよと言うことで彼にも一本渡し3人で吸っていると、彼がヒルが靴についていると注意してくれた。見るとしゃくとり虫のように体を伸び縮めながら登っていた。
ヒルソックスは大型の靴下のようなもので、これを履いて靴をはきズボンの上から膝の下で結ぶようになっている。膝までは安全だが、更にそれをよじ登ってくる。写真のヒルは3cmほどの長さで血をたっぷり吸うと短く太くなる。別に痛くも痒くもないが、血が止まらないのが困る。レインジャーが素足なのもヒルが触ると感触で判り、すぐ取り除けるからのようだ。
帰り道午後5時くらいに混群に出会った。12種類ほどが忙しく移動していた。撮影しようとするが、木の上を移動しているのと動きが速いのでうまくいかなかった。アカガオバンケンモドキ、ヒイロサンショウクイ、カワリサンコウチョウなどきれいな鳥が混じっていた。
セイロンの国鳥のセイロンヤケイが餌欲しさのためか寄ってくる。ニワトリの原種のようで羽根はきれいだ。飛んでも低くしか飛べない。
夕食は二つしかない食卓で宿泊客全員そろって食べる。世界中からのバードウォチャーが来ており、色々なタイプの人がいる。中でもユニークなのはカナダの人だった。このご夫妻は引退後すぐにマレーシャに移住し、7年になるそうだ。レンタカーでスリランカ中を回りひと月滞在、この宿には6泊すると言っていた。カエル、ヘビ、昆虫の写真撮影に来ており、友人のスリランカ人は500mmレンズ持参で鳥専門。
(5日目) 2月16日 Sinharaja
朝飯前にカメラを持って食堂に来た人達が数人いた。お目当ては常夜灯に集った蛾を食べに来るセイロンサンジャクだ。小生も小型デジカメで撮影した。フラッシュのためか羽根のブルー色が派手に写った。
7:30am再び国立公園まで歩き探鳥開始する。朝は少し肌寒い。蚊はいない。
薄暗い林床に鳥が動いた。じーっと待っているとSpurfowl(セイロンケズメシャコ)が現れ横切った。暗くて写真撮影どころではない。チンさんがやっと見れたと喜んでいた。お客2人よりガイドの方が喜ぶというのも変だが、それほど見え難い鳥だと言うことらしい。
ベンチに座って休んでいると突然サンコウチョウが現れた。座ったままシャッターを切るがファインダーぎりぎり。カメラの縦位置で撮影しようとしたが、さっといなくなった。
未練たらしく探していると、高い所にキヌバネドリがとまっていた。
800mmのレンズとか500mmのレンズを持ったバーダー(Birder)を見かけた。大きなフラッシュを付けた本格派。ほかにも欧州からの鳥見人の団体にも出会った。彼らは写真より鳥の確認数を重要視しているバードウォチャーだった。
公園のリサーチセンターの無人の食堂で一服休憩をしている時、Kさんの腕から血がだらだら流れていた。ヒルにやられたのだ。突然レインジャーが紙を燃やせと言う。おまじないでもするのかと見ていたら、灰を集めKさんの腕の傷口にこすりつけた。紙の灰には血をとめる作用があるらしい。傷口に紙を貼って終わり。枯葉の灰は効かないそうだ。
その後小生もやられた。左腕から血が流れるまでまったく気付かなかった。足元は厳重にしているが、ズボンをよじ登って来たらしい。この時はトレイルからはずれた森の中でじーっと動かず鳥の来るのを待っていた。ここのヒルは地面にしかおらず上から落ちて来ることはないそうだ。東南アジアには木から落ちてくるヒルがいる。血を吸われるのは構わないが血がなかなか止まらす衣服に付くのがやっかいだ。
11時にはロッジに帰り、食堂に座りティーを飲みながら鳥を待つが、まったく動きがない。宿泊客は朝から弁当を持ち出かけているので、昼食は3人だけだった。
食後、食堂に座り熱帯雨林を見下ろして鳥を探すが、一羽も見えず鳴き声もしなかった。熱帯雨林の昼はやはり鳥見はだめだ。弁当を持参のバーダーは鳥が見えるのだろうか。
4;00pmからロッジの下の道で探鳥。
この時Kさんは横着をしてリーチソックスを履かず、靴下でズボンの裾を覆うだけ。これが後でやっかいなことになるとは。油断大敵。
鳥を探している時に小生の右腕に虫が触ったようなので追い払おうとしたが逃げなかったので、よく見るとヒルがくっ付いてた。Kさんのライターでヒルをあぶってもらったら、ポトリと落ちた。ライターの炎で熱かったが、血を吸われる前だったので一安心。虫除けスプレーでも効果があると聞いた。
ロッジに帰る道で大きなトカゲがじーっとしている。危害は加えないと判っていても近づきにくかった。
薄暗くなる頃、部屋の前の椅子に座り一服していると宿泊客がどんどん帰って来る。英国人10人のグループは全員お揃いでスワロスキーの双眼鏡をかけ、白いリーチソックスを履いて帰って来た。知らない人が見たら異様な集団に見えるかもしれない。
夕食前食堂にいたらKさんが「やられたぁ!」と血染めの靴下を持って来た。どうやらヒルのようだ。ヒルソックスを履かなかった罰を受けたようだ。やはり厳重にしとかないとダメなんだなと納得。
夕食後、食堂ではタバコを吸いにくいので部屋の前で吸っていたら、例のカナダ人がヘッドランプを付け、カメラと三脚を持ち「I’m excited!」と言いながら食堂に入る。何事かと後を付いて食堂に行った。2cmのカエルを食堂の外で見つけ、それを撮影するのである。
ゴム草履で草むらに入り、木の葉に止まっているカエルを目当てに三脚を立てるのだが、急斜面で苦労していた。強烈に明るいヘッドランプとリモートフラッシュで5〜60枚はシャッターを切っただろう。食堂から丸見えなので、皆が野次馬で見ていた。
撮影終了後、食堂に戻って来た足を見て驚いた。20匹ほどのヒルが両足にくっ付いていた。慌てず手慣れた様子で一匹づつ剥がしていく。一匹持って、どうじゃと言われたが遠慮した。彼が言うには、家内は一度に240匹に足をやられたことがあるよ、と事も無げに言う。なんとも豪快な人だ。
(6日目) 2月17日 Sinharaja
夜明け前食堂にBlue Magpieを見に行く。2羽が食堂を出たり入ったりしていた。朝焼けを撮影。
7:00am探鳥開始。熱帯雨林は薄い霧に覆われていた。
朝日を浴びてカザリオウチュウが見える。逆光でわずかに頭に出ている冠羽で確認出来た。
種類の少ない混群が来た。
ガビチョウが二羽で羽根づくろいをしていた。たぶんオスがやっているんだろう。一羽はじーっと同じ姿勢をしていた。
Blue Magpieが3羽トレイルに出て来た。光線の具合によって色はかなり違って見える。茶色と青色の組み合わせはアンバランスの感がありしっくりしてない。台湾のBlue Magpie(ヤマムスメ)の青一色の方がすっきりしている。 
調査のためか足環を付けている個体もいた。下記の写真。
カナダ人のご夫妻が地面に座りこんで、セイロンヤケイの撮影をしていた。ヒルを気にする様子はまったくない。傍の友人の男性はヒルソックスを履いている。美しい羽根をアップして撮影しているようだった。
帰りチンさんが携帯で長々と話していた。沈痛な面持ちで、13才の息子が自転車で転び、ハンドルが腹に刺さり、午後2時から緊急手術をするんだと話してくれた。直ぐ帰った方がいいんじゃないかと言うと、代わりのガイドの手配をしてから帰宅します、と返事。
昼食後、「明朝6;00amには新しいガイドが来るし、2日後に再会しましょう」と言って片道4時間かけての帰宅。手ぶらで帰すのはどうかなとKさんに相談し見舞金を渡した。
部屋に戻り、裏の木窓を明けると近くの木で何か動いた。よく見るとサイチョウが羽繕いをしていた。窓からじっくり撮影した。きれいな鳥だったらいいんだけどなぁー。
食堂にカメラを持ち込み、鳥が出て来るのをティーを飲み、タバコを吸いながら待つが、やはり何も来ない。白人が一人戻り、ぼぉーとしているので話しかけてみた。オランダ人で6人のグループで来たと言う。自分はバードウォチャーの初心者で、残りの5人のように鳥を追いかけまわすのに飽きたし、鳥が出ないので帰って来た、と言うなるほどと合点した。
4:00pmからボケーとしていても勿体ないので2人で探鳥に出る。公園のトレイルには何も出て来ない。混群を前に見た場所で同じ時間帯で待機。50m前方でやはり混群が出た。10数種類はいるだろう、なかにきれいな鳥も混じっている。
ヒイロサンショウクイ、赤顔のMalkoha,サンコウチョウも混じっている。動きが早く、遠いので撮影が出来ず指をくわえて見るだけだ。
その中のアカガオバンケンモドキが近くに来たらしいが、同宿の英国人バードウォチャー夫妻と話していたので気がつかなかった。Kさんはうまく撮影できたようだ。夫妻が感嘆の声をあげていた。
宿は今夜も満室のようだ。食堂は2テーブルとも満席。またカナダ人ご夫妻と隣り合わせになる。今日の成果はどうだったかと聞くと、朝から弁当を持っての一日だったが、カエル1、ヘビ1、トリ1だけとの答えだ。友人のカメラマンに「鳥は撮影出来たか」と聞くと、「この人に付いて廻ったからさっぱりだった。」
Kさんが持ち込みのビールを差し上げると喜んで飲んでた。地元ビールの銘柄がライオン、彼が言うにはライオンの方がタイガー(カナダ産ビール)より美味い。宿泊客でビールの持ち込みをしている人は誰もいない。皆さん熱心なバードウォチャーなんだろう。
小生の英会話力はいい加減なもので相手の言ってることの半分もわからないし、発言はもっぱら単語を並べるだけのようなもの。現在形も過去形もめちゃくちゃで、いやになってくる。
カナダ人のご主人が現在住んでいるマレーシャに来た時には寄ってくれと名刺を呉れた。名刺にはカナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学名誉教授とあった。髭を顔中にはやしたナチュラリストが教授だったとは驚いた。
テーブルの前に座っている英国人夫妻はガイドと鳥合わせをやっているが、ガイドが図鑑をめくりながら見た鳥名を言うのをメモ用紙に書いているだけだった。ガイドの使用している図鑑にセレンディブコノハズクは出てないだろうと言ったら、「出ているよ。このフクロウがそうだ。」と言った。見ると似たようなフクロウでOriental Bay Owlとあった。
後ろのオランダ人の野鳥ガイドに確かめたら、やはり同じことを言った。
鳥の全長が違うので納得出来ず、後日チンさんに聞いたら、「彼らは初心者のガイドで何も知らないんだ。図鑑にはまだ出てないが改訂版には出ている」と言ってた。野鳥ガイドにもピンからキリがあるもんだ。
(7日目) 2月18日 Sinharajya→Enbilipitiya(50km)
6時には新しいガイドが来ると聞いていたので食堂で待つが来ない。ドライバーのインドウネールが現れたので、聞くとチンさんが戻って来たと言った。息子さんの怪我は軽く大したことはないそうだ。安心した。
今日は移動だが短いので楽そうだ。7:40amに出発しふもとで車を替えた。田舎の為か道は相変わらず曲がりくねっていた。田園風景の中を走る。途中から一級国道になり快適になる。
12時にCentauria Tourist Hotelに到着。ウェルカムドリンクとお絞りのサービスを受けた。ホテルは湖畔にあり、部屋のベランダは湖上にある。ベランダで一服がてらアジサシを撮影したが、曇り空のため鳥と同じような色なので使う気ならない。
出発前ホテル前の高い木にフクロウがいるとチンさんが教えてくれたが、見つけるのに一苦労。なんとか撮影したが、お地蔵さんのような顔つきをしていた。
2;00pm、Udawalawa国立公園に向け出発。40分ほどで到着し、サファリカーに乗り換えた。公園内は低木の乾燥サバンナだが、所々に池がある。
2007年のケニア以来のサファリだ。車だと鳥は逃げず、しかも歩かない楽な探鳥で次から次へとシャッターを切る。久しぶりに写真を撮ったいう気分になった。
この鳥の名前を調べようと図鑑を何度も見たがさっぱり判らず、チンさんに聞いたらMalkohaだと教えてくれた。図鑑のイラストは体の色がベージュ色になっているし、クチバシの形も少し違っていた。図鑑はあまりあてに出来ない。
草むらから飛び出た鳥が近くの木に止まった。見るとヤイロチョウ(八色鳥)。こんなに近くで見るのは初めてだ。興奮しながらシャッターを切った。
背後の葉の色とヤイロチョウの背中の色がほぼ同じ。判り易くするために鳥のみカラーで残し周辺をモノカラーにしてみた。何色見えるでしょうか。
水浴び直後で羽根が乱れているように見える。
哲学者と言おうか、悟り切った禅宗の僧侶と言おうか大きく目を見開いているフクロウが目前に止まっている。カメラの横位置では上半身しか入らない。縦位置にしてなんとか撮影した。北海道にいるシマフクロウそっくりだと、北海道生まれのKさんは言っていた。
このショウビン(Kingfisher)を何度も東南アジアで見かけたが、ろくな写真は撮れなかった。ここでやっと写真らしいものが撮れた。
途中車から降り用をたしている時、近くにオレンジとグリーン色した鳥を見たがカメラを持っておらず、撮り損ねたのが残念。チンさんに聞くとオレンジジツグミ(Orange-headed Thrush)と教えてくれたが図鑑だと背中の色は鼠色。実際は鮮やかなグリーン色をしていた。
2人共大いに撮影を堪能し、午後7時ホテルに帰った。
(8日目) 2月19日 Embilipitiya→Tissmaharama (78km)
8:00am 次の目的地Tiss.に向け出発。途中一服時にヒメヤマセミを見る。この鳥はアフリカではよく見かけた。日本のヤマセミに似ているが、少し違う。
10:00amにPriyankara Hotelに着く。早い為にチェックインが出来ず、庭のプールサイドで時間潰しする。庭は狭いが後ろには広大な水田が見えた。
1:30pm ヤーラ(Yala)国立公園に向かう。ここには象とか豹が見えるということで多くの観光客がサファリを楽しむ観光名所になっている。
公園の手前で水鳥類を見た。シギ類も沢山いるようだった。
ヘビウと言う名前は上手く付けたもんだ。これが体を沈めて泳ぐ様子はまるで蛇の様に見える。
公園に着き、車をジープへ替えた。サファリガイドが乗り込んで来た。
2:20pmからサファリ開始。サファリカーがあちこち走っているが、動物は数えるほどしかいないのに何をみるんだろうか。我々は鳥を見るので退屈はしないが、他の人はどうなんだろう。豹はいるのだろうが、運がよくなければ見ることはできないようだ。
今日も車からの撮影で、横着な鳥見人2人にとってこの上もない。いろいろ出て来る。
2時間走り、海に面した最南端で休憩。ここに2004年のスマトラ沖大地震のモニュメントと慰霊碑があった。当日、早朝サファリの日本人がここで休憩中津波に襲われ17名が亡くなったそうだ。思ってもみなかった災難だっただろう。合掌。
サファリガイドが言うには、その日の朝には全く動物が見えず、予知して早めに逃げていたんだろうと言ってた。
休憩後サファリを続ける。インドクジャクをあちこちで見たが撮影せずじまいだった。知らないでクジャクを見たら感動するだろうが、動物園ほかで見知っているのが残念だ。
目の前にハチクイが出た。縦位置で撮影したが、カメラが重く疲れる。ハチクイは、じーっとしているので撮影はじっくり出来る。
毎晩夕食は7:30pmから。チンさんは手洗いが近くにある場合は手をつかって食べている。子供の時からで慣れているんだろうが、我々がいくら努力しても手を使って食べるのは難しい。
毎食彼と一緒なので、出来るだけ会話をするようにしている。Kさんとの日本語の会話は何についてしゃべっているか、彼に英語で伝えるのだが、一苦労するし、単語がわからない場合がよくある。
(9日目) 2月20日Tissmaharama
前夜チンさんが4:30amに出発しますと言うので、理由を聞いたら「ヨタカ」を見るためだと言ったので、ヨタカは興味がないので遅くしようと提案。ヨタカは過去あちこちで見たが、よほど特徴でもない限り皆同じようにしか見えないし、いい写真は撮れない。
5:30am朝飯弁当を持ち出発。目的地はBundala Bird Sanctuary。水鳥の保護地。20分ほどで到着、ここでも四輪駆動車に乗り換える。保護センターを訪問した。ガラスを主体とした立派な建物で、そこから鳥を見ることができるようになっていた。
霧が立ちこめ遠くは見辛かった。車で悪路を行くと、シギ・チドリ類ほかの水鳥がどんどん出て来る。
日本だと夕方ねぐら入りでツバメが集団で集まるが、ここでは朝から集団で休んでいるように見えた。
餌を捕った直後らしく胸が濡れている。真近だったので縦位置撮影。
9:30am朝食弁当を食べに崖の上に車であがった。野良犬が餌ほしさになさけない声を出しながら近づいてくるし、カラスも間近にやってくるが無視。カラスをよく見ると背中から胸にかけて濃い茶褐色をしている。
崖をおり海に出る。ワニが海で泳いでいたので撮影しようとしたが、潜ったまま出て来なかった。養魚池に行くが、シギ・チ類ばかりで目立った鳥はいなかった。11:00amにホテルに帰る。
4:30pm近くの貯水池に出かける。
貯水池といってもかなり広く、いろいろな水草が生えている。水牛とかワニさえいる。
溺れそうに見える水牛の傍にアマサギが漁父の利を獲んとばかり待機していた。
バックシャン(後ろ美人)という鳥がいるとすれば、このアオショウビンかもしれない。前から見ると大したことはないが、背中に光線があたっていると輝いて見える。
ホンセイインコのオスには首輪模様があり、メスにはない。体を巻き付けるように甘えているのはメスだ。古女房がこんなことをしたら邪険にするだろうが、お水系の若い女性にやられたらオスとして公金でも横領して貢かもしれない。
6時前にキツツキを見に民家の庭に移動した。ねぐらに戻って来るのを高い木を見上げながら待っていると、他の鳥が現れた。
ここでもホンセイインコが仲良くしていた。最後には噛み付いたように見えた。
この民家の老人が出て来て一緒に探してくれた。暗くなって来た頃、彼が「Come! Come! Come!」と叫んだので急ぎ行って見ると待ち人が現れた。変わったキツツキだ。待ってた甲斐があった。大満足。
(10日目) 2月21日 Tissmaharama→Nuwara Eliya (180km)
7:45am 今日は長い距離の移動だ。出発間無しに路傍の池にレンカク数羽を見つけた。降りて撮影。傍の木にもアオショウビン。
観光名所のラワナ・エラ滝を過ぎたあたりで、ティーブレークのためホテルに寄る。眺めはいいが曇り空のため見通しは悪かった。
登りのドライブが続く。1月の豪雨のため崖崩れの箇所が多く、ゆっくり走る。過去に経験のない程の雨のために崩れ、補修工事が盛んに行われていた。
1;20pm やっと2泊するGalway Forest Lodge到着。直ぐに昼食だが、ビフェでなくセットメニューだった。この旅で初めて日本人のグループに会った。昼食に寄ったそうだ。短期間にスリランカを廻ると聞いて、チンさんが「まるで懲罰のような旅だな。」と皮肉る。
このホテルはForestと付いているが庭はまったくない。まわりは農村のみで何もない。
ホテルの前にはポロネギ畑が広がっている。
4:30pm 探鳥のためビクトリア公園に行く。英国の影響が色濃く残っている公園で整備されすぎている感じがした。チンさんがテープを流してお目当ての鳥を呼ぶがまったく反応なし。彼が言うのに、公園の中を流れる小川が増水したためか、小鳥類の休む場所を削りとったのだ。
公園入口の看板だが、上からシンハラ語、タミール語、英語の表示になっている。公共のボードは必ず三つの言語で書かれている。チンさんはタミール語がまったく読めないし喋れないそうだ。
木の上部に鳥が止まっている。腹しか見えないし真上なので写真を撮る気にならなかったが、チンさんが珍鳥でこの辺りにしかいないのだから撮影した方がいいよと言う。更にこの鳥が見えるとは幸運だと言うので、その気になって撮影した。
シキチョウが目の前に止まり撮影を催促しているようなので写す。
閉園時間の6時になったので出口に急ぐ。道でイエスズメが何羽か砂遊びをしていた。
夕食に食堂に行って驚いた。昼間閑散としていたのに満席になっている。全員宿泊客なのだ。フランス人、ロシア人が多い。チンさんに聞くと、ここは丁度キャンディーに行く中間点になるので1泊してキャンディに行く観光客が多いそうだ。バンド演奏で華やかさを演出する。
(11日目) 2月22日 Nuwara Eliya
5:00am朝食弁当を持ち、Horton Plains国立公園に向かう。6;15amに到着。海抜2,200mの開けた高原だ。さすがに寒い。
トイレが面白い、用をたっしながら景色を楽しむようになっている。
ここにしかいない固有種を探しながら歩く。車が何台も通り過ぎて行く。奥の方のハイキングの出発ポイントに行くためだ。鳥が朝日を浴びて出て来る。
一段落したところで、朝食弁当を食べた。更に車で移動し、高原を歩く。
シキチョウと同じような色調のノビタキを撮影するが、どうでもいいような写真しか撮れなかった。
帰り牧場により新鮮な牛乳を飲み、11時にホテル帰着。
昼食後ホテル周辺を2人で散策。やっと1種類見つけた。
4:00pmから歩きの探鳥。道端でテープを流しながら鳥を待っていると6〜7才の女の子2人が寄って来た。ボールペンをほしがっているようだが、無視していると写真を撮ってくれとせがむ。400mmではどうしようもなく40mほど先に行った時カメラを構えると、無邪気に慣れた様子で踊りだした。その明るさに心が和む。
大きな木をねぐらとするのか小鳥が集って来ているが、逆光のためシルエットでしか見えない。下の薮の木の枝に何か止まっている。暗くてよく判らなかったがカメラの感度をあげ、撮影した。カメラのモニターで見ると、ちゃんと写っている。カメラの性能に驚いた。
ホテルに帰ると、小型、大型バスで続々団体がチェックインしていた。
(12日目) 2月23日 Nuwara Eliya→Kandy (78km)
7:00am 出発まで周辺で鳥を探す。目当ての鳥のテープを流すが、別の鳥がやって来た。
キャンディを目指し走る。周辺にはいたる所で紅茶の茶畑が見らる。規模は小さい。ケニアで見た茶畑は走れども走れども延々と続いていた。チンさん曰くに、世界最大の紅茶輸出国はケニアだ。ただしスリランカの方が質はいいんだと自慢していた。
紅茶工場に寄る。工場内部を案内してくれるのはいいんだが、半分も理解出来なかった。紅茶をご馳走になった手前、買わざるを得ないようになった。値段はピンからキリまであるが、どうせ買うんだったら最高級のものをと思い、チンさんお勧めの「Golden Tips」を購入した。
11:00am Hotel Suisseに到着、チェックイン。
このホテルはスイス人が建てた。古き良き時代を思わせる植民地風の建物だ。食堂は吹き抜けになっており、天井は高い。
3:30pm ペラデニア植物園の探鳥に向かう。
かって英国の植民地であった国にはりっぱな植物園が残っており、園内には木が大きく育っている。香港、オーストラリア、ニュージランド等々で探鳥地になっている。
園内では散策を楽しむ人々、仏教信者の白い装束での集会などが見られた。鳥は高い木の上にいるものが多い。
最後の固有種を遠くにやっと見つけた。ガイドとして固有種全部をお客に見せるのが、自分の腕になるのか、チンさんは盛んに喜んでいた。お客2人は大して関心はないのだが。
植物園を後にし、世界文化遺産の仏歯寺(Tooth Temple)に向かう。夕方のためか寺の周辺はごった返し、やっと駐車できた。
この寺はお釈迦様の犬歯を納めている、いわばスリランカの仏教の総本山のようなところらしい。かって自爆テロがあったので、入口で厳重な身体検査をされた。参道横の木がカラスのねぐらになっており、カラスが沢山集っていた。
裸足になり内部に入るが、観光客や信者でごったがえしていた。
7時過ぎにホテルに帰り、夕食。
(13日目) 2月24日 Kandy→Sigiriya (98km)
旅もいよいよ大詰めに近づいた。若い時なら、もう終わるのかと思ったもんだが、年をとって来ると、やっと終わりだな、と思うようになった。
朝食後一服のため外に出る、朝日を浴びながら楽しんだ。
7:45am 近くの国立公園へ。
熱帯雨林の森で木が高く、うっそうとしているので暗い。英国人らしい2人の女性バードウォチャーを見かける。服装はばっちり決まっていた。鳥は出るのだが高い所で、こちらの腕も悪いので撮影がうまく出来ない。
やっと一枚写した。この鳥はかってマレーシャのタマンネガラ国立公園の熱帯雨林の中でばっちり撮影したことがある。不思議なもので、いい写真が撮れた場合、どこでどんな状況で撮ったか、何年経っても覚えている。数は数える程しかないんだが。
探鳥後、Sigiriaに向かう。
海外での買い物はほどんどしないが孫と従業員への土産は必須。バティック(ろうけつ染)の店に寄ってもらう。土産買いは義務のようなもので、孫4人のものを適当に見繕って買った。総額から一割引きますということだったので値段交渉はしなかった。ついでに現場を見せてもらった。
11:50am Hotel Sigiriaに到着。ウェルカムドリンクを飲みながらロビーから見える世界文化遺産のシギリア・ロックを写す。
同じ所から400mm×1.4のレンズ付き一眼レフで写した。岩上の砦跡と観光客が見える。
今ままでが高地だったせいか、ここは蒸し暑い。部屋に入り、庭に出て鳥を探していたら、奇妙な蝶が沢山飛んでいた。よく見るとトンボだ。遊びに400ミリで何枚も撮影していたら小さな蚊のようなものに刺され、あわてて蚊除けを塗った。
4:40pm ロック近くの森に出かける。チンさんが遠くに鳴き声を聞き、あの鳥を呼び寄せると言ってテープを流した。珍しく反応して近くに寄って来た。黒いカッコウだった。
夕刻大型フクロウを呼び込もうとテープを頻繁に流したが、不発。近くにいないらしい。テープを使用して鳥を呼び込む成功率は低い。
夕食時食堂へホテルの料理長がチンさんに会いに来た。両者ともガイド試験の受験仲間で、2人とも試験には合格したそうだ。夕食のビュフェが今までの中で一番よかったと褒めたら喜んで、是非ともコメントを書いてくれと頼まれた。
(14日目) 2月25日 Sigiriya→コロンボ(140km)
いよいよ最終日になった。
7:45am 歩いてホテル周辺での探鳥をする。森林の低い枝に何か止まっている。とにかくピントを合わせシャッターを切った。カメラのモニターを見てオレンジジツグミと判った。明るい所で撮りたかった。
次の探鳥地に車で出発し、直後、街の中のフェンスにサンコウチョウのメスが出た。車のガラス越しに撮影。近過ぎて上半身のみしか撮れず、あっという間に飛び去った。
森で探鳥したが、めぼしい鳥は出なかった。ただ一瞬全身オレンジ色のマメカワセミが飛んだが、よく見えなかった。
200mほどだ。垂直の岩を見ると、嫌気がする。
殺されることを恐れた王がこの岩の上に砦を作り14年間暮らしたそうだ。ここに砦を作る工事はさぞ大変なことだったろう。登る途中に「シギリアの美女」と呼ばれる有名なフラスコ画あるそうだが、登らない人間には縁のないことだ。
0時にはホテルに帰った。休憩をカメラ持参で庭のベンチで休んでいたら従業員が木の上に鳥がいると教えてくれた。じっと見ているとコシアカヒヨドリが体を震わせダンスをしているようだった。求愛ダンスなのか? 真下から撮影。
部屋に戻りかけたら、バーの従業員がカメラで鳥を撮影している。こちらもご相伴に預かり撮影。緑陰なので背中の色がいまいちだ。その従業員が撮り溜めた写真を見せてくれた。数種類を同じ木で撮影していた。
食堂には猿の侵入を防ぐためにネットが張られている。我々の部屋にも侵入されかけ慌てた。
昼食に行くと料理長がコメント用紙を持ち待っていた。食事中に書き渡したが、英作文には頭を痛める。
1:00pm コロンボに向け出発。
途中お茶をしようとレストランに寄った。果物を使った美味しそうなジュースを全員注文。美味しかったが、こういう時に限り鳥がでてくるものだ。カメラを車に置いているので、どうしようもない。小さな混群が近くをうろうろ、サンコウチョウ他が混じっていた。
6:10pmにはAirport Garden Hotelに到着。出発まで部屋を押さえているのでゆっくり出来る。チンさんと最後の夕食。まわりには日本人が大勢いた。同じ便に乗る人たちだろう。
(15日目)成田に時間通り到着した。今回は何も事件は起きず、無事帰国。
探鳥旅行の楽しみ方は人によってさまざま。野鳥の数を沢山見たい人、写真を撮りたい人など。小生の場合はきれいな鳥のいい写真が2〜3枚撮れれば充分だと思っている。今回は久しぶりにのんびり充実した旅を楽しみ、写真も撮れた。旅はこうじゃないといけないなと2人とも同感した。
チンさんが最後に言ったのは、朝から晩まで鳥を追いかけている人達の見た鳥の数と今回2人の見た鳥の数はほぼ同数だと。移動日以外は昼間は休憩していた。雨には一度も会わず、寒い日本を離れ大満足の旅だった。
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